企業の6割「賃金改善あり」 - 業界別に見ると?
2025年2月21日(金)7時3分 マイナビニュース
帝国データバンクは2月20日、2025年度の賃金動向に関する企業の意識調査の結果を発表した。同調査は、2025年1月20日〜1月31日の間、全国の企業1万1,014社を対象に実施したもの。
はじめに、2025年度の企業の賃金動向を尋ねたところ、正社員の賃金改善(ベースアップや賞与、一時金の引き上げ)が「ある」と見込む企業は61.9%となった。4年連続で前の年を上回り、2006年から調査を開始して以降、初めて6割を超える結果に。
一方で、「ない」とする企業は13.3%と調査を開始して以降で最も低く、前回調査(13.9%)から0.6ポイント低下して過去最低を更新したという。
賃金改善の状況について企業規模別にみると、「大企業」「中小企業」「小規模企業」の3規模すべてにおいて、前回調査の2024年度見込みから賃金改善の割合が上昇した。また、100人以下の企業では賃金改善を実施しない企業の割合がいずれも昨年より減少しており、従業員数が21人以上の企業では、賃金改善がない企業はいずれも1割未満にとどまったという。
業界別にみると、「製造」(67.3%)が最も高く、「建設」(66.0%)、「農・林・水産」(65.3%)、「運輸・倉庫」(65.0%)と続いた。最低賃金の引き上げに対応するほか、2024年問題に直面したトラック運送業界や建設業界などでは、賃金改善を実施する企業の割合が昨年より高まったという。
賃金改善の具体的な内容についてみると、「ベースアップ」が56.1%(前年比2.5ポイント増)、「賞与(一時金)」が27.4%(同0.3ポイント減)となった。「ベースアップ」は過去最高となった前年の53.6%を上回り、4年連続でこの質問を開始した2007年以来最高を更新した。
2025年度に賃金改善が「ある」企業にその理由を尋ねたところ、人手不足などによる「労働力の定着・確保」(74.9%)が最も高い結果に。次いで、「従業員の生活を支えるため」(62.5%)であった。