そして誰もいなくなった 閉鎖直前「阿佐ヶ谷アニメストリート」の寂しすぎる現状

2019年2月25日(月)20時0分 Jタウンネット

「A−1 Pictures」や「パインジャム」といったアニメ制作会社が多くある東京・阿佐ヶ谷。2014年3月、ここに鳴り物入りでオープンしたのが「阿佐ヶ谷アニメストリート」だった。


それから5年。阿佐ヶ谷アニメストリートは19年2月28日に営業を終了する。定期借地契約の終了に伴うものだ。


終了まで後3日と迫った2月25日、筆者が現場に向かうと、そこには悲しすぎる光景があった。


活気があるのは「トイレ」だけ


阿佐ヶ谷アニメストリートはJR中央線の阿佐ヶ谷駅と高円寺駅の間にある。駅から続く高架下の商業施設の1つであるが、残念ながらあまりにぎわっているとは言えないようだ。


筆者が阿佐ヶ谷に着いたのは25日の13時ごろ。埼玉の田舎者である筆者がここに来るのは初めて。駅からアニメストリートの間にはJR東日本の商業施設である「ビーンズ阿佐ヶ谷」とゴールドストリートが高架下にある。そのため少し駅から離れた立地だ。


高架横を通りながら向かった。Googleマップをところどころで確認しながら目指したが、なかなか着かない。いったい、どういうことだ?


いま一度チェックすると既に入り口を通り過ぎているらしい。そこで地図を見ながら進むとそこはあった。


これが商業施設なのか——わが目を疑うほど暗く賑わいどころか人もいない。


仮にも営業終了前だが、信じられないほどの不気味さを放っている。聞こえるのは近くの工事の音だけだ。


廃墟というには建物がボロボロになっておらず、夜な夜な不良が集う街の裏通りのような雰囲気に近い。


中を進むといきなり出迎えるのがホコリで汚れた垂れ幕。屋外のためこうした汚れが付きやすいのはわかる。しかし、暗いアニメストリートの空気を象徴するような姿なだけについ撮ってしまった。


真っ暗な空きテナントの前にもホコリまみれのポストを発見。この場所に店があったのはいつが最後だったのか。


最初に訪れたときから多少時間が経ったが、人の往来が増えてきた。どうやら住民が通り道として使っているらしい。空きテナントだらけの施設を誰も振り向くことなく通過していった。


ドアにゴシック調の装飾が施された空きテナント。ただでさえ暗く不気味なのにこのドアは中を覗く勇気を剥ぎ取った。ここに入ったら二度と出られない気がする。


ストリートの一角にはかつて「シカバネ〜恐怖のかくれんぼ〜東京阿佐ヶ谷編」というリアルホラーゲームアトラクションがあった。ここかと思ったが、まったく違うスペースらしい。その事実が、より恐怖を助長させる。


入り口からかなり進んでいるが明かりのついたスペースが全くない。どこを覗いても、もぬけの殻だ。


公式サイトを見るとかなりのテナントが準備中と表示されている。また、テナント情報がサイトに載っている場所であっても空だ。いつ、いなくなってしまったのだろうか。サイトの更新も止まっているようで、わからない。


奥まで進むと唯一あかりが付いた場所を発見。営業中なら入ってみようとも思ったが、撤去作業の最中だった。


唯一立ち入れたのは最深部にあるトイレのみ。ここはお年寄りや工事の業者の人に利用されており、人の出入りもあったため撮影は避けた。一番活気があったのはここかもしれない。


トイレだけでアニメストリートは終わってしまうが、公式サイトのイメージ画像と合致している部分が何一つない。壁の白さも賑わいも明るさも一体どこへ行ってしまったのだろうか。


「惜しまれて営業終了」とは、お世辞にも言えないかもしれない。一応は営業終了前にも関わらず全てが姿を消していて、稀有な空間になっている。

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