インフルエンザ脳症にかかった人の体験談が話題

1月28日(月)15時48分 おたくま経済新聞


 いま全国で猛威をふるっているインフルエンザ。一人が発症すると、周りにいる人にも一気に感染が拡大し、学級閉鎖や業務不能状態に陥っているところも。そのインフルエンザで特に怖いのが、肺炎などインフルエンザ発症に起因する併発症状。特に脳に症状が及ぶ「インフルエンザ脳症」は、しばしば死亡や神経学的後障害をもたらすなど非常に重篤な症状となります。そのインフルエンザ脳症に実際にかかった人のつぶやきがツイッターで話題になりました。

 「私がインフルエンザ脳症で最初に感じた異常はおしっこが出なくなり、幻覚が見えたこと トイレのタンクの水を十二国記の麒麟が飲んでいたので愛でた後、救急車を呼びました」と、当時の記憶をツイッターに投稿したのは、ネットユーザーのさとちゃんさん。この時、さとちゃんさんは19歳。ワクチンは打っていなかったそうです。続くツイートで、「病院内では病室の壁に一面虫がついている幻覚、異常に怒りっぽくなる、終わらない悪夢を見続ける、おかしな事を言う、などの奇行があったようです」「髄液を調べる検査をしますがこれがたまらなく痛い 骨髄穿刺 思い出すだけで辛い…」と、当時の事を振り返っていました。



 この衝撃的なツイートに多くの人が反応。あちこちでインフルエンザ脳症に関するツイートも見かけるようになりました。

■ インフルエンザ脳症とは

 厚生労働省が発表している「インフルエンザ脳症ガイドライン」では、インフルエンザ脳症の定義として、急性発症の、意識障害を主徴とする症候群(意識障害、けいれん、異常言動・行動)をあげています。しかし、まれに遷延型の脳症もあり、けいれんや明確な意識障害がなくても、インフルエンザり患後に異常言動・行動が現れる事によって診断がつくケースもあります。これは、ウイルスが炎症を起こす事で脳に浮腫(むくみ)が生じて脳を圧迫するために発生するものです。急性脳症の場合は発症後に急激に脳がむくむ事で症状が劇的に起こりますが、じわじわと炎症が広がっていく場合、徐々に意識障害が出現したり、奇行や人が変わったような性格変化が起きる事もあります。

 発症する年代としては、0〜4歳、5〜19歳、20〜59歳、60歳以上の4つの年齢群に分け算出した結果、20歳以上の成人例に比べ、0〜4歳、5〜19歳の報告数が多く、2015年の統計では0~19歳までの総数として610件、20〜59歳では72件、60歳以上で66件。しかし、届け時に死亡と診断された人の割合は0〜4歳で6.9%、5〜19歳で4.9%と命が助かるか割合は多いものの、20〜59歳では9.7%、60歳以上では15.2%と高くなっており、年齢が高いほど重篤になりやすいと言えるようです。

■ もしインフルエンザにかかった時に脳症が疑わしい時は?

 高熱の後、短時間(数分程度)のけいれんが起こり、意識障害もない時は経過観察となりますが、けいれん後に意識がおかしい場合はすぐに救急外来へ受診する事が大事です。小児の場合、熱性けいれんと見分けがつかない場合もありますが、けいれんが治まらない時や、けいれん後にぼーっとしている、目の焦点が合わないなどの変化がある時は遠慮なく受診してください。また、子どもがインフルエンザにかかった時にいきなり飛び起きて異常な行動をとる事もありますが、短時間で消失し、その後の意識もおかしい様子がなければ経過観察。いつもと違う言動や異常行動、錯覚や幻覚が1時間以上続くようであれば救急外来へ受診しましょう。声掛けにいつも通り反応しない、意識が混濁している、記憶が定かでないなど、明らかに意識がおかしい場合は即受診です。

 インフルエンザ脳症は時に後遺障害や死亡など、重篤な状態にもなりえます。しかし、ワクチンを打っている場合、抗体が少しでもついていればこの重篤化は避ける事ができます。ワクチンを打っていてもインフルエンザにかかる時はかかりますが、命の危険にさらされるほどの重篤な状態を回避しやすくなるのです。家族でワクチンを受けた場合、4人家族で1万円以上かかったりもしますが、重症化して入院となるともっと治療費にお金がかかる事となり得ます。集中治療室に入った場合、数百万単位でお金がかかる事も。高額医療助成や保険などのお金が入ってきたとしても、後遺症が残ってしまうと今までの生活もままならない事もあります。

 まずは、インフルエンザにかからないように予防の徹底を。もしかかってしまった場合は、こういう事もありうるという事も念頭に置いて完治するまで経過を見る必要がある事を忘れないでください。

<参考・引用>

厚生労働省 インフルエンザ脳症ガイドライン(PDF)

国立感染症研究所 インフルエンザ脳症について

<記事化協力>

さとちゃんさん(@1Eb2fGdO8TWMghA)

※初出時、一部記載年度に誤りがありました。訂正しお詫びいたします。

(梓川みいな/正看護師)

おたくま経済新聞

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