フランチャイズで失敗しないためには? 失敗事例7つと回避するための重要ポイントを解説

2024年2月22日(木)17時4分 マイナビニュース

フランチャイズに加盟すると、すでに成功している事業の経営ノウハウが活用でき、本部からのサポートを受けられるというメリットがあります。そのため、フランチャイズは初めての起業でも挑戦しやすい独立・開業方法ですが、ビジネスである以上、必ず成功できるとは限りません。
では、フランチャイズではどのような失敗が起こり得るのでしょうか。ここでは、主な失敗事例とともに、失敗を少しでも回避するための重要ポイントをご紹介します。
■フランチャイズ、開業から2年後の廃業率はどのくらい?
ビジネスを始める時には、「どのくらいこの事業を続けられるだろう」「数年後、自分は生き残っているだろうか」と誰もが気になるものでしょう。だからこそ、本部のノウハウやブランド力、サポートが活用できるフランチャイズに加盟して成功したい、と考える人は多いかもしれません。
しかし、日本商業学会によると、開業から2年後の廃業率は、個人で独立開業した場合が7.8%であるに対し、フランチャイズで開業した場合は14.4%と2倍近く高くなっています(日本商業学会『流通研究』第8巻第3号(2006年))。
また、一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会の「フランチャイズ統計調査」によると、日本国内のフランチャイズ店舗数(直営店と加盟店の合計)は2022年度時点で24万9,316店舗で、2021年度より972店舗減り、3年連続で減少しています。
こうした数字を見ると、「個人で独立するより廃業率が高いし、フランチャイズでの開業はやめた方がいいかもしれない」と思ってしまいますが、フランチャイズに加盟することで得られるメリットは多いですし、加盟して実際に成功している人が大勢いることも事実です。
大切なのは、「なぜフランチャイズに加盟しても廃業してしまうのか」、その原因をよく理解することでしょう。では、フランチャイズにおける失敗には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
■フランチャイズでよくある失敗事例7つ
1.かかる資金の見積もりが甘かった
フランチャイズによる開業で最も多い失敗は、見積もりが甘く資金不足に陥ってしまうことです。フランチャイズに加盟する際は、加盟料や保証金、店舗の敷金や工事費などの初期費用がかかりますが、この初期費用が「思いのほか多くかかってしまった」という失敗は少なくありません。
一方、初期費用に気を取られ過ぎてしまい、人件費や光熱費などのランニングコストを軽視してしまったというケースも見られます。
いずれにしても、資金不足に陥ってしまえば、店舗運営に必要なお金が払えなくなり、ビジネスを続けていくことは難しくなってしまいます。フランチャイズでは特に、売上金からロイヤリティの支払いもありますので、初期費用はもちろん、ランニングコストもしっかりと計算し資金を備えておく必要があります。
2.知識や経験が不足していた
フランチャイズの失敗は、オーナー自身の知識や経験が不足していたために起こることもあります。
フランチャイズは、本部のマニュアルに従えばきちんと経営できる仕組みになっていますが、それでも、オーナーに経営者としての知識が備わっていない場合、店舗運営がうまく行えない場合もあるでしょう。また、「未経験歓迎」や「経験不問」を謳うフランチャイズでも、やはりその業界の経験があったほうが円滑な運営には有利です。
未経験の業界に参入する場合は、本部の研修やサポートを活用しつつ、あらかじめ知識を身に付け、経験者にアドバイスをもらうなど、できる限りの努力をしましょう。さらに、経営者としての自覚を持ち、自分で経営を学んでいく姿勢も欠かせません。
3.契約内容をよく確認しなかった
フランチャイズに加盟する際には本部と「フランチャイズ契約」を結びますが、この契約内容をよく確認せず失敗してしまうケースもあるため、注意が必要です。
たとえば、「競業禁止条項」の見落としです。競業禁止条項とは、フランチャイズ加盟者に、本部と同種あるいは類似の事業を行うことを一定期間制限させるもので、本部との契約期間中のみならず、加盟終了後の1〜3年間も対象になる場合があります。
また、契約期間中の解約にも気を付けましょう。思うように売上が上がらず契約解除したくても、本部の決めた契約期間中に解約してしまうと、違約金がかかるところが多いからです。さらには、知名度があることなどを理由に、業界の相場より高いロイヤリティを設定している本部もあります。
契約内容をよく確認しないと、見落としがあって後から困ったり、不利な条件に気づかないまま契約してしまったりします。加盟する際の契約書は隅々まで確認し、不明点があれば担当者に問い合わせるなどして不安や疑問を残さないようにしましょう。
4.ブームが去って収益が得られなくなった
一時の流行に乗ってフランチャイズに加盟し事業を始めてみたものの、ブームが去ったことで収益が得られなくなってしまった、という失敗も少なくありません。一時的に爆発的な売上が得られても、ブームが終わってしまえば事業を続けるのが難しくなり、廃業せざるを得なくなってしまうケースもあるでしょう。
特に、急速に売上が伸び、店舗を拡大する場合はリスクが大きいと言えます。ブームが終わる前に店舗拡大にかかった費用が回収できないと、大きな赤字が残り、閉店を余儀なくされてしまいます。
事業を長く続けていくには、一過性の流行に飛びつくのは避けましょう。ブームに乗って開業するのも一つの方法ですが、その場合、その後の展開についてもしっかり計画にしておくことが欠かせません。
5.本部に頼り過ぎてしまった
