「哲学の毒」を哲学ナビゲーター・原田まりるが語る! 哲学が分かれば尾崎豊が分かる!?

2月23日(金)7時0分 tocana

(文・写真=松本祐貴)

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 男装アイドルユニットのメンバーとして活躍した原田まりるが作家・哲学ナビゲーターに転身!! その人生哲学をうかがった。

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——まず原田さんが哲学に興味を抱いた理由は?

原田 私は高校時代から歌手の尾崎豊さんのファンでした。彼の歌詞の中に「生きる」「自由」という単語が出てきて「このような問いへの答えは何を勉強したらいいんだろう」と気になったんですね。その時たまたま哲学者の中島義道先生の本を読み「尾崎の言っていることは哲学を勉強すればわかるかも」と知ったのが始まりです。

——哲学といっても広いですが、どの辺りが一番好きですか?

原田 実存主義系が好みですね!

 私は哲学をよくアイドルグループに例えて説明するんです。哲学界がアイドル業界全体だと思ってください。するとAKBやももクロがいて、それぞれのグループで世界観が違います。そのアイドルの特色や時代が、哲学でいう●●主義と思えませんか? だから、●●主義の中で、アイドルでいうところの“推し”(お気に入り)=“推し哲”を決めると楽しいですよ。

——哲学って難しいイメージですけど、アイドルにたとえるとわかりやすいですね。ちなみに原田さんの推し哲は?

原田 私は19世紀デンマークの哲学者セーレン・キルケゴール推しです。ほかの推しは、この本にも多く掲載したアルトゥール・ショーペンハウアー、J・スチュアート・ミル、あたりですかね〜。

——『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』という著作もありますが。ニーチェは推さないの?

原田 ニーチェはアイドルでいうところのセンター性がありすぎて……。私はセンター性があってキラキラしてる人より、端の方や若干暗い人の方が好きです(笑) 実際にアイドルでもそういう人を推すんです。ニーチェは自分じゃなくても、誰かが推してくれる。

——そもそもアイドルのころから哲学にも興味はあったんですよね?

原田 もともと作家になりたいと思っていて、アイドル活動をしていたころから文芸の賞に応募したりしていましたね。最初の本のオファーがきたとき、作家活動に専念しようと芸能事務所を辞めたんです。人生の岐路では損切りすることが大事と学びました!

——今回『まいにち哲学』を出そうと思ったキッカケは?

原田 最近は哲学ナビゲーターとして知られてきて、周りの方からも、気持ちが楽になったり、悩みが消えるような哲学はないかと相談されることが増えました。そんなときに哲学を知らない人でもハッとする言葉をいつでも読めればいいなと思ったんです。

1日ひとつの哲学格言なら、カジュアルに哲学に触れることができるし、それで悩みが解決できたり、気持ちが楽になってくれたら嬉しいなと思います。

——格言を選ぶときの基準はどんなものですか?

原田 現代の人に刺さる言葉を意識しましたね。逆に、英米の分析哲学系はほぼ除外しました。また、それぞれの哲学者の格言の解説をポエミーにしないように気をつけました。

——分析哲学?

原田 たとえば、分析哲学の一分野である言語哲学を噛み砕くとですね。「寒いね」という言葉には異なる2つの意味があると捉えて、ひとつは字義通り「寒い」を伝えている意味と、もうひとつは「寒いから暖房をつけよう」という意味があると考えたりするんですね。

 そういう哲学からも、いくつか格言を選んでみたのですが、これを知ったところで生活の悩みは解決できないだろうし、「これは読者層が求めているものとは違うぞ」と思い直し、外しました(笑) 哲学者の名でいえば、イギリスのジョン・L・オースティンなどが言語哲学系ですね。有名なルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインも言語哲学系に分類されることがありますが、知りたいと思える格言を語っている言語哲学者は彼ぐらいでしたね……。

——本書に掲載されなかった哲学格言で「これは……」と思うひどいものはありましたか?

原田 格言にもなっていませんが、ニーチェは女性に対して結構辛辣で……。ニーチェの言葉は、ソフマップを背景にしたグラドルに「チェンジ」と言うのと似たルサンチマンを感じました。「女は黙って黒い服を着ていれば、賢くみえる」みたいなことを書いてるんですよ。ニーチェはひどい(笑) ただ黒い服はよく着ています(笑)

——でも、本書もポジティブな格言だけではないですよね。

原田 結構キツイ言葉があるかもしれませんが、それも哲学の毒として楽しんでもらえればいいと思っています。

 複数の出版社さんから「あなたはそのままで大丈夫という、ポエミーで柔らかい哲学の本を出しませんか」というオファーが来るんですが、哲学にはそんな言葉がないので(笑)

 でも、本書は占いや音楽を聞くぐらいの感覚で、触れてもらえればと思います。私もなにかにつまずいたときは、哲学書で心を慰めてきたので……。カバーがカレンダーになっているので、トイレに張るような使い方もできますよ。
(文・写真=松本祐貴)

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