厳しすぎるパチンコ業界 この1年で637店舗が廃業、もはや泥沼......

2022年1月30日(日)0時16分 キャリコネニュース

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かつて庶民の娯楽として認知されていたパチンコ。しかし今の時代、どんどん片隅に追いやられている。


健康増進法の改正でホールでの喫煙が不可能になったこと。これがそもそもデカかった。パチンコユーザーは元々喫煙者が多く、チェーンスモーカーも相当いたが、今は当たっても至福の一本をその場で吸うことができない。狭い喫煙室に押し込められて吸わないといけないのだ。


さらに新型コロナの影響に加え、パチンコCR機、5号機パチスロが1月末で軒並み検定切れとなり、撤去が進んでいることもデカい。6号機パチスロは規制にがんじがらめでさっぱり人気が出ず、一部のマニアを除き、ユーザーからも見放されているのが現状だ。


そういう状況であるので、当然店じまいという事例も各地で見受けられるようになった。(文:松本ミゾレ)


廃業店舗が相次ぐ一方で、先月の新規出店は10店舗だけ


パチンコ業界ニュースサイト「グリーンべると」に1月下旬、「全日遊連の加盟パチンコ店、2021年中の廃業は637店舗」という衝撃的な記事が掲載されていた。


全日遊連は全国のパチンコホールの組合だ。記事によると、昨年12月末時点での加盟店舗数は7637店舗。率直な感想を言わせてもらうと、まだまだ多い。しかし、昨年に引き続き2022年も店舗の減少は止まらないだろう。


もう遊技中はタバコも吸えない。コロナ感染を恐れて遊び控えをするうち、パチンコそのものに興味をなくした休眠層も出ている。パチンコは出玉性能が苛烈の一言に尽きる様相ではあるが、パチスロは出る台出る台が見事に不発。稼働にほとんど貢献しないまま撤去されているという事態も珍しくない。


一応、こんな逆風の中でも昨年12月に10店舗が新たに新規出店していると記事にも書かれているが、これもかなり少ないという印象だ。


新紙幣の発行がスタートすれば、ホールはまた設備投資……


あくまでも個人的な見立て、という前置きをしておくものの、今後もパチンコ店の総数は減っていくはずである。今のパチンコは若者を始めとした新規ユーザー候補の人々から相手にされていない。テレビCMも打っているが、それはあくまでも休眠ユーザーの一部に響くものでしかない。


お金が尋常でない速度で減っていくギャンブルを遊技と呼び、運よく玉が出てもどこでお金と交換していいかも教えてくれないといった有様では、娯楽に溢れた現代で若者層を取り込むのは無理だ。


アニメ版権の台を作って、その作品のファンをホールに呼び込むという試みもしょっちゅうやっているが、実際それでパチンコユーザーがどこまで増えるのか。


さらに2024年には新紙幣が発行される。となれば、パチンコホールはさらに余計な設備投資を強いられる。新紙幣に対応した両替機、サンド(注:玉貸し機のことをそう呼ぶ)などを用意しなければならず、サンドに至っては設置台数と同数が必要になるので、その費用もまたバカにならない。


ホール内の禁煙化に伴い、喫煙室を設置したり、空調を強化したりでお金を使わされたばかりなのに、これは流石に気の毒と感じる。


ホールのほうでも、アイドル店員にツイッターを更新させたり、人気のYouTuberを招いて出玉アピールしたりして、何とか生き延びようとしているところもある。苦境に立たされつつもちゃんと還元している場合もある。


でも、やはり厳しい。この泥沼のような状況を脱したとき、パチンコホールはどれぐらいの数になっているのだろうか。

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