「中国パクリ遊園地の今」を現地取材! 著作権“完全無視”の残念すぎる惨状に爆笑

2月13日(火)7時30分 tocana

写真=関上武司

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 2008年に開催された北京オリンピック。当時、経済発展を続けていた中国がオリンピックを開催するということで、世界中から注目が集まっていたが、その直前になって、信じられないことが表面化した。北京市内にある石景山遊楽園(せっけいざんゆうらくえん)に偽物のディズニーキャラクターがいることが“発覚”したのだ。日本のマスコミは、「著作権を無視している」として大々的に報道。欧米からも非難の声が上がった。

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 筆者が「中国パクリ遊園地」の調査を始めたのは、2011年のことになる。すると、意外や意外。ツッコミどころだらけの遊園地ばかりに足を運ぶことになった。どこに行っても偽物のキャラクターがいたのだ。もちろん、中国語にも『著作権』や『版権』という言葉はある。習近平政権のスローガンである『社会主義核心価値観』には、“法治”という2文字も含まれている。それなのにだ……。

 実際に中国各地にある遊園地に足を運べば分かることだが、遊園地や大きな公園の入口には、社会主義を核心としたスローガンが書かれた垂れ幕が掲げられている。それも高い確率で。しかし、いざ入園してみると、お腹を抱えて笑いたくなるような偽物のキャラクターのオンパレードなのだ。著作権や版権に関して、“法治”の精神は、まったく適用されていない。

 北京オリンピックから10年。今はどうなっているのだろうか? 筆者が足を運んだ遊園地の数々を紹介したい。

 まず、最初に見てもらいたいのは、寧夏回族自治区(ねいかかいぞくじちく)の銀川中山公園だ。2016年に上海ディズニーランドが開園したことにより、「上海市内から有名なネズミキャラのパクリが消えた」という噂もあったが、中国の他の地域では、このようなネズミ型のコースターが稼働していた。もしも、ウォルト・ディズニー社が見たら激怒してしまうことだろう。日本と比較して非常に変化の早い中国だが、山塞(パクリ)文化は、簡単には根絶できないことが見てとれる。どうせパクるのであれば、オリジナルにリスペクトすべきだと思うが、そのような態度は皆無だ。どのような角度から見ても“出来損ないの紅まんじゅう”のようになっているのが痛ましい。このような形のコースターは、中国全土で見ることができる。ミッキーマウスも涙していることだろう。

 日本では、ほとんど知られていないことだが、前出の『社会主義核心価値観』には、“法治”の他に“自由”という2文字も含まれている。しかし、実際には、不自由な点が多い。現地に行ってみれば、すぐに分かることだが、エロという表現は、中国にはない。ところが、意外なことに「ウルムチ水上楽園」(新疆ウイグル自治区ウルムチ市)には、トップレスのマーメイドのオブジェが展示されていたのだ。芸術的な裸像とエロとの線引きは難しいところだが、大勢の児童も利用している遊園地の遊具がセクシー路線に走るのはさすがにマズイだろう。でも、大人は気に留めている様子はない。

 戦後70余年という年月が流れても、日中関係は様々な問題を抱えている。中国国内では、毎日のように抗日ドラマが放映されているが、実際に訪中してみると、現地の中国人から露骨な反日発言をされることは少ない。意外にもフレンドリーな人たちが多いのだ。これは、アニメなどの日本のコンテンツが我々の想像以上に中国で浸透しているからだ。それによって、日本人に対する印象がソフトになっているのだ。

 中国の遊園地では、ごく当たり前のように日本の漫画やアニメのキャラクターのパクリが見られる。ところが、有名なキャラクターを上手くパクれなくてマヌケな表情になったり、元ネタと比べて凶悪な人相になったりしているものが多い。そのような現場を数多く目撃してきたが、平気でパクリをしている製作者の意図を飛び越えて、独自の“お笑い”に進化していると感じられることがある。重慶市の遊園地「洋人街」では、「日本ではありえねぇぇぇ〜〜!!」と心の中で叫んでしまったこともある。そんなときは、取材者として至福の時間と言うことができよう(笑)

 中国は、世界第2位の経済大国になった。そのことによって、国内消費を支える中間層の増加に比例するような形で遊園地が激増している。日本のバブル期以上に娯楽施設の建設に莫大な資金が投入されたことで大成功している例もあれば、前途多難にしか見えないテーマパークもある。もちろん、寂れていく古い遊園地も続出している。

 広東省の珠海市(しゅかいし)にある「珍珠楽園」は、10年前は、世界を震撼させた(笑)、“極悪のび太”の巨大フィギュアがあったりしてマトモに運営されていたが、現在では、路線バスの運転手から「誰も行かない遊園地だよ」と揶揄されている。入口は、廃墟のようになっているので、休眠中のようにも見えるが、入園料60元(1元=約16円)を払って入ってみると、意外なものを目の当たりにすることになった。驚くなかれ、スタッフが園内に畑を作って自給自足に励んでいたのだ。そうしなければ、「生きていかれない」からだ。このような感覚は、一般的な日本人には理解できないものだろう。

 北京オリンピックから10年という時が流れ、中国の都市部で暮らしている人たちの暮らしも豊かになった。それはもちろん喜ばしいことだが、「何とかして欲しい」と思うことも少なくない。民度というものを考えると「???」と思わざるを得ないからだ。習近平政権のスローガンである『社会主義核心価値観』には、“法治”という2文字があることは先に述べた通りだが、『著作権』や『版権』といった国際的な権利が実在することを知らしめていく必要がある。何年かかってもいい。

(写真・文:関上武司)

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