身なりや言葉遣い悪い患者、効きが少ない薬処方される例も

1月20日(月)16時0分 NEWSポストセブン

様々な規模の病院で勤務経験のある眼科医平松類医師

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 病院で受診する際、患者の行動によって診断結果に影響が出る場合がある。『知ってはいけない医者の正体』(SB新書)の著者で、全国の様々な規模の病院で勤務経験のある眼科医・平松類氏はこう言う。


「例えば総合病院の内科を受診している患者さんが、せっかく病院にきたのだからと『目の調子も悪いんです』と“症状”を訴えたとします。このケースでは、本来なら専門である眼科を紹介すべきにもかかわらず『様子を見ましょう』とされてしまうリスクがある。


 原因は、大病院が“縦割り社会”であること。診療科ごとに派閥や力関係があって他の科との連携が十分でなく、専門外のことを聞かれると“様子見で”としてしまう医師が少なからずいるのです」


 つまり曖昧に病状を告げるのは「NG」なのだ。


「患者は医師に対して“症状”ではなく“要望”を伝えるべきです。はっきりと『目の具合を調べたいから、眼科にかかりたい』と伝えれば、他科を紹介せざるをえないでしょう」(平松氏、以下同)


 患者の身なりや話し方が原因で医師の治療方針が変わってしまうこともある。


「糖尿病が悪化すると、インスリン注射が必要になることがある。これは患者自身が打たなければなりませんが、打つ量やタイミングを間違えると低血糖など命にかかわる副作用を起こしかねない。


 そのため医師は、問診の際に『この人は用法・用量を守ってくれる人か』を見極めようとします。常識の範囲内であれば問題ないのですが、あまりに身なりや言葉使いが汚い人に対しては、リスクが少ないのと同時に効きも少ない別の薬を処方する場合があるのです」


 問診を巡る興味深いデータも存在する。


「150組の問診の様子を分析したという海外の調査研究があるのですが、身なりのきちんとしていない患者さんに対して、医師は“質問の機会を与えない”という傾向があることが判明したのです。


 つまり、患者の症状の訴えに耳を貸さず、“私の言う通りにしていればいい”という姿勢で診断を下す傾向が出るということ。着飾るような必要はないが、最低限、身ぎれいにしておくことがそうしたリスクを避けることにつながります」


 人間同士のやり取りになるからこそ、“医師が自分の話をどう聞き、自分の姿をどう見ているか”という視点も持つことも重要だ。


※週刊ポスト2020年1月31日号

NEWSポストセブン

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