ここが変だよ日本人… 海外で“なすび”の懸賞生活が「人間を公開拷問した最も邪悪な番組」だと批判される!

2023年2月19日(日)11時0分 tocana

 かつての日本のテレビ業界では現在ではコンプライアンス的に不可能な番組が数多く制作されていたが、その中の1つの企画が“公開拷問”であるとして海外のSNSユーザーにショックを与えているようだ——。


現在では成立不可能な番組企画“懸賞生活”

 筋書きのない(といわれている)ドキュメンタリー番組、いわゆる“リアリティ番組”は世界中で企画制作され楽しまれているが、かつての日本ではその流れとはまた違った、いわば“無理ゲ—”系のドキュメントバラエティー番組が人気を博していた。


 当時のそうした番組の一部の録画ビデオがYouTubeなどに投稿されれば当然、世界中の人々が目にする機会が出てくるが、その番組の内容にショックを受けるケースもあるようだ。


 かつて日本で放映されていたテレビ番組『進ぬ!電波少年』の中で1998年から1999年にかけて放送された長期企画「電波少年的懸賞生活」の内容にショックを受けたTikTokユーザーが、これは“拷問”であり、企画そのものが“病んでいる”とコメントし多くの注目を集めている。


 現在40〜50歳くらいの方であれば当時の番組をリアルタイムで視聴していたという向きも少なくないとは思うが、一度内容をおさらいしてみよう。


 出演希望者を募って行われた抽選に当選した若手芸人の「なすび」は、目的も知らされずアイマスクにヘッドホンを装着させられてワンルームの部屋へ連れて行かれ、そこで「人は懸賞だけで生きていけるのか」というテーマに挑む“懸賞生活”がスタートするのだ。部屋の中にはビデオカメラが設置されて常に録画されている。


 身に着けていたものすべてを没収されて部屋で全裸のなすび氏は、雑誌やラジオで告知されている懸賞にハガキを書いたり電話をしたりと一日中ひたすら応募を続ける“懸賞生活”をはじめることになった。ゴールは当選した商品と賞金の総額が100万円に達することである。


 なすび氏はポッドキャスト番組「This American Life」でこの時の体験を語っている。期間中、アパートのドアは施錠されていなかったということだが、まさか全裸のままで外に出るわけにもいかなかったという。


 この部屋に引きこもって335日間の“懸賞生活”を送った後、なすび氏は賞金総額100万円を達成したのだった。


 しかし話はこれでは終わらず、達成のお祝いで訪れた韓国で数日間の豪華な旅を楽しんだ後、なんと今度は帰国の旅客機のチケット代金を稼ぐためにもう少しばかり“懸賞生活”を続けねばならなかったのだ。



TikToker「人間を拷問したゲームです」

 


 なすび氏は福島県のメディア「Style郡山」のインタビューで「なんで自分だけがこんな事をしなきゃならないんだ。こんな思いをしてるくらいなら死んだ方がマシだ」と実はきわめて落ち込んでいたことを明かしている。


 辛い思い出ばかりであったという“懸賞生活”であったが、それでも目標の金額に近づいてきた頃には嬉しさを感じるようにもなり、懸賞に当たる度になんとか希望を繋いで1年3カ月におよぶ“懸賞生活”をコンプリートしたのだった。


“懸賞生活”を終えた後、なすび氏はあまりメディアに出ない時期もあったが、現在はTwitterなどに定期的に投稿して活動を報告している。


 そして15カ月間にも及んだなすび氏のサバイバル生活の一部始終が、どういうわけなのか最近になって海外の人々にも注目されはじめ、同番組を録画した動画コンテンツが多くの人々に視聴されている。しかし四半世紀前のこの番組の内容は少なくない人々にショックと驚きをもたらしているようだ。


 TikTokerの「sp0uk」氏はこの「これまでで最も邪悪なライブストリーム」についてショート動画で言及し、企画の内容を簡単に説明するとともに「これ(番組)は人間を拷問したゲームです」や「人々は幸福よりもお金を選びます。これはその一例です」と批判している。


 このショート動画に多くの反応があり、少なくないユーザーが番組の内容について否定的な見解をコメントしている。


 なすび氏に同情するあるユーザーからは「現在彼がより良い生活を送っていることを願っています」という書き込みもあった。


 今の世の中ではあり得ないと思われる番組企画の“懸賞生活”だが、それだけに同時代では見ることができないレア映像として特に海外の人々には新鮮に映るということなのかもしれない。その意味ではYouTubeなどが“お宝映像”の宝庫と呼べる側面も確かにあるのだろう。



参考:「LAD Bible」ほか

tocana

「なすび」をもっと詳しく

タグ

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