箱根駅伝で発生した事故未遂…もし衝突していたら責任は誰にあった?

2月6日(月)22時30分 シェアしたくなる法律相談所

1月3日に行われた箱根駅伝で、神奈川大学の走者が東京千代田区の交差点付近を走行していたところ、交通整理にあたっていた警察官が車を止めずに通行させ、あわや事故になる事案が発生。


ギリギリで走者がかわしたため大事には至らなかったものの、警察官や暴走車への批判、そして長時間に渡り道路を封鎖する駅伝やマラソンについてもその必要性を問う声があがりました。


警察は今後交通整理員の増員を検討しているようですが、不信感を持っている人もいるようです。


*画像はイメージです:https://pixta.jp/


 


■事故が発生した場合責任の所在は?

最近は健康ブームの影響で、走ることを趣味にしている人が増えています。市民マラソンに参加し、1つでも上の順位を目指し練習にうちこんでいるランナーも多いでしょう。


とくに2月には東京マラソンもあり、出場する市民ランナーの皆さんは多少不安を感じているかもしれません。快調に走っているときにいきなり車が突っ込んで事故になった。仮にこのような事態が発生してしまった場合、気になってくるのは、「責任の所在」です。


今回の箱根駅伝では交通整理を担当していた警察官の不手際が不祥事発生の原因と言われていますが、警察の責任はどのようなものになるのでしょうか?


また、主催者や実際に事故を起こした自動車運転手への処分も気になります。エジソン法律事務所の大達一賢弁護士に見解をお伺いしました。


 


■運転者の責任は免れない

「行動を運転しているときには、信号機に従わなければいけないのは当然ですが、マラソン大会の際には、警察官が交通整理をしていることも多いと思います。


それにもかかわらず事故が起きてしまう可能性は否定できず、最近で言えば箱根駅伝が記憶に新しいところですね。まずはそのような場合について触れますが、警察官は、信号機と異なる手信号等をすることができ、運転者に対して必要な指示等をすることができ、運転者はこれに従わなければならないとされています(道路交通法6条及び7条)。


これに従わなかった場合、一般の交通事故と同様に、自動車の運転者は、道路交通法70条の“安全運転義務”に違反(前方不注意)したとして、違反点数を加算されることになりますし、警察官の交通整理に違反して突っ込んだということであれば、道路交通法違反としての懲役刑ないし罰金のみならず、自動車運転過失致傷罪、民事上の損害賠償責任を負う可能性があります。


また、警察官の交通整理がなく、自動車の運転者側の信号が青であったとしても、前方注意義務が免責されるわけではありません。個別具体的な状況に応じて、前方不注意があったと言える場合には、運転者の責任は免れないことになると思います」(大達弁護士)


 


■警察の責任はどうなる?

「警察に関しては、交通整理を職務で行っているため、職務上の義務、具体的には、“マラソン大会で交通事故が生じないように適正な交通整理をする義務”が存在し、それに反した過失があった結果として交通事故が生じたといえる場合には、その警察を所管する地方公共団体は、損害賠償責任を負う可能性があります(国家賠償法1条1項)」(大達弁護士)


 



■主催者の責任は?

最後に主催者の責任はどうでしょうか?


「次に、走路、周辺道路の交通量などから、マラソン大会をするには危険であり不適当な場合や、マラソン大会の開催について周知されず、自動車の運転者が、マラソン大会が開催されていることを知るのが困難であった場合など、マラソン大会の選手に危険が及ぶ可能性が高いことを考慮に入れず、大会が開催されていたといえる場合には、マラソン大会の主催者も民事上(不法行為)あるいは刑事上(業務上過失致傷罪)の責任を負う可能性があります。


また、マラソン大会の主催者は、安全に大会を運営する義務、“いいかえれば参加者が交通事故に遭うことのないように配慮する義務”を負っているにもかかわらず、その義務を怠ったとして、マラソン大会に参加することの契約に付随する安全配慮義務の違反するものとして、民法上の債務不履行を問われ、損害賠償責任を負う可能性もあります」(大達弁護士)


 


大規模なマラソン大会には管理する主催者、交通整理を担当する警察に管理監督それぞれ責任があり、道路を走る自動車の運転者にはそれにしたがう義務があるようです。


今後東京マラソンなど大規模な大会もありますので、主催者・警察・運転手・参加者それぞれが注意をする必要がありますね。


 


*取材対応弁護士:大達 一賢(エジソン法律事務所。第一東京弁護士会所属。「強い、やさしさ。」、「守る≒攻める」、「戦略&リーガル」の3つの思いを胸に、依頼者のために全力を尽くします)


*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)


【画像】イメージです


*Dachs / PIXTA(ピクスタ)

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