更年期障害にならない人の特徴とは?
2025年2月13日(木)19時0分 ココカラネクスト

※本記事は、医師による執筆記事です。
更年期を迎える女性の大きな悩みの一つとしてあげられる「更年期障害」。脳の視床下部に大きなストレスを与え、生活の質を悪化させる種々の症状が起こるとされているのが更年期障害ですが、なかには更年期障害にならない人や、更年期障害が軽い人もいます。
今回は更年期障害にならない人や、症状が軽くなりがちな方の特徴について解説していきます。
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更年期障害とは
女性の更年期は、閉経前後の5年間のことをいいます。ほとんどが45歳〜55歳の間です。
この間は、女性ホルモンが不安定にアップダウンしながら低下していき、最終的に閉経前の10分の1程度の値になります。この不安定にアップダウンしながら女性ホルモンが低下していくことが、脳の視床下部に大きなストレスを与え、生活の質を悪化させる種々の症状が起こります。これを更年期障害といいます。
症状は
①ホットフラッシュなどの血管症状
②めまい、立ちくらみ、動悸、不眠、全身のかゆみ、全身の痛み、全身倦怠感などの自律神経失調症状
③イライラ、よくうつなどの精神神経症状
等があります。この更年期障害の症状の出方は多種多様で、個人差が大きいのが特徴です。
更年期障害にならない人、軽い人の特徴
さてこの更年期障害にならない人や、更年期障害が軽い人には、特徴があります。
1)更年期障害に関して医学的知識をもっている人
2)もともと月経前症候群などの性周期に伴う体調変化が少なかった人
3)人間関係ストレスの少ない人
4)適当に手を抜ける人
5)運動習慣のある人
それぞれに関して、簡単な説明をします。
1)更年期障害に関して医学的知識をもっている人
・・・・・更年期障害による自律神経失調症状や精神神経症状は一時的なものであり、いずれ終わり、その後は精神的にも肉体的にも安定した楽しい日々が待っていることを確信していれば、つらい症状は我慢できます。
2)もともと月経前症候群などの性周期に伴う体調変化が少なかった人
・・・・・・もともと性ホルモンの変化によるストレスに強い人である可能性が高く更年期はストレスが大きくなりますが、耐えることができる可能性が大きくなります。ただしいわゆる体がとても丈夫でかなりハードな日常を送っていた女性が、とても重い更年期障害に陥ることがあります。そういう人々は、更年期が過ぎてまた元気を取り戻すと公的にも私的にも更年期障害に関するスピーカーになっている人が多いです。
3)人間関係ストレスの少ない人
・・・・・・人間関係のストレスの多い人は、そのストレスでセロトニン、アドレナリン、ドーパミンなどの脳内ストレスのバランスが悪くなっていることが多いので、性ホルモンのバランスが悪くなる更年期になると脳内ホルモンのバランスがさらに悪化し、更年期障害の症状が強くでます。反対に大きな人間関係ストレスがない人は、元々脳内ホルモンのバランスが良い状態のため性ホルモンのバランス失調である更年期障害をうまく乗り越えやすくなります。
4)適当に手を抜ける人
・・・・・40歳代を超えると、それ以前より体力が低下してきます。その代わり熟練度や経験は増えていきます。熟練や経験を利用して手を抜ける人は過労にならないため、その結果更年期障害にならずに過ごすことができます。
5)運動習慣のある人
・・・・・運動習慣のある人は、セロトニン、アドレナリン、ドーパミンなどの脳内ホルモンのバランスが良い状態を保ちやすいので、運動習慣のない人に比べてストレス耐性が高い状態で生活できます。そのため更年期にはいり性ホルモンのバランスが崩れても、更年期障害を起こさずに過ごすことができます。
[文:フェムゾーンラボ]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
関口 由紀
神奈川県横浜市出身の医師。日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本性機能学会認定専門医、日本排尿機能学会認定専門医、日本女性骨盤底医学会認定専門医、医学博士、経営学修士。女性医療クリニックLUNAグループの理事長、横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学客員教授を務める。