世界一に輝いた「辛ラーメン ブラック」は普通の辛ラーメンと何が違うのか?

2021年2月7日(日)10時51分 食楽web


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 韓国の「辛ラーメン」といえば、最近、コンビニでもよく見かけるようになって、食べたことがある人も多いと思います。しかし、そのプレミアム版とされる「辛ラーメン ブラック」を食べたことがある人は、それほど多くないんじゃないでしょうか?


これが噂の「辛ラーメン ブラック」

 この「辛ラーメン ブラック」とは何かというと、2020年6月、米『ニューヨーク・タイムズ』のレビューサイト「ワイヤーカッター」の企画「ザ・ベスト インスタントヌードル」で世界1位に輝いたインスタントラーメンです。

 筆者は「辛ラーメン」の容赦のない辛さが好きで、よく食べるのですが、この“ブラック”は、売っている店が少ないこともあり、食べる機会がありませんでした。しかし先日、友人から1袋もらって食べてみたところ、確かに、いつもの「辛ラーメン」より何となく美味しいと思いました。ただ、どこがどう美味しいのか、はっきり表現するのが難しい。

 そこで、実際にどのくらい「辛ラーメンブラック」のほうがプレミアムな味なのか、しっかり普通の辛ラーメンと食べ比べて調査してみました。

「辛ラーメン ブラック」は本当にプレミアムなのか?


「PREMIUM」との表示が光る「辛ラーメン ブラック」

 発売元の『農心ジャパン』の公式サイトで調べてみると、「辛ラーメン」と「辛ラーメン ブラック」の大きな違いは、何はともあれ、まず値段。メーカー小売希望価格では「辛ラーメン」が1袋170円なのに対し、「ブラック」は222円。50円ほど高いです。しかも筆者はいつも「辛ラーメン」をカルディで100円程度で買っているので、倍近くの価格差。

 パッケージを並べてみます。似てはいるものの、実はかなり違いがあり、「辛ラーメン」は赤を基調としていますが、「ブラック」は黒がキーカラー。さらに、裏面は目がチカチカするくらいの金色が使われていて文字が読みづらいのですが、おカネがかかっていそうなのは確か。


左が「辛ラーメン ブラック」

 さらに袋を開けてみます。「辛ラーメン」は顆粒スープ1・かやく1。対して、「ブラック」は顆粒スープ2・ かやく1で、その小袋の色も赤、金、緑と、とにかく派手&でかい。一瞬で捨てる袋なのにもったいない、と思えるほど、とにかくゴージャスな感じです。


左は「辛ラーメン ブラック」、右が「辛ラーメン」

 普通の「辛ラーメン」との最大の違いは、「ブラック」に入っている顆粒スープが、特製豚骨スープと特製辛味スープのWスープになっている点。これは大きな差ですね。そこで、まずは顆粒スープをそれぞれ舐めて比較。すると「辛ラーメン」はむせるほど塩味と辛味がきつい。一方、「ブラック」の顆粒2種類を混ぜ合わせて舐めてみると、前者に比べて辛さは控えめで、濃いダシの素のような味です。


左が「辛ラーメン」の顆粒スープ、右が「辛ラーメンブラック」のダブルスープ

 さらに、かやくにも顕著な違いがあり、「ブラック」は、肉や椎茸、唐辛子などが明らかに大きく、量も多いことがわかりました。


かやくの量も大きさもかなり違うことがわかります

 ちなみに、目測では麺はまったく一緒。ただし量やカロリーは「辛ラーメン」は120gで500kcalなのに対し、「ブラック」は130gで540 kcalとなっています。では、ここまで見てきた差異が、味にどのように影響するのでしょうか?

「辛ラーメンブラック」の味はプレミアムか?


Amazonで購入した「辛ラーメンブラック」と、カルディで買った「辛ラーメン」

 さっそく袋に書かれている調理法通り作ってみました。ちなみに量に比例して、使用する水の量も違います。辛ラーメンは550ml、「ブラック」は500mlと、50mlの差が。ただし、どちらも沸騰した湯にスープやかやくと麺を一気に入れ、4分30秒煮込むのは一緒です。

 この時、強火にして、吹きこぼれないように見張っておきます。日本のインスタントラーメンは、火を止めてからスープを入れるものがほとんどですが、韓国のインスタントラーメンは、スープも最初から一緒に入れてグツグツと煮込み、太めの麺に味をしっかり染み込ませるパターンが多いです。


こちらは「辛ラーメンブラック」を煮込んでいる様子

 というわけで、2品を一気に実食です。

 まず見た目。「辛ラーメン」のほうがやや赤みが強い気がしますが、ほぼ同じです。香りをかぐと、辛ラーメンは、いつもの刺すような唐辛子の香り。そして「ブラック」はWスープのおかげで、マイルドな豚骨スープのような香りです。こんなに違うとは思ってもいませんでした。

 スープを飲み比べてみると、「辛ラーメン」は、唐辛子が立ったような辛さで舌がヒリヒリ、シャープな辛さと強い塩気。一方、「ブラック」は、辛さは抑えめで、最初からふくよかな旨みが感じられ、豚骨スープか牛骨スープのようなまろやかさが続きます。


麺はどちらも同じ食感

 続いて、麺。どちらも独特のモチモチ&チュルチュル食感で、食べたことのある人は想像できると思いますが、「辛ラーメン」らしい美味しさ。もちろんスープの違いはあるのですが、麺を食べ比べると大差ありません。

 ちなみに、韓国の人は「辛ラーメン」を食べる時はほとんど必ずキムチと一緒に食べているようです。キムチの乳酸発酵系&魚介塩辛系の深い旨みが溶け込み、さらに旨みが増すんですね。筆者もよくキムチを入れて食べていますが、周りの知人たち数人にリサーチした結果、卵やチーズ、はたまたコチュジャンか味噌を入れる、なんて声もありました。

 というわけで、食べ比べの結果としては、ブラックのほうが、豚骨スープが入っている分、辛いものが苦手な人にも食べられそうな、いわゆる万人受けする味になっていることが判明。しかし、個人的には、「辛ラーメン」には容赦のない辛さを期待しているので、“ブラック”のマイルドさやコクは要らないかも…とも少し思いました。とはいえ、世界一に輝いたインスタントラーメンです。話のタネに、一度試してみては?

(撮影・文◎土原亜子)

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