「焼き場から帰るバスの中、夫の遺骨を抱いて泣き続けた私。同乗していた葬儀屋のおばさんがそれを見て...」(北海道・40代女性)

2023年2月26日(日)11時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Kさん(北海道・40代女性)

11年前、Kさんの夫が闘病の末に亡くなった。焼き場からの帰り道、骨になった夫を抱いて乗ったバスで、彼女は泣き続けた。

すると、前に座っていた葬儀会社の女性が社員、意を決したように彼女を振り返って......。

<Kさんの体験談>

11年前に、夫が癌で亡くなりました。まだ32歳でした。

3年の闘病の末である程度覚悟はしていたものの、亡くなった前後の記憶は曖昧です。それでも、告別式の後、焼き場から葬儀場に戻るバスの中での出来事は、今でも覚えています。

「泣かないと約束して」

骨になった夫を抱いて、私はずーっと、シクシク泣いていました。当時4才と8才だった娘たちも、どうしていいかわからず、ただただ大人しくしていました。

すると1番前に座っていた葬儀屋のおばさんが、急に意を決したように振り返り、こう言ったのです。

「バスを降りたら泣き止みなさい。小さい子供たちの、これからの為に。
バスの中ではいっぱい泣いていいから。バスを降りたらもう子供たちの前では泣かないと約束して」

そしておばさんは、「これからいっぱい大変な事があると思うけどきっと大丈夫。子供たちがいるから大丈夫」と言って、私の肩を何度もさすってくれました。

あの時、私はおばさんに「ありがとう」もお伝え出来ず、ただただ泣いていました。

今、あらためて、心からありがとうと伝えたいです。

11年が経ち、大変なこともいっぱいあったけど、なんとか生活してきました。上の娘も、成人式を迎えることが出来ました。

あれから子供たちの前では泣いていません。仏壇の前で、1人で泣く事はあったけれど......ちゃんと、おばさんとの約束を守っています。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko[@]j-town.net、[@]を@に変えてお送りください)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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