『クレイジージャーニー』出演ケロッピー前田、世界のカウンターカルチャーを追い続ける男の謎に迫る!

2023年1月30日(月)17時0分 tocana

 今夜21時からの「クレイジージャーニー」(TBS系列)は放送200回突破記念!少数民族撮影家・ヨシダナギ氏、洞窟探検家・吉田勝次氏といった名物ジャーニーたちが続々再始動。待望の最新映像が公開される。


 番組には、TOCANAでもお馴染みの身体改造ジャーナリスト・ケロッピー前田氏も登場。今回は2021年の記事から、世界中のカウンターカルチャーを追い続ける男の活動とその人となりに迫った記事を再掲。衝撃画像とともにお届けする。


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※こちらの記事は2021年5月20日の記事を再掲しています。


 2021年5月19日、あの『クレイジージャーニー』(TBS系)がゴールデンタイムの特番として復活! 独自の視点や強いこだわりを持って世界を巡る人々が体験談を語るバラエティ旅番組として絶大な人気を誇っていたことを鮮明に記憶している人は多いだろう。


 今回は、超人気番組の復活を記念して、トカナのレギュラー執筆者にして、『クレイジージャーニー』に幾度も出演し、衝撃的なカルチャーの最前線を紹介してきた身体改造ジャーナリスト・ケロッピー前田さんをフィーチャーする。2017年10月の番組への初出演以来、第20回まで続いている連載「世界のカウンターカルチャーを追い続ける男! ケロッピー前田という人物の謎に迫る!」から、衝撃画像とともにダイジェスト版をお届けする。ケロッピー前田とは何者か? その活動や人となりにトカナがズバズバっと迫ってみた。(聞き手=トカナ編集部)


◾️2017年10月25日放送『驚異のカウンターカルチャー「身体改造」に迫る!』ボディサスペンション世界大会サスコン@ノルウェー・オスロ



——ボディサスペンションの反響はすごいかったですね! やっぱり、ケロッピーさんが最後に吊られていたのが一番印象的でした。


ケロッピー「視聴者は、綺麗な女の子たちが吊られていたからびっくりしたんじゃない。確かに僕も吊られたのはウケたけど(笑)。実際、オスロのサスペンション世界大会において、今まで日本人の参加者はゼロだったから、最初に吊られた日本人になれたことは光栄ですね」


——世界的にみて、今一番おもしろいカウンターカルチャーがボディサスペンションという理由はなんでしょうか?


ケロッピー「90年代から注目されてきたものだけど、やっとカルチャーとして成熟してきたから面白いんです。自信を持ってテレビに出せる(笑)。技術的にも美的にも確立されて、世界各国にサスペンションチームが作られ、愛好者も急増しています」


——ボディサスペンションには“瞑想効果がある”と聞きましたが?


ケロッピー「吊り方によっては瞑想的な効果もあるでしょう。それ以上に、パフォーマンスとしてのエンターテインメントな側面も大きいんです。そして、身体に負荷をかけるという意味ではスポーツでもあります。たとえば、ハングライダーやバンジージャンプみたいな、空を飛んだ爽快感や達成感も堪能できるんです」




◾️2018年5月9日放送『狂気の「身体改造」第2弾!体内にチップ埋め込むイベント』ボディハッキング国際会議@アメリカ・オースティン


——ボディハッキングはカルチャーショックでした! 従来の身体改造のイメージを覆す衝撃に興奮が収まりません。すでにSFの世界ですよ!


ケロッピー「アメリカのオースティンは、シリコンバレーに次ぐ全米第二のハイテク産業都市。毎年、20万人以上を動員するIT系エンターテインメント巨大フェス『SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)』でも有名です。取材に行ったボディハッキングの国際会議『BDYHAX(ボディハックス)』は、2016年から本格的に始動して、2018年は3回目でした」



——まだ歴史は浅いんですね。


ケロッピー「そうですね。ボディハッキングとは、身体改造の新しいジャンルで、マイクロチップを始め、磁石、LEDで光る機器などを身体に埋め込むというもの。ハッキングという言葉に表れているように、ギークとかコンピューターオタクと呼ばれる連中が、身体改造カルチャーと出会ったことから始まりました。彼らはマイクロチップを埋め込むだけでなく、自分たちでデータを自由自在に書き換え、どんどん実験を進めています。そのことで、新しいカルチャーが育っています」



——ケロッピーさんもマイクロチップを埋め込んでましたね!


ケロッピー「僕が埋め込んだマイクロチップは、NFC(近距離無線通信)機能対応のスマホで読み取り可能なNFCチップ、データの書き換えもできます。俗にRFIDチップと呼ばれている旧タイプは専用の読み取り機が必要ですが、家の鍵などの個体認証には適しています」



——ボディハッキングをオススメしたい人っていますか?


