マスク盗難対策で、宅配便に「ウソの品名」 これって問題ない?日本郵便に聞いた
2020年2月25日(火)17時28分 Jタウンネット
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、マスクの品薄が続いている。花粉症の季節も到来し、マスクの需要は高まる一方だ。
そんな中、あるツイッターユーザーの元に、実家にいる両親からマスクが届いた。しかし伝票の品名欄にはなぜかこんな記載が。
「くつ下」——中身はマスクだが品名にはこう書かれている。悪いことをしているわけでもないのに、なぜ偽る必要があるのだろうか。
投稿主の和華(@waka_tn)さんは、伝票の写真とともに以下のように投稿している。
「実家の両親が心配してマスクを送ってくれたのだけれど、このご時世だからと盗難を恐れた父の案により賄賂感ただよう荷物が届いた」
万が一にもマスクがどこかで盗まれてしまわないよう、品名を「くつ下」にしたというのだ。
こうした投稿は1万件以上のリツイート、6万件を超える「いいね」が寄せられるなど、大きな注目を集めている(2020年2月25日夕時点)。Jタウンネットは、投稿主の和華さんに詳しい話を聞いた。
和華さんの実家は飲食業を営んでおり、衛生管理の目的で常にマスクのストックがあったとのこと。事前に連絡し、50枚入りのマスクを送ってきたそうだ。
和華さんは両親による「くつ下」の表記について、
「『衣類』や『布製品』等の記載で良かったのではないかと思いましたが、娘を笑わせたい一心で考えたのだとすぐわかりましたし、面白かったので思わずツイートしました」
と話している。
「衣類や布製品、ガーゼという記載でも...」
いくらマスクが入手困難とはいえ、ここまでする必要はないのでは?と思う人もいるかもしれない。しかしツイッターでは和華さんの投稿に対し、
「同じことを考えた義母、しかし郵便窓口で軽すぎると指摘され、渋々本当のことを書きました」
「うちも祖母から手ピカジェル送ってもらった時に果物と書いてあり、『この人はどこまで他人信用してないねん・・・』とドン引きしていたのですが、ここのコメ欄見てると考え方が変わりました、、」
「わかります!我が家も遠方の息子2人にマスクを送る際、食品に紛れ込ませて『缶詰、スープ、ラーメン』と品名を書いて送りました」
といった声が寄せられている。同じようなことを実践している人は複数いるようだ。
両親の気遣いにより生まれたマスクの斬新な送り方だが、リプライ欄では品名を偽ることに対して疑問の声も上がっている。そのため「衣類」や「布製品」の表記がいいのでは、との意見もあるが...。
実家の両親が心配してマスクを送ってくれたのだけれど、このご時世だからと盗難を恐れた父の案により賄賂感ただよう荷物が届いた。 pic.twitter.com/p7dA8zUL2d
- 和華 (@waka_tn) February 22, 2020
Jタウンネットが25日、今回の件について日本郵便の広報担当に聞いてみると、
「国内郵便においては、衣類や布製品、ガーゼという記載でも嘘ではないと思います。しかし飛行機に搭載できるかどうかや、日本郵便の約款に抵触してないかという確認をしているので、正確に書いていただきたいです」
とのこと。
衣類、布製品という表記も間違いではないが、推奨はしていないそうだ。国際郵便の場合は関税対象になるかどうかなどの確認がさらに厳しくなり、中身を正しく書かないと相手に届かないケースもあり得るという。
また中身と違った品物を書いてしまうと、利用者自身が困る可能性も。
「ゆうパックの場合は保証が付いているんですが、荷物がなくなってしまった場合、(送り状の品名に)中身と違うものが書かれていると、保証ができなくなってしまうことがあります」(日本郵便・広報担当)
マスクがちゃんと届くか心配かもしれないが、万が一の場合を考えてここは正直に書いた方が良さそうだ。