2024年の正社員の平均初年度年収は468万円、マイナビの調査でわかる

2025年2月6日(木)6時51分 マイナビニュース


マイナビは1月28日、2024年総評「正社員の平均初年度年収推移レポート」と「正社員の求人件数・応募数推移レポート」を発表した。
同調査は、総合転職情報サイト『マイナビ転職』に掲載された求人の「平均初年度年収(未経験・経験者求人別)」「求人件数・応募数」の推移を調査したもの。調査期間は、2024年1月1日〜12月31日だった。
○■2024年の正社員の平均初年度年収は468.0万円で前年から11.4万円増加
<正社員の平均初年度年収>
正社員の平均初年度年収は468.0万円で、調査開始(2018年)以降で最高額となり、前年比で11.4万円増加した。
未経験者求人では434.1万円(前年比7.3万円増)、経験者求人では534.4万円(前年比16.1万円増)となり、経験者求人年収が平均初年度年収を押し上げている。
また、2024年の3カ月ごとの平均初年度年収も、未経験者求人と経験者求人ともに右肩上がりで推移している。
<求人件数推移>
求人件数はコロナ前の2019年平均比174.6%で、前年より27.2pt増加した。3カ月ごとの推移では、年間を通じて求人件数は継続的に増加し、直近10-12月平均は2019年平均比207.2%と大幅増となった。
<求人の募集条件比率推移>
求人の経験者/未経験者の募集比率は、未経験者求人が65.8%、経験者求人が34.2%だった。
前年と比べると、経験者求人の比率が1.6pt増加しており、在職期間の短期化傾向※1 や人材流動性※2 の高まりを受け、企業は短期間での成長や業務成果を労働者に求め、即戦力となる経験者の採用にも力を入れていることが一因と考えられる。
※1マイナビ 転職活動における行動特性調査 2024年版
正社員の20代〜50代男女のうち、直近1年間(2023年6月以降)の転職者・転職活動者に対し調査を実施。転職者の前職での勤続年数は1年未満が20.1%となり、2021年の統計開始以来初めて2割を超えた。
※2総務省の「直近の転職者及び転職等希望者の動向について」
就業者(従業者と休業者をあわせたもの)のうち、転職者は6期連続で増加し、転職等希望者数は10期連続で増加している。転職等希望者の就業者に占める割合は15.3%で過去最高となっており、働き手が一つの企業に依存しない柔軟な転職を希望し、行動に移している様子が見られる。
○■平均初年度年収が最も高い業種は「IT・通信・インターネット」で544.5万円/5位の「メーカー(461.2万円)」より80万円以上高く業種間での年収差も
<初年度年収が高かった業種>
正社員の平均初年度年収が高かった業種は、1位が「IT・通信・インターネット」で544.5万円(前年比26.1万円増)、2位が「金融・保険」で539.2万円(前年比23.1万円増)、3位が「コンサルティング」で511.9万円(前年比10.4万円増)となり、「公的機関・その他」を除くすべての業種で平均初年度年収が増加した。また、前年から上位5業種の順位に変動はなかった。
<求人件数が対前年比で増加した業種>
前年からの求人件数の増減を業種別に見ると、1位が「コンサルティング」が前年比127.7%でトップとなり、2位が「運輸・交通・物流・倉庫」が125.5%、3位が「金融・保険」が124.5%だった。特に「金融・保険」は前年も2位と2年連続で上位に位置し、求人件数が増加傾向にあることがわかる。
ITエンジニアや金融アナリストなど専門的な職業者が多い「IT・通信・インターネット」「金融・保険」「コンサルティング」業界では専門職採用などを行う場合が多いため年収差に繋がっているものと考えられる。
○■平均初年度年収が最も高い職種は「ITエンジニア」で570.6万円/企業の採用ニーズが高い「営業職」は478.9万円で5年連続増加
<初年度年収が高かった職種>
正社員の平均初年度年収が高かった職種は1位が「ITエンジニア」で570.6万円(前年比16.6万円増)だった。
ビッグデータやIoT、人工知能、ロボットなどの最新技術の需要増加や政府のDX推進の推奨等を背景に「ITエンジニア」の需要が高まる中、高いスキルをもつ「ITエンジニア」の採用と優秀な人材の引き留めを目的として賃金待遇は高い水準を継続している。
<求人件数が対前年比で増加した職種>
前年と比較し求人件数が増加した職種は1位が「電気・電子・機械・半導体」で133.8%だった。IoTや5Gの普及、EV市場の拡大など様々な技術革新に伴い半導体や電気部品の需要が増加している。
さらに新しい半導体関連工場が建設され、稼働開始にむけ動いていることから「電気・電子・機械・半導体」では、求人件数が増加したと考えられる。
<営業職の初年度年収推移と応募数・求人件数の推移>
また「営業職」の応募数を見ると2022年以降は2019年と比較し90%前後に留まっているが、求人件数は2021年以降右肩上がりで増加し、2024年は2019年比で177.8%だった。
企業ニーズと求職者ニーズのギャップは広がりつつあるため、今後平均初年度年収は上がっていく可能性が高いと考えられる。
○調査担当者コメント
2024年の平均初年度年収と求人件数はともに前年以上に増加しており、企業は賃金を上げて積極的な中途採用をしています。『マイナビ転職』に掲載された正社員求人の平均初年度年収は、調査開始(2018年)以降で最高額となり、年間を通して上がり続けています。
 
2024年春季生活闘争(春闘)では、33年ぶりの5%台の賃上げが実現しましたが、物価高などによる影響を受け実質賃金は、夏季賞与の押し上げ効果があった2024年6月と7月を除いてマイナスが続いています。連合は2025年も5%以上の賃上げを目指しており、平均初年度年収もさらに上がることが考えられます。
 
求人件数についても増加が続いており、2024年は2019年の約1.7倍の求人件数となりました。 特にIT業界では、企業の老朽化、複雑化したブラックボックス的なシステム(=レガシーシステム)を2025年までに刷新し、経済産業省が危惧する「2025年の崖」の回避が急がれており、刷新の中核を担うITエンジニアの需要拡大と待遇引き上げがみられました。引き続き、ITエンジニアのニーズは高い状態を維持すると予測されます。

マイナビニュース

「正社員」をもっと詳しく

「正社員」のニュース

「正社員」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