「幼い息子と乗った通勤ラッシュの新幹線。泣き始めたのでデッキでしゃがんでいると、スーツの男性が...」(群馬県・30代女性)
2022年2月26日(土)8時0分 Jタウンネット
その人は知らない間にさっと降りていました——。
群馬県在住のJタウンネット読者・Tさん(30代女性)から、10年ほど前、新幹線に乗車した時の思い出が編集部に寄せられた。
空席が見当たらず、3歳の息子と2人でデッキに立っていたTさん。通勤ラッシュの時間帯で、周りにも座れなかった会社員がいたという。
しばらく揺られていると、息子が疲れからグズりはじめてしまった。
そのため周囲に迷惑が掛からないよう、彼女が息子を抱いて端っこにしゃがんだところ......。
スーツを着た男性が「こちらに来てください」と声をかけてきたという。
「ぐずっていたのが煩わしかったかな?」
今から9年ほど前、3歳の息子と2人で新幹線に乗ったときのことです。
東京の病院で受診の予定があったので、朝から新幹線に乗らなくてはいけませんでした。しかし朝の通勤ラッシュと重なり席に空きもなく、車両と車両の間にあるスペースで他の会社員の人たちと一緒に立つことに。
しばらくすると子供が立ち疲れてしまいぐずりだしたので、迷惑にならないよう抱っこをして端のほうでしゃがんでいました。その時スーツを着た男性が
「こちらに来てください」
と私たちに声をかけました。
もしかしてさっきぐずっていたのが煩わしかったかな?邪魔だったからどかされるのかな?
通勤時間帯の新幹線に乗らなければ良かった——私はそんな、暗いことばかり考えながら男性について行きました。
これから仕事で大変なはずなのに
2両先の車両まで移動すると男性は、こう言いました。
「こちらの席が空いていたのでどうぞ」
ご自身もこれから仕事で大変なはずなのに、彼はなんと空いていた席を私たちに教えに来てくれたのです。
降りるときにまたお礼を伝えたかったのですが、その人は知らない間に降りられていました。
その頃は育児が大変で、子供ががぐずれば周りの人に嫌悪感を抱かせてしまって申し訳ないとマイナス思考になってしまうことが多く、自分にも余裕が持てませんでした。そんなときに優しく手を差し伸べてくれて、本当に心が救われました。
大きくなってから息子にもこんな素敵な人がいたんだよと話して聞かせています。
もうすぐ中学生になる息子も困っている人に手を差し伸べられる大人になれるようまだまだ子育て頑張ります。
あのときのスーツの男性に、ありがとう。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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