家系ファンは食らうべし! ローソン限定「吉村家」カップ麺、こだわり感じる本格派の一杯

2020年2月16日(日)12時0分 Jタウンネット

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界第二十三回 ローソン「吉村家」 文・写真:オサーン


カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」を食べて紹介していく連載の第二十三回目です。今回は、「ローソン有名店シリーズ」の商品から、明星食品製の「家系総本山 吉村家 豚骨醤油ラーメン」を食べていきたいと思います。


横浜のご当地ラーメンから今や全国的に広がる「家系ラーメン」、吉村家はその元祖であり、横浜を代表するラーメン店のひとつでもあります。


「吉村家」カップ麺

元祖家系ラーメンの味をカップ麺で


「吉村家」は、横浜にある家系ラーメン発祥の店。吉村家から暖簾分けされた直系店に加え、吉村家と師弟関係にない独立系のお店が全国に広がっており、今や二郎系と並ぶラーメン最大派閥と言っても過言ではないでしょう。


家系を標榜したラーメンを供するお店は横浜だけでも100店以上、全国には1000店近くあるそうです。


「横浜家系総本山」の文字が

家系ラーメンの特徴は、濃厚な豚骨醤油味で表面に鶏油を浮かせたスープ、極太のストレート麺、そしてチャーシューやネギの他にほうれん草や海苔がのっている具。特に家系をうたっていないお店でもこのような特徴を持つラーメンを供しているお店が多く存在しているので、巡り合ったことがある方は多いのではないでしょうか。


ローソン限定のカップ麺


今回紹介していく「家系総本山 吉村家 豚骨醤油ラーメン」は、ローソン店頭に並んでいる名店再現系のカップ麺「ローソン有名店シリーズ」のひとつです。


このシリーズは他に、「麺屋武蔵」や「麺屋一燈」など、名店と謳われるラーメン店の商品がラインナップされています。お店によっては取り扱いがない場合もありますが、比較的手に入れやすいカップ麺でしょう。


一方で、セブンイレブンにはこちらも家系ラーメンの有名店「六角家」の味を再現したカップ麺があり、コンビニに行けばローソンなら吉村家、セブンなら六角家の味を手軽に楽しむことができます。


ほうれん草や海苔をしっかり押さえている


カップには4つの袋が入っている

カップには、液体スープ、粉末スープ、かやく、焼のりの4つの袋が入っています。税込278円という高額カップ麺らしく、お店の特徴である濃厚な豚骨醤油スープを液体と粉末の2つの袋で再現しているようです。


チャーシューやほうれん草入り

チャーシューはあまり大きくありませんが、家系の特徴であるほうれん草はしっかり入っています。別に大きな焼のりの袋もついているので、お店の再現性は高そうです。


醤油が濃い豚骨醤油味


カップ麺「吉村家」完成

カップ麺としては味に厚みを感じられる濃厚な豚骨醤油味のスープで、表面に鶏油が浮いています。


家系のスープは豚骨醤油味と形容されることが多いですが、吉村家は豚骨醤油としては醤油味が濃いのが特徴。今回も、とんこつをしっかり太く効かせつつ、醤油が濃いスープとなっています。


一般的な豚骨醤油味のイメージよりも醤油味に近い味で、マイルドな豚骨醤油味をイメージして食べると、ちょっと塩辛く感じてしまうかもしれません。


鶏油の甘い香り


スープ表面に浮いている鶏油

スープ表面には鶏油を主体とする油脂が浮いており、湯気から鶏油独特のちょっと甘ったるい香りが立ち上ります。鶏油も家系ラーメンの大きな特徴で、濃い豚骨醤油味のスープの中に入っても、しっかり存在感がありました。


さすがにお店のスープに比べると迫力不足ではありますが、他のカップ麺や最近コンビニのレンジコーナーで幅を利かせるレンジ麺に比べて家系ラーメンとしての再現性は高いように思います。


セブンで売られている六角家のカップ麺と比較すると、スープの分厚さや醤油の濃さが強みの吉村家に対し、鶏油を強調しているのが六角家で、どちらもそれぞれお店の特徴を踏まえた味になっています。


両方のコンビニが近所にあって迷っている場合、吉村家を食べたいならローソン、六角家が食べたいならセブンに行くという、選択肢の決定打になりそうなほどの違いがありました。


お店の多加水中太麺を再現したノンフライ麺


太めのノンフライ麺

麺は中太でやや縮れのあるノンフライ麺です。弾力のある多加水麺の食感で、ちょっとかため。濃厚なスープに対し、高弾力と太さでバランスを取っています。濃厚なスープの中で麺のほのかな甘みを感じ取れました。


実際のお店の麺はもうひとまわり太くてストレートですが、見た目の雰囲気や食感はきちんと再現できていました。お店に比べてスープの迫力が弱いので、それに合わせて麺もちょっと細くすることでバランスを取っていると考えると合理的な組み合わせと言えるでしょう。


大きい焼のりが3枚も!


具として入っているのは、チャーシュー、ほうれん草、ネギ、そして焼のり。家系ラーメンの特徴であるほうれん草や焼のりがしっかり入っています。


チャーシューとほうれん草

チャーシューはそれなりの大きさのものが入っていて、脂身がたっぷりついた肉感の強いタイプです。とてもおいしいですが、今回カップ麺としては高額な税込278円の商品と考えると、お店のチャーシューとはいかずとももうちょっと大きさが欲しかったところ。


ほうれん草はまずまずの量入っていて、ちょっと苦味があってしっかりほうれん草の味わいです。乾燥具なのでさすがに食感はイマイチではあるものの、カップ麺の具としては味も量も十分と言えるでしょう。


焼きのりが3枚

そして何と言っても焼のり!大きな焼のりが3枚も入っています。実際の吉村家と同レベルの焼のりが入っていました。これ2枚にしておいて、浮いたコストをチャーシューかほうれん草に回せなかったかと思わなくもないです。


ただ、焼のりを吉村家の醤油の濃いスープに浸してごはんと一緒にかっこむのは本当おいしいので、おそらくメーカーの開発者さんの譲れないこだわりだったのだと勝手に想像しています。


278円で手軽に吉村家の雰囲気を味わえる


元祖横浜家系ラーメンの吉村家の味を再現したカップ麺でしたが、濃い醤油味や大きな焼のりが3枚入っているところにメーカーの強いこだわりを感じました。実際の吉村家でもそうですが、濃い醤油味と焼のりの組み合わせは、どうしてごはんが欲しくなってしまいます。


定価税込278円の商品なので、カップ麺としては割高ですが、ローソンで手軽に手に入る上、吉村家の雰囲気を感じ取れる存在だと考えると、決して高い買い物ではないように思います。


吉村家に行けるところにお住まいの方も、なかなか行けない方も、どちらにもおすすめしたい一杯です。


筆者:オサーンカップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。Twitter(@ossern)


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