「熱がないから仕事を休めず、体調不良なのに出勤。銀座線で咳きこんでたら、隣に座るおばあさんが...」(静岡県・40代女性)

2023年3月2日(木)11時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Nさん(静岡県・40代女性)

Nさんはその日、体調がすぐれなかった。しかし、仕事を休むわけにはいかなかった。

当時、東京で営業の仕事をしていた彼女はその状態で地下鉄に乗り、咳が止まらなくなってしまったのだという。

<Nさんの体験談>

東京に住んでいた20代の頃の話です。営業職だった私は、朝から晩までノルマに追われながら都内、関東近郊まで飛び回っていました。

毎日終電が当たり前の生活。それなりに楽しかったけど、いろいろ荒んでいたのだと思います。

咳が止まらない私に、おばあさんが...

その日は咳がひどくてあまり体調がよくなかったのですが、熱があるわけでもなかったので会社を休む訳にもいかず仕事をしていました。

地下鉄銀座線の移動中、少しの時間でも休みたくて、咳をしながら座っていました。

一度咳き込むと止まらずにコンコンしていたら(今じゃ考えられませんね)、隣のおばあちゃんが、

「あなた、飴どうぞ」

と差し出してくださいました。

当時の私は親切を受け取る気力もなく、最初は断ったのですが、

「いいから」

と勧められて、半分面倒くさい気持ちでおばあちゃんからの飴を受け取り、口に放り込みました。

もらった飴を舐めていたら...

すると、舐めているうちに、先ほどまでの激しい咳が嘘みたいにピタリと止まりました。まるで魔法でもかかっていたかのように。

忙しくて目まぐるしい日々の中で、ほっこりした気持ちになり、心が解けた瞬間でした。

「ありがとうございます」とお礼をお伝えして下車したのですが、その後もとてもありがたくて嬉しい気持ちでいました。

もう25年近く前の話ですが、通りすがりの荒んだ私にそっと差し出してくださった優しさが魔法のように体にしみた。そんな一粒の飴、「ありがとう」のお話です。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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