酒場放浪記にも登場!名居酒屋『車屋』の大玉子焼きはなぜ旨い?【盛り場の三ツ星ごはん】
2025年1月29日(水)10時50分 食楽web
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●根津の横丁に佇む居酒屋『車屋』で味わえる、大女将伝承の玉子焼きとご主人考案の鯖寿しの魅力をご紹介します。
東京の下町風情を楽しむ観光エリアのひとつ「谷根千」。寺町の谷中、屋敷町の千駄木、そして根津神社の門前町・根津と、それぞれ街の特徴には違いがあります。
根津は江戸時代には神社への参拝客はもとより武家屋敷に出入りする職人たちの街として栄え、明治以降はそれに加えて「本郷の東大」と「上野の芸大」に挟まれた場所になった為、学者や学生達でも賑う街になりました。
今では新しいカフェやパン屋などの新しいお店が並ぶ根津の横丁・片町通りですが、昭和の終わり頃までは八百屋、魚屋、肉屋などの小売店や銭湯があった下町の商店街だったといいます。
1978(昭和53)年創業。横丁の居酒屋『車屋』この根津の横丁・片町通りに料理が美味しいと地方からも毎年訪れる常連客がいる居酒屋『車屋』があります。
1978(昭和53)年、現在のご主人・柳井一成さんが13歳の時に、お祖母さんが女将さんとして現在の場所で創業。元は商店街の鶏卵販売店だった店舗の1階2階を改装してはじめたお店は個人営業の居酒屋としては“大箱”で、ちょっとした街の話題だったそうです。
お店の正面向いは銭湯、並びには八百屋、魚屋、肉屋などの個人商店があり所謂“下町の商店街”で、お客さんも近所に住む人たちが常連客の居酒屋。当時から人気だったのがビックサイズのこの玉子焼き。
大女将伝承の美味「大玉子焼き」お店にあるグランドメニューは基本的に創業以来ある“大女将の味”。
特に「大玉子焼き」は卵をたっぷり使い出汁の滋味が溢れる逸品として開店当初からの人気メニュー。常連客はじめお店を訪れた著名人にもファンが多い美味しさを伝承する変わらぬ一皿です。
道場六三郎さんに学んだご主人考案の「鯖の一本寿し」
ご主人・柳井さんは「料理の鉄人」道場六三郎さんのもとで長年修行し料理長まで務めたのち40歳で『車屋』の厨房を任されます。グランドメニュー以外で壁に貼られたお品書きは現在のご主人考案のものです。なかでも一年中人気なのが数量限定「鯖の一本寿し」。
鯖をおろして一晩冷凍し解凍後に酢でしめた半身を注文後に特製のすし飯でつくられる手間のかかった逸品は数量限定なので「あとでいいから『鯖すし』お願い」と来店早々に注文する顧客が多い、ご主人考案の珠玉の美味しさです。
大女将から受け継いだ“近所の居酒屋”が“あの根津の居酒屋”に
道場さんと創業者の大女将、そして先代のご主人
長年、近所の親父さんたちや東大や芸大の教師、学生に愛されてきた『車屋』に大きな転機があったのが2011年。「吉田類の酒場放浪記」(BS-TBS)で放映されると全国からお客さんが訪れるようになり、今では沖縄から毎年来店する顧客もいるそうです。
いつも笑顔で迎えてくれる、ご主人の柳井さん
お料理やお酒の品揃えといい、お店の雰囲気といい、ご主人はじめスタッフの人柄といい、全てが偉ぶらない“近所の居酒屋”のDNAを継承した根津の酒処『車屋』。予約必須ですが一度は食べるべき一皿がある東京の盛り場“あの根津の居酒屋”です。
●SHOP INFO
車屋
住:東京都文京区根津2-18-2
Tel:03-3821-2901
営:月〜金曜17:00〜23:15、土曜16:00〜23:00
休:日・祝
●著者プロフィール
芳賀威彦
広告会社でダイレクトマーケティング、出版社でデジタルコンテンツを中心に営業と制作を経験。
横丁好きの元・居酒屋部長。
仙台市生まれ。
(編集:DRCマーケティング株式会社)