“宇予くん”で改憲煽動のJCと手を組んだTwitter Japanはやっぱり右が大好きだった! 代表は自民党で講演、役員はケントに“いいね”

2月12日(水)21時20分 LITERA

情報を見極めよう!Twitterより

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 Twitter Japanが2月10日、公益社団法人・日本青年会議所(JC)とメディア・リテラシー確立のためパートナーシップを締結すると明らかにし、批判が殺到している。


 批判は当然だろう。それこそ普通にリテラシーがある人間なら、あのJCと組んでメディア・リテラシーって、Twitter Japanは正気なのか、とツッコみたくなるはずだ。


 念のため説明すると、JCとは地域の若手経営者などが集まる公益社団法人。地方の名家や企業の二代目、三代目が数多く参加している組織だが、もともと自民党の国会議員や地方議員を多数輩出するなど政治色も強く、不祥事も続出。一部では“政治好きの金持ちドラ息子集団”とも揶揄される。しかも、近年はネトウヨ思想に強く染まり、歴史修正主義やヘイトまがいの極右主張を声高に主張し始めている。


 記憶に新しいのが「宇予くん」事件だろう。2018年に「宇予くん」なるキャラクターを通じ、ネトウヨ暴言を連発し大問題になったのだ。


 たとえば、中国と韓国について〈日本はこのバカ二国と国交断絶、もしくはミサイル攻撃したほうがいいど〉と戦争を煽り、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」に登場した一般市民や購読者に対し〈完全に頭がやられてるど〉〈間違いなく狂ってるど〉〈これ読んで騙されるのはガイキチだけだど〉などと誹謗中傷を繰り返していた。


 JCはホームページに「お詫び」を掲載。〈かかるキャラクターは、元々は当会が憲法改正論議をより充実させ、憲法改正への契機とすべく、国民レベルでの議論をツイッター上で巻き起こす目的で企画致しました〉〈同じく、関連のHP等で掲載された「憲法漫画」第1話登場のキャラクター等において、一部不適切な掲載がありました〉などと説明した。


 JCは「調査結果のご報告」のなかで、〈本会が企画した目的や実施内容と、実際に行われた投稿等は大きく異なって〉おり、もともとは〈個人間での草の根の議論を巻き起こすことができればという願いがございました〉などと弁明しているが、ネットにはJCによる憲法改正運動について記した企画文書とみられる画像が流出。「宇予くん」についても触れられており、前述の工程表とみられる流出文書には「宇予くん」の「事業内容」としてこのように記されていた。


〈対左翼を意識し、炎上による拡散も狙う〉
〈つぶやき事例:
(キャラ設定狙い)「おで、今日は改憲デモでよく歩いたど。うちに帰ってプロテイン飲んで寝るど。」
(対左翼炎上狙い)「憲法第9条のおかげで戦争が起きないって言ってるやつ、頭おかしいど。おでのムキムキ筋肉パン(引用者注:「チで」と続くと思われる)葬りさるど。」〉


 メディア・リテラシー確立どころか、JCじたいが偏向しまくりのリテラシー欠如の見本ではないか。繰り返すが、こんなネトウヨ丸出しの偏向団体とメディアリテラシーのパートナーシップを組むって、一体、Twitter Japanは何を考えているのか。


●Twitter Japanが後押しJC新アカウントは8件のうち3件が高須院長のRT


 実際、このプロジェクトは早速、馬脚を現している。10日、Twitter Japanの公式アカウント「Twitter 政治」が、JCとのパートーナーシップ協定締結を報告。続けて、〈日本青年会議所のメディアリテラシー確立委員会@medialeteracy20がこれから毎週、リテラシーの理解やモラルを高めるのに役立つ情報をツイートしていきますので、皆さん是非フォロー&積極的に会話に参加してください〉と、メディアリテラシー確立委員会の「情報を見極めよう!」なるアカウントへのフォローを呼びかけたのだが、この「情報を見極めよう!」アカウントの偏りがひどいのだ。


 津田大介氏によると、このアカウントが立ち上がった当初、全ツイートした8件のうち、3件が高須クリニック・高須克弥院長投稿のリツイートで、1件は産経新聞の記事のリツイートだったという。さらには、この事実を指摘してパートナーシップに疑問を投げかけた津田氏に対して、JC幹部がつぶやいた〈津田大介が発狂しているけど〉などというツイートをリツイートする始末だった。


 批判が殺到したことから、現在は高須院長と津田氏攻撃のリツイートは取り消し、その後朝日新聞や毎日新聞をフォローし始めたりと取り繕っているが、リテラシーといいながら、偏った思想の押し付けアカウントであることが丸出しになったのだ。


 まったく唖然とするが、笑い事ではない。TwitterがJCと組むということは、トンデモアカウントがひとつできたというだけの問題ではないからだ。


 Twitter Japanは、今回、JCとのパートナーシップに非難が殺到していることを受けて、ねとらぼの取材に対してこう弁明している。


「今回のパートナーシップは日本青年会議所が所属する団体向けに展開するソーシャルメディアのリテラシー教育を支援するというもので、政治的な活動を後押しするものではございません。また日本青年会議所は政治団体ではございません」


 また、「宇予くん」騒動についても、過去所属メンバーによる発言が問題視されたことは把握しており、その点についても先方と協議し「過去の過ちを改めたうえで、信頼回復に努めたいと考えている」とのことで、リテラシーの教育の必要性をご理解いただいていると判断いたしました」としている。


