内航船員との出会いパーティー、徳島で開催 - 「船乗りとの婚活」企画の狙いは?

2025年2月28日(金)16時0分 マイナビニュース


「ロケットや新幹線を運んだりしますね」「大きな船にはコックさんがいて……」そんな話題で盛り上がる、船乗りとの出会いパーティーが徳島で開催されました。
2月9日、徳島県徳島市にて開催された「内航海運コラボ企画 船乗りとの出会いパーティー」では、国内貨物の海上運送に従事する内航船員の男性と、事前に船員の働き方を理解している女性、計19名の男女が参加。お互いの理解を深めながら、和気あいあいとした雰囲気のパーティーが行われました。
「船乗りとの出会い」にフォーカスした婚活イベントを主催したのは、四国地方海運組合連合会 青年部。なぜ開催したのか、またどのような狙いがあるかを取材しました。
船乗りとの出会いパーティを開催
今回行われた「内航海運コラボ企画 船乗りとの出会いパーティー」は、船員の認知度向上と女性に向けて魅力をPRするプロジェクトの一環として開催されたそう。しかしなぜ「出会いパーティー」なのでしょうか?
国内の港から港へ荷物を運ぶ「内航海運」の仕事や船員の仕事は認知度が低く、人材確保が業界の大きな課題になっています。また、船上が主な仕事場である船員の仕事は、目にする機会も少ないもの。そのため船員を志望する方にとどまらず、一般の方にも認知を高める必要があります。
今回の出会いパーティーは、船員という仕事の特徴や、結婚相手としたときにどのような魅力があるかを一般女性やその家族に向けてPRしたいという考えから、四国地方海運組合連合会青年部と、徳島でブライダルや婚活支援を手掛けるときわグループがコラボして企画されました。さらに、忙しく出会いの機会が少ない船員への福利厚生という面もあるようです。
参加者は、男性船員9名(1名欠席)と女性10名。女性は地元・徳島から参加する方が多い一方で、全国の港から港へ荷物を運ぶ船員という仕事の特性上、男性は全国から集まっています。
パーティーの前半は、男女2名ごとに着席して自己紹介とテーマトークをしていきます。「好きなお菓子」「学生時代に打ち込んだこと」「あなたの宝物」など、話しやすく人となりがわかるテーマばかり。
最初は緊張していた参加者も、テーブルを交代し、結婚式場でもある「ザ・パシフィックハーバー」のシェフが腕によりをかけたコース料理を楽しみながら話していくなかで、次第に打ち解けていったよう。
今回のイベント開催にあたり、船員の男性は「出会いパーティーが上手くいくコツ」を、また女性は「船員の仕事」のレクチャーを受けていたそう。勤務先は船の上、2〜3ヶ月乗船して20〜30日休む勤務パターンが多い船員の仕事は、知っていないと馴染みのないものかもしれません。場合によっては、お付き合いを始めてから「思っていたのと違う……」というミスマッチが起きてしまうことも。女性側は事前に資料を視聴して船員の仕事内容を理解したうえで参加していることもあり、船上での食事はどうしているか、長期の休みで何をしているかなど、相手が船員ならではの話題も飛び交いました。
前半の最後は「連想ビンゴ」。16×16マスの用紙に「2月」「内航船」のテーマで連想するワードを書いていきます。「2月」といえば、節分、バレンタイン……とどんどん思いつくものの、「内航船」に関するワードは船員の男性たちがリードしている様子。
「海」「貨物船」といった皆が知っている言葉から、「仮バース(接岸して取得する休日)」「海技士試験(大型船舶に船舶職員として乗るために必要な試験)」とちょっと専門的なものまで、グループで協力しながら大いに盛り上がりました。
後半は男女ごとに1対1で全員と話し、より理解を深めていくパートも。相手に価値観や考え方を伝えつつ、最後に「いいな」と思った方を運営に伝えることで、自分に好意を持ってくれている相手の連絡先をもらったり、気になる相手に自分の連絡先を伝えることができます。今回の出会いパーティーでは、互いにいいなと思い合う方がなんと6組12人も! 短い時間ではありましたが、貴重な出会いのきっかけになったようです。
「結婚相手」としての船員の魅力とは?
パーティーを通して、出会いは始まったばかり。これからの進展も気になるところですが、今回「船乗りとの出会いパーティー」を企画した経緯を伺いました。
内航船業界の認知度も上げるプロモーションと、未婚率が高い傾向にある船員に出会いの場を支援する福利厚生、業界と働き手の双方にメリットをもたらす今回のイベント、「結婚相手としての船員」はどのような魅力があるのでしょうか。
三洋汽船 代表取締役社長 渡辺慶太氏は、「内航船員は、『30歳で家が建つ』と言われるほど平均年収が高く安定した傾向にあります。2〜3ヶ月船上で働いて20〜30日休む勤務のペースが多いですが、その一方で勤務地に縛られないため、妻の実家近くに住み、父母の手を借りながら子育てできる環境をつくれることもメリットですね。」と語ります。
内航海運業界、また船員の仕事はまだまだ一般的な認知をされていないと渡辺氏。「しっかり稼いで安定している仕事」「Uターンで地方移住した際も稼げる仕事」と女性に知ってもらうことで、"結婚したい職業"と意識してほしいという狙いもあるそうです。
そして今回のパーティは、婚活支援のプロとして、徳島の地域に根差した婚活支援サービス「ハローマイウエディング」を運営するときわグループとコラボした企画でした。
bpブライダルプランニング チーフ 三間明子氏は今回のコラボについて「ときわグループにとっても、内航海運業界と組んでの出会いパーティーは初めての試み。私たちも新たな可能性が広がりますし、船員さんを支援したいという船主さんたちの熱い想いを感じました」と振り返ります。
「女性側は、船員と結婚するメリット・デメリットを意識して参加されています。また企業とのコラボということで、男性側は婚活パーティーが初めてという方も。笑顔と挨拶が基本! と伝えたところ、皆さん実践されており誠実な方ばかりという印象でした。トークも盛り上がって結果6割の方がカップルになり、大成功の良いパーティーだった思います」
今回開催した「内航海運コラボ企画 船乗りとの出会いパーティー」、参加した方の声や参加希望の方が増えることで、船員以外や女性にも認知が広がってほしいと運営メンバーは今後に期待を寄せました。未婚率上昇や少子化といった社会課題の解決にもつながる四国発の「船員の仕事」認知向上の取り組み、今後の展開にも注目です。

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