やましたひでこさんが、寝る前にできる断捨離を紹介。キッチンの引き出し1つ、冷蔵庫の1段…「ついでの1か所」で翌朝を気持ち良く

2025年2月6日(木)12時30分 婦人公論.jp


(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

「断捨離しなきゃ!」と頭ではわかっていても、「忙しくてできない」「どこから手をつけたらいいかわからない」など、なかなか断捨離に取り組めず悩んでいる方もいるのではないでしょうか。そんななか「断捨離は一度したら終わりでなく、日々のお手入れです」と語るのは、「断捨離」の第一人者であるやましたひでこさんです。そこで今回は、やましたさんの著書『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』から、簡単に実践できる断捨離を一部ご紹介します。

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コスパ、タイパで解決しない——「今、ここ」を愉しむ断捨離


「寝る前にできる断捨離」をご紹介します。

これまた時間のないときを……とお思いの方は、「制限の効用」について確認しておきましょう。

「いつでも好きなときに自分のペースで断捨離しましょう」と言われて、今すぐ始める人はいるでしょうか。これまで「できない」「動けない」「時間がない」と言っていた人が、急にダンシャリアンに変身するでしょうか。

「寝る前」という限られた時間を使うことで、そこにエネルギーを集中させるのです。

寝るための準備を少しだけ早く始めてみる。

この「寝る前の断捨離」によって、気持ちよい眠りと気持ちよい目覚めという、大きなリターンを得ることができます。

「眠たくてできない」は本末転倒


夜、清潔なシーツにくるまれて眠ったら気持ちいいですよね。朝、起きたときにシンクがピカピカになっていたら気持ちいいですよね。逆に、シンクに器が山盛りになっていたら悲しいですよね。

この五感で「うれしい」「愉しい」「気持ちいい」と感じることは、「じゃあ次も断捨離しよう」という原動力になります。


『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』(著:やましたひでこ/大和書房)

小さいところを1か所でいいのです。引き出しの一部、冷蔵庫の一段でもいいのです。

そこを放置しているから大変なあり様になっていくのであって、そこに1つでも手をつけることが肝心です。

とはいえ、1日の終わりはみな、疲れています。眠たいのを我慢してがんばりましょう!というつもりはありません。


<イラスト:モドロカ 『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』より>

ぜひ自分の眠気を優先してください。眠くなったらさっさと寝る。「やらなきゃ」と思いながら「眠たくてできない」とグズグズしてしまったら本末転倒。その日に成し遂げられなかったことを夜更かしをして挽回しようとする「リベンジ夜更かし」はご法度(はっと)。身体の欲求に従うことは大切です。

モノが減ったら時間、空間、エネルギーは必ず戻ってくる


そして誤解してほしくないのですが、本記事では「寝る前」という限られた時間を効率よく使いましょうと推奨しているのではありません。

コスパ、タイパという言葉があります。と思ったら、スペパ(スペースパフォーマンス)なんて言葉も聞くようになりました。

常に「効率的なこと」がもてはやされています。たしかに早いことに価値はありますが、早さばかりを求めているとおかしなことになります。

早く終わったところで、余った時間にまた何かを詰める。つまり収納と同じです。空間に隙間を作っては詰め込んでいます。余白と余韻と余力がないのです。

みんな、急ぎすぎているんですね。物事をバンと終わらせてしまって、余韻を愉しむという感覚がありません。バンではなく、バーーーーーンという響き、振動がありません。本来、そこに価値があるのに。ムダも寄り道も必要です。

私は先日、夜遅くから片づけを始めました。その時間を持てたことがうれしく、つい寝ずに断捨離してしまいました。時間に余裕があると、こんなに片づけを愉しめるのだと実感したのです。

だとしたら、時間的にもエネルギー的にも余裕がなければ、愉しめるはずがありません。子育てをしながら仕事をし、ごはんを作ってとやっていたら……。それをタイパ、スペパなどと効率で解決しようとすると、余計に追い立てられた気持ちになるでしょう。

だから私は伝えたいのです。

モノが減ったら時間、空間、エネルギーは必ず戻ってきますよ、と。モノがここからなくなれば、空間がリセットされて、すると同時に、自分の頭も気持ちもリセットされる。断捨離はその繰り返しです。

そうしてこそ「今、ここ」を愉しめるようになるのです。

寝る前にキッチン1か所


ついでの「1か所」で翌朝気持ちいい

寝る前にする断捨離の筆頭は「水回り」です。

夕食、入浴など、水回りを使う機会はたくさん。その「ついでに」、いつも手をつけていなかった1か所を断捨離してみませんか?

まずキッチンの断捨離を。食器洗いや作業台の後始末のついでに、1つ引き出しを開けてみましょう。

キッチンには穴場の引き出しが意外とあります。

引き出しの数が多いぶん、1つの引き出しに収めるアイテムは極力絞り込みたいもの。

自分の意識できるキャパシティーと照らし合わせたら「1引き出し1アイテム」くらいでないと使いこなせないと感じます。お玉やフライ返しの引き出し、鍋・フライパンの引き出し、あらゆる袋が集合した引き出しなど。なかには「1引き出し100アイテム」のお宅もありますからね。なくしもの、探しもので疲弊してしまいます。

モノを減らして「1引き出し1アイテム」を意識し、取り出すとき、しまうときに余計なエネルギーを使わないようにしましょう。

私が沖縄の家で気に入っているのは、キッチンがオープンなところ。

以前の家もそれなりにオープンだったのですが、ここはオープン+回遊型で行き止まりがありません。こちらからも行ける、あちらからも行ける、どう行ってもOK。そんな行き止まりのない住居空間がほしかったのです。行き止まりがないということは、人生に行き止まりがない、行き詰まりがないということ。

せっかく回遊型で設計されたキッチンなのに片方にモノを置いてしまう人がいます。反対側から回ればいいと考えているのでしょうが、それだけ自分に対して自由度を下げています。それに対してイライラしている。まず、ふさいでいるモノをなくし、詰まりをとりましょう。

※本稿は、『引き出し1つから始める 1日1か所 断捨離』(大和書房)の一部を再編集したものです。

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