 だが、これは明らかなゴマカシだ。JCは中曽根康弘、小渕恵三、森喜朗などの首相経験者、現役政治家では麻生太郎財務相、下村博文・元文科相、石原伸晃・元経済再生相、萩生田光一文科相、平将明・内閣府副大臣ら自民党の幹部議員を輩出しており、もともと政治色、それも右派的傾向極めて強い。しかも、2006年の第一次安倍政権誕生の前後から、さまざまなメディアや集会で安倍首相と日本会議系の学者らの主張をそのまま垂れ流しするようになり、完全に改憲・歴史修正の極右団体と化し始めた。


●Twitter Japan の弁明の嘘 JCが極右運動団体と化している証拠


 たとえば、2005年にJCが発行していた雑誌「JC」(時事通信社)では、「ミサイル防衛」や「領土領海問題」「教科書問題」「日本の新憲法が見えてきた!」などの特集・話題を扱い、第3号(05年11月15日発売)で自民党幹事長代理だった安倍と当時のJC会頭・高竹和明氏の対談を掲載。またJCは06年から07年にかけて「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)で一回あたり16ページもの大広告を断続的に展開していたが、そのなかで日本会議の中心的存在である高橋史朗氏を倒叙させ、「親学推進プロジェクト」の考案や、日めくりの「親学カレンダー 親学の実践・親の心得」、〈戦前の『尋常小學修身書』から偉人伝を抜粋〉する「美しく生きるための先人の教え 生き方の教科書」の制作予定を公言していた。しかも「親学」関連の監修は高橋氏、教科書の監修を安倍首相の極右ブレーン・八木秀次氏が務めると謳っている。なお、JCの関係者が八木氏が理事長を務める日本教育再生機構の運営に関与していたことは、東京青年会議所の機関紙「Tokyo JC News」のなかでも堂々と打ち明けられていた。


 また、JCは2006年に『誇り 伝えよう日本のあゆみ』なる歴史修正アニメも制作している。内容は、現代の女子高生の前に戦死した青年の幽霊が現れ、戦前・戦中日本の侵略戦争への動きを正当化するような解説をし、例の「(マッカーサーも)日本の行った大東亜戦争は自衛のための戦争だった(と証言)」なるデマを開陳したあげく、靖国神社へ誘うというものだ。このアニメを使った新しい教育事業は文科省に採択され、当時のしんぶん赤旗の報道によれば、JCは全国の学校授業でこのアニメを使用しようとしていたという。


 こうしたJCの極右教育活動については、以前も本サイトで取り上げたことがある。2015年11月3日放送の『ニュースウオッチ9』(NHK)が報じた、JCが埼玉県さいたま市の中学校でおこなった憲法の「出前授業」のことだ。教壇にはJCの憲法論議推進委員会の副委員長が立ち、「いまの憲法の前文を読んだことはありますか?」と生徒たちに切り出してから、「あなたは日本人について、これからどういう人であってほしいと思いますか?」などと尋ねていた。


 そして、JCは近年、こうした歴史修正、憲法改正、中韓ヘイト、親学など、フェイク混じりの右派思想をSNSで広く拡散する戦略を立ててきた。「宇予くん」騒動もTwitter Japanが弁明しているような「所属メンバーの行き過ぎた発言」などではなく、JC の組織的戦略だったことは、前出の流出文書からも明らかだ。そして、その戦略の延長線上にでてきたのは今回のTwitter Japanとのパートナーシップだったのである。


●Twitter Japanの代表は自民党で講演、上級役員はK・ギルバートに“いいね”


 Twitter JapanがこうしたJC の政治的本質や戦略を知らないはずがないだろう。実際、前述したように、Twitter Japanは「過去所属メンバーによる発言が問題視されたことは把握して」いたことを認めている。それでもなお、JCとパートナシップを締結したというのは“確信犯”としか考えられない。


 実は、Twitter Japanについてはもともと、政治的偏向が指摘されてきた。それは、ヘイトや差別を批判するツイートがロックされる一方で、多くのヘイトや差別ツイートがロックされずに放置されるという理不尽な現象が起きていたというだけではない。Twitter Japanの上層部と自民党や右派、ネトウヨへの親和性を物語るような事実も次々明らかになったのだ。


 たとえば、2017年には、同社の上級役員が『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)などのヘイト本で知られるケント・ギルバート氏らのツイートに「いいね!」をしていたことが一部で取り沙汰された。


 また、Twitter Japanの代表取締役・笹本裕氏が2017年4月、自民党本部の勉強会に呼ばれ、「Twitterの現在と政治での活用」なる講演をおこなっていたという事実も明らかになっている


 そんなTwitterが、今回、安倍政権の別働隊ともいえる日本青年会議所とパートナーシップを結んだというのは、安倍政権擁護や歴史修正主義、改憲の政治宣伝に全面協力するという姿勢を公に示したも同然だ。


 Twitterは、単なる一民間企業ではなく、政府や地方自治体も災害時などに公的情報を発信するなど、公共のインフラとなっている。昨年には、Twitter本部が「政治的なメッセージを届けたいなら金に頼るのではなくその内容で訴える必要がある」として、政治広告禁止の措置を取った。


 しかし、その裏で、Twitter Japan運営は、特定の政治勢力、政治思想をもった団体と組み、実際、ネトウヨと変わらない内容のアカウントの後押しを始めていたのだ。こんなことが許されていいのか。


 問題は今回の件だけではない。Twitter JapanとJCが今後どのような情報発信を仕掛けてくるのか、注視が必要だろう。
(編集部)


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