パーマ大佐「森のくまさん」だけじゃない! 20年越しの発禁も… 音楽著作権でトラブルを起こした芸能人3例

2月14日(火)9時0分 tocana

イメージ画像:パーマ大佐 『森のくまさん』(ユニバーサル ミュージック)

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 童謡『森のくまさん』の替え歌を収録したお笑いタレント・パーマ大佐のCD販売を巡り、販売差し止めを求めていた日本語訳詞者・馬場祥弘氏側の代理人弁護士が2月1日、「円満解決で合意した」と発表した。今後製造するCDやインターネット上の動画には、歌詞の改変者としてパーマ大佐の名前が新たに記載されることで合意に至ったようだ。

 パーマ大佐はオリジナルの日本語訳詞に「お嬢さんがいろんなことに手を出し、クマと恋に落ちて警察から逃げる」という内容の歌詞を加えて、昨年12月にCDを発売。そこに訳詞者として名前が記載されていた馬場氏側が1月18日、著作者人格権の侵害を主張し、販売差し止めと慰謝料300万円を求める通知書を送っていた。

 著作者人格権には、著作者が著作物をいつ公表するか決められる“公表権”、著作者名公表を決められる“氏名表示権”、そして自分の意に反して勝手に改変することを禁止できる “同一性保持権”の3つの権利があり、馬場氏はこの“同一性保持権”を主張していた。


森進一

 さて、過去にも音楽著作権がらみでトラブルを起こした芸能人は数多くいる。“歌詞の改変”でまず思い出されるのは、森進一の“おふくろさん騒動”である。2006年末に放送されたNHK紅白歌合戦で、森がオリジナルの『おふくろさん』にはないセリフを無許可で足して歌唱。森は1994年、2005年の紅白でもセリフ付きの同曲を披露しており、作詞者の川内康範氏を激高させた。

 そして2007年3月、日本音楽著作権協会(JASRAC)は改変版『おふくろさん』の歌唱禁止を伝え、道義上、森は『おふくろさん』自体を歌うことができない状態に追いやられた。しかし2008年4月に川内氏が亡くなると、同年11月、川内氏の長男で弁護士の飯沼春樹氏が“原曲の”歌唱を許可し、一応の決着を見た。


■CHEMISTRY

“歌詞の盗作”で問題となり、裁判沙汰にまで至ったのは「銀河鉄道999裁判」である。2006年、シンガーソングライターの槇原敬之が男性デュオCHEMISTRYに提供した楽曲『約束の場所』の歌詞の一部が、1996年より再開された新展開編『銀河鉄道999』(小学館)の作中におけるセリフの盗用であると作者の松本零士が訴え、雑誌『女性セブン』(同)や日本テレビ系『スッキリ!』で槇原を非難。しかし槇原は、逆に名誉を傷つけられたとして2200万円の損害賠償請求を行った。そして2008年、東京地裁は槇原の訴えを認め、松本に対して220万円の支払いを命じている。

「著作権侵害」かと思いきや、「名誉棄損」案件へと変移した「銀河鉄道999裁判」。一方、パーマ大佐と森進一の件に関しては、著作者との交渉がこじれたために起こってしまったトラブルだ。なお、かつて元モーニング娘。の安倍なつみが上梓したエッセー集や写真集などに含まれる詩に、数点の盗作が認められるとして大問題に発展したが、こちらは稀有といえる自爆のケースだった。

 著作者の権利は、前述の著作者人格権と著作権(財産権)の2つに分けられるが、特に著作者人格権に関しては、著作者と実演者の間のすれ違いから大きなトラブルに発展するケースが多いようだ。しかも、これが1対1の交渉では済まず、間に芸能事務所やレコード会社なども絡んでくるので、問題はさらにややこしくなる。


■電気グルーヴ

 最後に、クスッと笑ってしまうような著作権トラブルをご紹介したい。1980年代、「電気グルーヴ」の前身にあたるインディーズバンド「人生」が、童謡『クラリネットをこわしちゃった』のメロディに乗せて「キンタマが右に寄っちゃった」と歌い続ける『オールナイトロング』という楽曲を発表した。

 2008年、この曲をDJ OZMAがラストアルバムでカヴァーしたいと依頼したのだが、インディーズ時代の楽曲であるため、著作権登録がされていないことが発覚。『クラリネットをこわしちゃった』の作曲は作者不詳だが、『オールナイトロング』の歌詞には『クラリネットをこわしちゃった』からの引用も含まれる。そのため、この機会に改めて日本語訳詞の著作権者・石井好子氏に許諾を打診したものの、「自分の作詞したものにキンタマなんてダメに決まっているでしょ」とあっさりと断られてしまったのである。20年越しの発禁だった。

 常識とは何か、ということを改めて考えさせられる例である。
(文=加藤宏和)


※イメージ画像:パーマ大佐 『森のくまさん』(ユニバーサル ミュージック)

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