「登校初日から遅刻する!」絶望した少年の前に停車した白塗りベンツ 窓から現れたのはパンチパーマのおじさんで...

2022年2月15日(火)8時0分 Jタウンネット

Jタウンネット読者・Sさん(40代男性)から、学生時代の思い出を綴った1通のメールが編集部に届いた。

親元を離れサッカー強豪校に進学したSさん。新しく始まる学校生活への希望で胸がいっぱいの登校初日の朝になんと......バスに乗り遅れてしまった。このままでは、初日から遅刻確定である。

「なんてこった...」

バス停の前で膝をつき、絶望するSさん。

その真横に何故か停まった、白いベンツ。

そしてその窓から「絵に描いたようなパンチパーマにグラサンのおじさん」が顔を出した。

一体これから、どうなっちゃうの——!?

これからご紹介するのは、Sさんの身に実際に起きた「ウソみたいなホントの話」だ。

「遅刻だ!やばい!」

夢を抱き親元を離れ、県外のサッカー強豪校へ入学した20数年前。その初登校の日の話です。 下宿から学校まではバスに揺られて20分ほど。地方でしたので本数も少なく、乗り遅れたら遅刻という条件でした。当時朝が苦手だった私はあろうことか、大事な初登校の日に寝坊してしまったのです。

バス停があるのは下宿を出て緩やかな長い坂道を登り、突きあたりを右に曲がった50メートル先。

「遅刻だ!やばい!」

下宿から猛ダッシュで坂道を駆け上がり「頼むから間に合ってくれ」と願いながら右に曲がりました。

すると、既にバスは到着していてその時まさに乗降中。「乗ります!」と右手を振り上げながら走りましたが......無情にもバスは発車してしまいました。

バス停の手前でがっくりと膝をつき、「なんてこった」と絶望したその時。

ススー、と白塗りのベンツが私の横に止まり、窓から絵に描いたようなパンチパーマにグラサンのおじさんが顔を出したのです。

「絶望と安堵とよく分からない状況」

「〇〇校のサッカー部やろ。乗り、連れてったるわ」

なんとおじさんは、絶望する私を後部座席に乗せてくれました。

私の学校のサッカー部は地域では有名で、ブレザー姿に大きなサッカーバッグを掛けて走っている姿で「すぐにサッカー部とわかった」とのこと。

「サッカー部は強いぞ、練習大変やぞ〜、にーちゃん頑張りや」

絶望と安堵とよく分からない状況で緊張する私に、おじさんは運転しながらも優しく声を掛けてくれました。そして途中でバスを追い越し、予定よりも早く校門前に。初登校はまさかの「白塗りベンツで横付け」となりました。

結局、サッカー部ではレギュラーになれませんでしたが、初登校でのおじさんの温かさが、3年間暮らした町を、人を、サッカー部を好きになった、ほろ苦くも愛おしい青春のきっかけだったんだと思います。

名前も聞けず、何のお礼も出来ませんでしたが、あの時乗せてくださったおじさん、心からお礼申し上げます。ありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

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