天下の奇祭「はだか祭り」 参加時の注意点は?地元に聞くと「体力に自信がないと...」
2019年2月6日(水)17時0分 Jタウンネット
国の重要無形民俗文化財に指定される西大寺会陽(はだか祭り)が2019年2月16日、岡山市東区の西大寺で行われる。
裸に近い格好で宝木(しんぎ)の争奪戦を行う歴史ある行事だが、その絵面はなかなか衝撃的。腰にさらしを締めた上裸の男たちが、体を押しつけあって争うハードな祭りなのだ。
「自分の身は自分で守る」
500年以上の伝統を持つ西大寺会陽は、毎年2月の第3土曜日の夜に行われる。
宝木の争奪戦でよく知られているが、岡山商工会議所の公式サイトによると、身体を清めたあと、境内を回って千手観音と、「裸の守護神」だという牛玉所大権現(ごおうしょだいごんげん)を参拝し、大床で押し合う。そして体が熱くなると冷水で体を清めて同じ順路をめぐるといった順を踏む。
宝木投下は22時とされているが、これらの行程があるため20時からは人が集まりだすという。
さらし(まわし)と足袋以外は肌を出している状態。さらにサポーターも長さ40センチ以内の膝サポーター以外の着用は認められない。2月の寒さを考えると相当過酷な祭りだ。
宝木の争奪戦を制して手に入れた者は「福男」と呼ばれてその年の幸福が約束される。
裸参加者と呼ばれる宝木の争奪戦などに参加する者は事前に申し込み、飲酒や刺青、座敷用の足袋以外を履いていないなど岡山商工会議所の公式サイトに掲載されている注意事項を守れば参加が可能だ。
そもそも、なぜ裸でなければならないのか。西大寺公式サイトによると、その理由は「身体の自由を得るため」だという。
Jタウンネット編集部は2月4日、岡山商工会議所西大寺支所の支所長に取材を行い、県外からの参加状況について聞いた。
「県外からもいらっしゃいますし、海外からも参加される方がいらっしゃいます」
伝統行事ながらワールドワイドな部分もあるようだ。
祭りの内容についても聞いた。写真からも伝わるように裸で押し合うなどハードな部分は避けられない。それだけに大切なポイントについて、
「自分の身は自分で守る」
と教えてくれた。また、参加に向いている人についても、
「体力に自信がないと大変かもしれません」
と話しており、祭りの激しさをうかがわせている。
しかし、こうしたハードさは参加者の「気合い」の裏返しともいえる。福をつかむ——確固たる意志を持った男たちの熱い一夜は貴重な体験になるはず。たとえ宝木がつかめなかったとしても、参加することで自分自身の皮が一枚むけるかもしれない。