「死ぬわけねーだろ!!」毒舌回答で人気キャラに 多摩動物公園「モグラ先輩」考案者を直撃
2020年2月4日(火)6時0分 Jタウンネット
動物園や水族館でたまに見かけるQ&Aコーナー。質問形式で生き物に関する知識をわかりやすく教えてくれるが、なかには制作者の才能あふれる力作も掲示されている。
ツイッターでは今、こちらの掲示が注目を集めている。
「おしえて!モグラ先輩!」
そんなタイトルのQ&Aを掲示しているのは東京都日野市にある多摩動物公園。モグラが展示される「モグラのいえ」の入り口にあるという。質問者の位置には「ここに立ってね」と書かれ、回答するのはサングラスをかけたモグラ先輩。注目すべきは先輩の発言内容だ。
あなた「モグラって日に当たると死んじゃうって本当?」
モグラ先輩「死ぬわけねーだろ!!あれはたまたま地上で死んだだけだ。トンネルの中では素早いけど、地上では俺らはドンくさいからネコとかに襲われるんだよ。ってか土の中で死んだら見えねーだろ?死んでんだよ。土の中でもよ」
...なんともキレッキレなモグラ先輩の回答。言っていることはもっともだが、ワイルドすぎやしないか。「日光にあたると死ぬ説」がよほど気に入らなかったのだろうか。予想の斜め上をいく先輩の返しに、思わず笑ってしまう。
ツイッターではこの掲示に対し、
「モグラ先輩めっちゃキレてるww」
「先輩というと、こんな感じの人いましたね」
「このモグラのリークに凄まじい説得力を感じる」
「こんなモグラに一度会ってみたいなって一回思った」
といった声が寄せられている。
「自分がモグラだったらイライラする」
先述のものは撮影用の大型パネルだが、それ以外は質問者がいる普通サイズ。これまでにも掲示は何度か話題になっており、最初にツイッターで話題になった「日光にあたると死ぬ説」のみパネル式にしたという。
Jタウンネットは2020年2月1日、多摩動物園の教育普及課を通じて、掲示を制作したモグラの担当者に話を聞いた。
もともとは真面目な説明ラベルを作っていたという担当者。しかしお客さんに全く見てもらえなかったため、つい読んでしまうようなラベルを作ろうとした結果、このような掲示になったという。
なぜこのような尖ったキャラになってしまったのだろうか。担当者はその理由を以下のように話す。
「裏側で仕事をしていると、お客さんたちが結構な割合で間違ったモグラの常識を話しているのに遭遇します。きっと、自分がモグラだったらイライラするだろうなと考えて毒舌キャラにしました。ビジュアルは皆さんが思い描くモグラってサングラスをしているので、ちょっと悪めのサングラスにして上から目線でものを言う設定にしました」
なるほど...先輩はやはり人間の勝手な思い込みに腹を立てていたのか。
半年ほどかけて10枚制作
掲示を始めたのは5年ほど前。半年ほどかけて10枚制作したというが、内容の入れ替えなどは考えていないのだろうか。
「ネタとして掲示しているわけではなくて、あくまでモグラの生態を正しく知ってもらうためのラベルなので変更などは考えていません。とりあえず、言いたいことは全部言ってしまったので今のところ追加は考えていませんが、また伝えたいことが出てくれば追加する可能性はあります」
キャラ付けをしたとはいえ真面目に制作したことを強調する担当者。しかし1枚だけ完全なるネタが混ざっているとのこと。それがこちらだ。
突然の地底人。これもお客さんがモグラ展示を見ながら話していた内容だと思うと、なかなか興味深い。
担当者によれば、掲示は笑いながら読んでくれるお客さんが多いとのこと。ツイッターで話題になっていることについては、
「いや〜ありがたいことです!結構反響ありますからね。わざわざ実際のラベルを撮影しに来てくれるお客さんなども少なくないので。モグラに興味を持つ入り口になってくれたらいいですね」
としている。