認知症予防のための6つの生活改善、そこまで難しくない

2月15日(土)16時0分 NEWSポストセブン

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

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 認知症の治療について取り組み続けている諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師。今回は、認知症予防のための6つの生活改善を紹介する。


 * * *

【1】肥満やメタボ、高血圧、高血糖に注意する


 これらは慢性炎症を起こしやすくし、認知症リスクを高める。特に高血糖は認知症リスクが高いので、野菜をたくさんとったり、運動をしたりして注意したい。


 また、上の血圧140、下の血圧90を、どちらか一方でも超えている高血圧の人は、正常血圧(120未満/80未満)の人に比べて、認知症リスクが49%高くなるといわれている。運動と減塩で改善したい。


【2】朝、軽い運動をしよう


 オーストラリアのベイカー研究所の論文によると、朝の運動は記憶力、意思決定能力、集中力など全般的な認知能力が向上するという。この研究では、8時間座り続けた場合と、時々3分間の軽い運動をした場合では、短期記憶力が明らかに違うこともわかった。


 ついでに、肥満やメタボが気になる人は、朝食前に運動すると、脂肪燃焼が2倍よくなる。認知症予防とダイエットの両方を狙いたい人は、朝食前に運動するとよい。


 運動は、軽くていい。以前、この連載でも紹介した鎌田式スクワットやかかと落としなら数分でできる。最近、ぼくはもう少し負荷の大きいワイドスクワットをやっている。両足を肩幅の倍くらいの幅に開いて、つま先を45度外に向ける。背中と顔をまっすぐにした形で、息を吸いながら腰を落とし、息を吐きながら立ち上がる。10回1セット。ゆっくりやるのがコツだ。


 ワイドスクワットは、太ももの内転筋を鍛えるので、太ももが太くなりにくい。美脚を目指す女性にもおすすめだ。


【3】質のよい睡眠をとる


 カリフォルニア大学バークレー校の論文によると、中年期に睡眠の質が悪いと認知症になりやすいという。睡眠の質が悪くなると、タウタンパクが記憶を司る海馬周辺に蓄積しやすくなり、記憶力の低下を起こすといわれている。


 睡眠の質をよくするには、朝、太陽の光を浴びるとよい。朝、日光浴をするとセロトニンが分泌され、これが夜、睡眠誘導物質のメラトニンの材料になる。


【4】卵や肉からコリンを摂取しよう


 食事からコリンを適度にとっている人は認知症のリスクが28%も低いことがわかったと発表しているのは、東フィンランド大学の研究だ。


 コリンは、神経伝達物質のアセチルコリンの材料になる。大豆、卵黄、牛肉、豚肉、鶏レバー、たら、えび、ピスタチオ、ブロッコリーなどに含まれている。コリンが不足すると認知障害が起こることがわかっているので、食事から積極的にとりたいものだ。


【5】オメガ3脂肪酸のいい油をとる


 青魚に多く含まれるDHAやEPAはオメガ3脂肪酸の代表選手。また、えごま油やアマニ油、クルミに含まれる油も体内に入るとDHAに変化する。


 抗酸化力が高く、動脈硬化を防いで血液の流れを改善するだけでなく、脳の神経細胞の育成や維持にも関係が深いといわれる。認知症予防にはぜひとりたい。


【6】社会的に孤立しない


 英国イーストアングリア大学の研究では、家族や友人との人間関係が悪いと、認知症リスクが30%高まるという。また、社会参加の少ない高齢者は、アルツハイマー病の発症にかかわるアミロイドβが蓄積しやすいことも、別の研究でわかっている。


 良好ではない家族関係や社会的孤立、孤独などがストレスとなって、認知症の発症リスクを高めていると推測されている。


●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。著書に、『人間の値打ち』『忖度バカ』など多数。


※週刊ポスト2020年2月21日号

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