婚活「高望みしてないのに成功しない」はスペック下げで解決するか
2025年2月27日（木）6時0分 大手小町（読売新聞）
恋人と別れました。
交際期間１年９か月。付き合ってすぐ別れるのとそこそこ付き合って別れるのと、どっちが
楽しいこともいろいろあったので、付き合っていた期間に対する後悔はありません。現在私を支配する第一の感情は……「またなんらかのアクションを起こさねばならないのか」という疲労！
もう恋愛とか結婚とかいいや……と完全に割り切れたらいいのですが、まだそうも決められない。しかし恋愛したい！ 結婚したい！ という意欲に満ち満ちているわけでもない。「私って結婚したいんだっけ」「子供、本当に欲しくないんだっけ」人生のライフステージに対する自分の希望というのを改めて問い直し、また恋人を探すのかどうか、どんな恋人を探すべきなのか、ぐるぐる考えています。
もうすぐ36歳。欲しいものは能動的に行動しないと手に入らない。そして能動的に行動しても、相手に求める条件がきちんと詰まっていないとうまくいかない。
私の場合、年収や職業などへのこだわりはゼロなのですが、「好きになれる、気の合う人」の範囲が狭く、かつ、親密な交際に向いていない人を好きになってしまう（まあ私自身もあまり向いてないのですが）ので、長続きすることが
はー、空から気の合う相手が落ちてこないだろうか……36歳の誕生日に「3年付き合って結婚間近の彼氏」もらえないかな……などと、ふざけたことを考えてしまいます。
我が身の今後が不透明すぎる今日この頃、こんなトピを読みました。「高望みしてないのに婚活が成功しません」。現在36歳の女性、れほさんによるトピです。
れほさんは、結婚がしたいという意志を持つ女性。しかし、自分から好きになった人と付き合えたことはなく、男性からアプローチされたことはない。
「大卒以上で、安定した職に就いていて、平均年収位あればいいんです。
身長も、平均身長位で、不潔な人とか、生理的に受け付けない人なら大丈夫です。
性格は、誠実で、優しくて、私を好きになってくれればそれでいいんです」
というれほさんは、発言小町で、自分に相手ができない理由を問いかけます。
うーーー、仲間感を持ちながら読み始めましたが、これはつっこみどころが、ありまくる。まず、れほさん自身のスペックは「平均」ではない。それにより、「平均」の人を求めても「高望み」な状態になっている。というのを、レスをつけた皆さんがあの手この手で指摘します。
追加コメントを読むとれほさん、20代の頃にお見合いや職場で出会ってフラれた相手への恨みがあり、どうやらその人々に近いスペックの人を求めてしまうのだとか。またれほさん自身は「嫌われ系不細工」なのだと分析しています。うう、自分をこんなふうに書くことが、客観性になってしまうの、しんどいですね。そして自分自身のことをそう評しつつ、相手には、人並みの見た目や身長を要求してしまうことも。
結局れほさんは、身長と年齢の条件を緩めることで、お見合いはセットできるようになったそうです。よかったよかった。しかし文章からどうしても感じられてしまったネガティブオーラが、かなり心配です。すでに「条件を下げた相手」のことをなんとなく軽んじているように見えるからです。そして結局、れほさんの、他者を値踏みする感じは、ご自身が散々値踏みされて、大切にされず、傷ついてきたからなんだろうなと思います。
愛や自己肯定感は、異性や結婚でだけ満たされるものではありません。むしろそこの土台を自分で作っておかないと、そこから先がうまくいかないことが多い。相手に対する条件を緩めることも大事ですが、まず「自分を好きになる」ことが最優先課題のように感じました。あと家計だって、ダブルインカムだから安定するとも言い切れない。１人が働けなくなったら２人分支えないといけないし……。なんかもっと、「必要なのは結婚なのか？」を疑う社会でもいい気がするんですけどね。
とはいえ、へこたれずに欲しいものを手に入れようとしているトピ主を見て、私も私で、求めているものを考えさせられたのでした。（文筆家・ひらりさ）
「ひらりさのトピ探訪」は、発言小町に日々寄せられるトピの中から、ひらりささんが共感できるトピや展開が気になるトピを取り上げるエッセーです。
【紹介したトピ】▽高望みしてないのに婚活が成功しません