ケロッピー「まだ新しいジャンルだから、イマジネーションが豊かな人が向いていると思います。マイクロチップに対して『何の役に立つのか』というツッコミはあるじゃない。でも、世界的に実践者が急増している理由は、ほんの米粒程度のチップが入っているだけで、『私はサイボーグ』って言っちゃっていいところなんだよね」


◾️2018年5月30日放送『超最先端の「身体改造」とは?SF的活用法を一挙公開!』マグネティックインプラント@アメリカ・ピッツバーグ/カナダ・バンクーバー



——マイクロチップはわかるんですよ。将来、家の鍵もいらなくなって、チップで電車も乗れれば便利ですから。でも、磁石を埋め込んだのは何のためなんですか?


ケロッピー「『磁場を感じる』という感覚は普通の人間にはない全く新しい感覚なんです。自分も実際に埋め込むまではどういう感じなのかよくわかりませんでした。具体的には、電磁場があると、埋め込んだ磁石が小刻みにブルブルと振動するというもので、非常にはっきりわかります」



——ボディハッキングの国際会議のあとには、ピッツバーグやバンクーバーにも行かれてますね。


ケロッピー「ピッツバーグでは、ボディハッキングの最重要人物ティム・キャノンの実験室に行きました。2013年、彼は体温などの身体情報を体外に送信する機器『サーカディア』を開発し、自らの身体に埋め込んだんです。そして、2015年にはLEDで発光する埋め込み機器『ノーススター』を開発して、再び大きな話題となりました」


——サイボーグ仲間たちの結束みたいなものってあるんですか?


ケロッピー「すごくあるね。もともとの身体改造系の人たちもそうだけど、カウンターカルチャーの担い手たちは皆、結束は固いです。その仲間に入れてもらうことで、いろいろと教えてもらっているわけだけど」



——彼が目指している未来とはどんなものでしょうか?


ケロッピー「人間と機械が融合したサイボーグになりたいでしょう。それは明らかに人工知能に支配される未来に対抗するカウンターじゃないですか。そして、彼らがイメージするサイボーグは、半分がロボットみたいな機械人間じゃなく、脳とコンピューターが接続されているようなことなんだよね」


——おおおっ、これからどうなるのか想像しただけでもくらくらします。なんか、次の時代が来ていますね!


◾️2018年11月7日放送『恐怖と衝撃「身体改造の旅」第3弾!ケロッピー前田と改造人間界の四天王に対面!』コンセプトトランスフォーメーション @スペイン・マラガ/メキシコ・グアダラハラ


——言葉がちょっと難しいんです。コンセプトというのは元になるアイディアのこと。トランスフォーメーションっていうのは、変身ですよね。


ケロッピー「そうそう。重要なポイントは、全身を改造するなら、その場の思いつきであれこれ改造していくんじゃなく、最初に『こういうものになりたい』という具体的な目標みたいなものを決めておくといいということ。そのアイディアを実現するためにいろいろと試行錯誤していくうちに、まったく新しい改造が生まれてきたりもするわけだから」


——なるほど。「身体改造四天王」ということで4人のコンセプトトランスフォーメーションの実践者を追っていました。


ケロッピー「一人目は、皆さんお馴染みのロルフさん。彼は現在、世界最多の身体改造およびピアスの男性のギネス記録保持者です。『ギネス世界記録2019』によれば、現在の全身の総ピアス数は481個(それを含めた身体改造総数は516個)に達しています」※2020年も記録を保持!



——もう一人は女性の方ですよね。


ケロッピー「コンセプトトランスフォーメーションの女王こと、マリア・ホセ・クリスターナさん。彼女に会うために、メキシコのグアダラハラを訪れた旅は、いろんな意味で大収穫でした」



——アイボールタトゥーが格好良かったです。


ケロッピー「彼女は自分がメキシコで一番最初にアイボールタトゥーを実践したと言ってました。頭のインプラントはティアラ(冠)のようで、両腕にもインプラント、頭部も含めた全身タトゥー、さらに歯は牙の形状のものに付け替え、スプリットタンで舌も真っ二つでした。彼女のコンセプトは、アステカ文明におけるジャガーだそうです。動物のジャガーじゃなく、古代文明における誇り高き戦士、神の化身、強さの象徴としてのジャガーです」


——メキシコで身体改造が盛んだというのは初めて知りました。


ケロッピー「ゼロ年代以降、中南米ではメキシコを中心に身体改造が大きなブームとなっています。その理由は、マヤ、アステカといった古代文明の時代から身体改造が盛んであったことがあります。西洋人の植民地にされ、先祖伝来の身体改造文化を奪われた過去があることから、そのようなカルチャーを現在の自分たちの身体に取り戻そうという気持ちが強いと言われています」


——確かに盛りだくさんですね。ところで「身体改造四天王」に話を戻すと、妖精ロルフさん、女王マリアときて、残りの2人は?


