世界初・人間の「頭部移植手術」成功、その後…!頭部切断後に躰は動くのか?

2月13日(火)7時45分 tocana

イメージ画像:「Thinkstock」より

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 アメリカの科学技術サイト「Science Alert」(1月25日付)は、イタリア人脳神経外科医が“革命的手術”に成功したと伝えている。セルジオ・カナべーロ医師は、以前から「生きてる人間の頭部を移植することは可能で、1年以内に実現できる」と公言してはばからなかったが、昨年末、ついにその前段階と呼ぶような遺体を使った人体頭部移植手術を敢行したのだ。

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■今秋には脳死したドナー同士の頭部移植手術が予定

 カナベーロ医師により「HEAVEN(head anastomosis venture)」と名付けられた頭部移植法は、海外メディアを驚愕させた。しかし、このオペには多くの神経科学者が異議を唱えている。なにより憂慮されているのは、科学的エビデンスが十分でないにもかかわらず、今秋には中国で、脳死したドナー同士によるガチの頭と頭のすげ替え手術が予定されていることだ。もちろん、前例のない大事件となるだろう。

 ノースウエスタン大学で理学療法とリハビリが専門のリチャード・ハーヴェイ准教授は、科学技術サイト「Futurism」で次のように語っている。

「(カナベーロ医師が開発した)技術を用いて脳幹と脊髄をつなげても、人間が動き出すということはあり得ません。もし、仮にそのような手術を受けたなら、患者は四肢まひに陥るでしょう。なにしろ、今の医学では脊髄損傷の修復もできないのですから」(リチャード・ハーヴェイ准教授)

 他の専門家たちも同じような見解で、将来的に「頭部移植」なるものが、現実的な医療の選択肢になり得るとは、はなはだ疑わしいとしている。


■21世紀のフランケンシュタイン博士か?

 カナベーロ医師が編み出した独自のセオリーは次の通りだ。患者2名の頭部を切断後、生存する方の頭部を胴体に接続。気管から食道、頸動脈、頸静脈、脊髄と縫い合わせ終了。あとは本人が目覚めて体を動かし、会話できるようになるまで回復するのを待つという。

 また、カナベーロ医師は“接着剤”の役目をするという特殊新素材を使い、切断された脊椎間の隙間を埋めるよう軸索と神経細胞を成長させる方法を発見したと公表している。

 だが、今回のカナベーロ医師の手術では、最大の焦点である「切断した脊髄を再結合して運動機能を復元させる」具体的エビデンスが明示されていない。これでは、単なる解剖学の演習をしただけと判断されても仕方ないのではないか。

 また、カナベーロ医師の最終目標は、脳移植による寿命の延長だという。つまり、年を取ったら、自分の脳を若い肉体に取り付けて寿命を伸ばすのが狙いなのだ。だが、この場合の“若い肉体”とは、誰から供給されるのだろうか。ここまでくると、ノーベル作家カズオ・イシグロの小説『わたしを離さないで』(ハヤカワ文庫)を現実世界に描こうとしているかのようで薄ら寒くなってくる。

 不可能を可能にしていくことの連続で、現代の医療は存在している。さりとて、頭部移植については100年先はわからないが、2018年現在では医療技術の問題以前に、やはり論理の飛躍という感じが否めない。21世紀のフランケンシュタイン博士は、天才なのか狂人なのか。世界は今、固唾をのんで見守っている。
(文=佐藤Kay)


※イメージ画像:「Thinkstock」より

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