博士課程修了者、4割に借入金…最多は300万円以上

2018年3月1日(木)13時15分 リセマム

博士課程修了時の借入れ状況

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博士課程修了時に奨学金などの借入れがある人は4割にのぼり、社会人や外国人を除く課程学生では6割を超えることが2018年2月28日、文部科学省科学技術・学術政策研究所の「博士人材追跡調査」第2次報告書から明らかになった。借入金額は「300万円以上」が最多だった。

 科学技術・学術政策研究所では、博士課程修了者を対象とした「博士人材追跡調査」を2014年から行っている。今回、平成28年11月に実施した調査の結果を第2次報告書として公表した。調査対象は、2012年度と2015年度に日本の大学院の博士課程を修了した人。有効回答数は、2012年度2,614人、2015年度4,922人。

 報告書によると、2015年度博士課程修了者のうち、修了時に返済義務のある奨学金や借入金などの借入れがある人は37.8%。社会人学生や外国人学生は「借入れなし」が8割以上を占めたが、課程学生では「借入れなし」は4割に満たなかった。借入れがある課程学生の借入金額は「300万円以上」が7割近くにのぼり、博士課程での重い経済的負担が浮き彫りとなっている。

 博士課程の経済的支援の充実については、科学技術基本計画で生活費相当額(年間180万円以上)の経済的支援の受給者目標値を2割としている。一方、文部科学省が実施した「平成28年度博士課程学生の経済的支援状況調査」(概要速報版)によると、受給者は平成27年度時点で博士課程(後期)学生全体の10.4%にとどまっている。

 授業料の減免については、2012年度博士課程修了者は「全額免除」12.1%、「一部免除」29.0%、2015年度博士課程修了者は「全額免除」12.9%、「一部免除」29.2%。いずれも一部免除を含めて4割程度で、博士課程学生の経済的支援の充実が指摘される中、比率は増えていない状況にある。

 一方、博士課程修了後の所得の状況では、2012年度博士課程修了者の修了1.5年後から3.5年後にかけての所得の変化を見ると、所得階層は全体的に上がっている。所得分布では、「300〜400万円」の層が大きく減少し、「600〜700万円」の層が大きく増加している。人文・社会科学系は、「300〜400万円」の層が大きく減少し、「500〜600万円」の層が大きく増加する一方、「100〜200万円」の層は微減にとどまり、3.5年後の所得分布はM字カーブを描いている。

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