ケロッピー「身体改造界のマッドサイエンティストと呼ばれるエミリオ・ゴンザレスと、彼の作品であるレッドスカルです。エミリオは、ベネスエラ出身の身体改造アーティストで、彼自身も改造人間として、インプラントやスプリットタンを施し、顔面タトゥーも強烈でした。でも、僕らが最もびっくりさせられたのは」



——あっ、おへそ。


ケロッピー「そう、おへそがないですよ。彼のおへその完全切除は、18年前、彼が世界で初めてセルフで実践したものなんです。実は、彼はスペインの大学で4年間医学を学んでいました。母親の病気で故郷のベネズエラに戻ったあとは、顔面タトゥーを理由にベネズエラの大学の医学部に編入することは叶わなかったんですが、身体改造アーティストになったというわけです」


——エミリオさんが手掛ける改造は想像を絶します。


ケロッピー「エミリオの登場によって、中南米の身体改造シーンが大いに盛り上がったことは疑いの余地はないですね。そして、エミリオさんの作品として有名なのが、レッドスカルです。2013年に最初にアイボールタトゥーを入れ、その後に額のインプラントをするとほどなくして鼻を切除し、顔面全体を赤いタトゥーで覆い始めました。ほんの1年程度でレッドスカルへと変身を遂げ、最も過激な改造人間として世界を震撼させました」


◾️2018年11月21日放送『ゴンザレス&LAセレブが虜のギャルネイリスト&改造男/ゴールデン放送に入りきらなかった自粛した未公開SP』@日本・東京(浅草他)


——ロルフさん来日はびっくりでした。浅草行ったり、お相撲とったり、縛りをやったり、本当に妖精のような魅力がありました! いまだに夢に出てきそうです(笑)


ケロッピー「反響も大きく、たくさん応援していただき、ロルフさんも日本を十二分に楽しんでもらえました。ありがとうございます。ちなみにロルフさんは日本に一週間滞在して、有給を使い切ったため、クリスマスも新年もずっと仕事をしていたそうです。そういう真面目なところがまた、お茶目なんですよね」




◾️2019年7月24日放送『究極の身体改造★ドラゴンレディとは!?』ドラゴンレディ@アメリカ・ロサンゼルス 



——またまたすごい改造人間の登場でした。ドラゴンレディさんの徹底した改造ぶりが素晴らしかったです。


ケロッピー「そうですね。身体改造アーティストとして世界のトップを走るエミリオ・ゴンザレスが最高傑作と断言しただけはある身の毛もよだつレベルの改造人間でした!」



——外見からは想像できないほど物腰も柔らかく、いい人でしたね!


ケロッピー「トランスジェンダーである彼女の生活ぶりも覗けたので良かったです。何といっても、耳がない、鼻も変形しているということで、それまでの改造人間たちの印象とは格段に違います」


——ドラゴンレディも凄すぎたので、目が慣れちゃったのかもしれないけど、実はリザードマンも凄いですよね。


ケロッピー「リザードマンはレジェンドですよ。『トカゲになりたい』というコンセプトで全身改造を推し進めた先駆者で、97年にスプリットタンを発案し、およそ1年でくらいで一気にトカゲの外観に変貌しちゃった」



——大胆ですね!


ケロッピー「ところで、アメリカ西海岸はカウンターカルチャーの発祥地で、特にロスには70年代に世界で最初のピアス専門店ができて、ピアス流行の発祥地なんだ」


——90年代に、マドンナがロスのピアス専門店でおへそにピアスをしたことが、世界的な流行のきっかけになったと聞きました。


ケロッピー「90年代にピアスと並んで、ロスを発祥に世界的に流行したものが、黒一色で文様を刻むトライバル・タトゥーがあるんだ。そして、現在もロスでは、民族起源を持つ原始的な手彫りの技法や文様のタトゥーを復興しようというムーブメントが盛んなんだ」


——おーっ、待ってました! ケロッピーさんの新しいタトゥー!


ケロッピー「本当に小さい、お土産タトゥーですけどね。ロスで原始的なタトゥーの復興を推進するフィリピン系移民の彫師エルさんに彫ってもらいました。日本の人にはピンと来ないかもしれないけど、フィリピンは植民地にされる以前、タトゥーの文化が盛んで、様々な原始的な手彫りの技法や独自の文様のバリエーションを持っていたんです。一時期失われていたそのような文化が、昨今のタトゥー流行の影響もあって、アメリカのフィリピン系移民の人たちを中心に広がって、それがいまはひとつのカルチャームーブメントに成長しています」



——ケロッピーさんが彫ってもらったのはなんの柄なんですか?


ケロッピー「これはゴング(銅鑼)を鳴らすという意味。ゴングはみんなにお知らせをするときに叩く楽器で、ジャーナリストの僕にはちょうどいいだろうとすすめられたんだ。原始的な手彫りの技法で彫ってもらいましたよ」


——シンプルだけど、いいですね。今度、本物のゴングも鳴らしてみてください!
※写真提供:ケロッピー前田

ケロッピー前田(けろっぴー・まえだ)



1965年、東京都生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房(のちにコアマガジン)を経てフリーに。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『BURST』(白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。その活動は地上波の人気テレビ番組でも取り上げられ話題となる。著書に『クレイジートリップ』(三才ブックス)、『クレイジーカルチャー紀行』(KADOKAWA)、責任編集『バースト・ジェネレーション』(東京キララ社)など。新刊本『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)絶賛発売中!


公式twitter:@keroppymaeda


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