フランチャイズに加盟すれば、加盟後は本部に何もかも任せられると勘違いしている加盟希望者は多いものです。確かに、「手間のかかる業務は本部に任せられる」「開業したら、オーナーはほとんど何もしなくていい」というフランチャイズ本部も中には存在します。
しかし、店舗の経営者はあくまで加盟店オーナーであることを忘れてはいけません。本部に頼り過ぎず、現場をよく見て、自分自身で経営の判断ができるよう努力する必要があるでしょう。
ただし反対に、本部のアドバイスを聞かず、一人で突っ走ってしまい失敗するケースもあります。フランチャイズ本部には、これまで培ってきた多くのノウハウが蓄積されており、それらはとても有益なものです。
ロイヤリティを支払うことで、そのノウハウを活用できるのがフランチャイズに加盟する一番のメリットですので、本部のサポートやアドバイスを上手く取り入れながら、経営者としても努力するというバランスを大切にしましょう。
6.加盟先のリサーチが足りなかった
加盟するフランチャイズのリサーチが足りず、あまり評判の良くないフランチャイズに加盟してしまった、という失敗の声を聞くこともあります。たとえば、
・サポート体制が手薄で、経営に行き詰まってしまった
・加盟店への態度が高圧的でコミュニケーションが取りづらい
・ロイヤリティの負担が重過ぎて、経営を続けるのが困難
などのケースです。加盟先に関しては、公開されている情報を確認するのはもちろんのこと、できればすでに加盟している先輩オーナーからの口コミや評判なども積極的に集めるようにしましょう。
また、本部の知名度やブランド力が低いために、集客に苦労するという失敗談もあります。本部の中には加盟希望者へのアピールがうまく、表面上は魅力的に見せているところも存在しますが、それにとらわれず、実際の知名度やブランド力を冷静かつ客観的に把握することが大切です。
7.激務で体調やプライベートに支障が出てしまった
開業後、人件費削減のためにオーナーが働き過ぎ、体調を崩したり、家族との時間が持てなくなったりしてしまった、という失敗もあるようです。
開業すると、本業の業務以外にもやることはたくさんあるため、オーナー自身が業務も兼任する場合は、どの業種でも長時間労働になる可能性があります。長時間労働が懸念される場合は、人件費が発生しても、オーナーは経営に集中するといった体制をあらかじめ考えておく必要があるでしょう。
■フランチャイズで失敗しないためには
フランチャイズで事業を成功させるには、失敗事例を知るだけでなく、「どうしたらこうした失敗を避けられるのか」という点についても把握しておかなければなりません。フランチャイズで失敗しないために特に重要な対策を4つ、ご紹介します。
1.徹底的にリサーチしておく
「評判の良くないフランチャイズに加盟してしまった」「加盟後、知名度やブランド力の低い本部であることに気付いた」といった失敗は、事前に徹底的なリサーチをしておくことで回避できます。また、フランチャイズ本部そのものだけでなく、業界の将来性や市場規模なども把握し、そもそも長く続けられる事業なのかも確認しましょう。
本部について調べる時は、説明会に足を運ぶ、お客さんとして商品やサービスを体験する、口コミを多く集めるなど、あらゆる手段で情報を入手し、複数の本部をよく比較しましょう。
2.サポート体制の充実した本部を選ぶ
業界初心者の方は特に、サポート体制の整ったフランチャイズ本部を選ぶといいでしょう。サポート体制が充実していれば、安心して事業に挑戦できますので、どのようなサポートが受けられるのか、どのくらい手厚いサポートなのか、本部ごとによく確認しましょう。
また、開業後のサポートはもちろん大切ですが、開業前に事前研修や資金計画書作成サポートなどがあるとより安心できます。
さらに、サポート体制に甘んじず、オーナー自身も経営者としての自覚を強く持てば、事業を成功させられる可能性が高まります。
3.多めに資金を準備しておく
資金面での失敗を防ぐには、想定よりも多めに資金を準備しておきましょう。フランチャイズの力を借りたとしても、ビジネスを軌道に乗せるにはある程度の時間がかかります。まずはしっかりと初期費用やランニングコストを見積もり、そのうえで半年程度の運転資金は確保しておくのが安心です。
また、助成金や補助金について情報収集を行い、これらも賢く活用しましょう。
4.初期投資の少ない本部を選ぶ
失敗するリスクを抑えるには、そもそも初期投資が少ない本部を選ぶのも大切なポイントです。開業にあたって多めに資金を準備することは欠かせませんが、開業にはさまざまな費用がかかり、不測の出費が発生する可能性もあります。
そこで、初期投資の少ない本部を選べば、開業資金を貯めるのに時間がかかりませんし、仮に事業がうまくいかなくても、資金を回収する負担はそこまで大きくならずに済みます。
■知らなかったことで起きる失敗は、未然に防げる
ビジネスに失敗はつきものですが、それはフランチャイズに加盟する場合も変わりません。しかし、フランチャイズにおける失敗事例を知り、その対策まで把握しておけば、「知らなかったことで起きる失敗」は未然に防ぐことができます。あらかじめ準備や対策をしっかりと行い、フランチャイズで得られるメリットを最大限生かして事業を成功に導きましょう。
武藤貴子 ファイナンシャル・プランナー(AFP)、ネット起業コンサルタント 会社員時代、お金の知識の必要性を感じ、AFP(日本FP協会認定)資格を取得。二足のわらじでファイナンシャル・プランナーとしてセミナーやマネーコラムの執筆を展開。独立後はネット起業のコンサルティングを行うとともに、執筆や個人マネー相談を中心に活動中 この著者の記事一覧はこちら

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