マレーシアで未知の言語が発見される。280人のみが話す「ジェデク語(Jedek)」(マレーシア)

3月2日(金)11時3分 カラパイア

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 アメリカ言語学会の最新情報によれば、地球上にある人間の言語は7000種近くが記載されている。

 長大なリストに思えるが、人類学者や言語学者らは引き続き新しい言葉に遭遇しており、最近でもまたマレー半島北部の村で新たな発見があった。

 スウェーデン、ルンド大学の研究チームは「タングス・オブ・ザ・セマン(セマン族の言葉)」というプロジェクトの最中に今回の発見をした。

 小さな村の280名が話すその言語は「ジェデク語(Jedek)」と命名された。


■ 狩猟採集民コミュニティの280名が話すジェデク語(Jedek)


【セマン族の言語調査で判明】

 プロジェクトは、セマン族の村で彼らの言語(オーストロアジア語族アスリ諸語)データの収集・文書化を進めることが目的だった。

 しかし、ある村でジャハイ語(Jahai)と呼ばれる言葉を調査していたところ、その話者が誰もいないことが明らかになった。

 「我々は村の大部分で別の言葉が話されていることに気がついた。村人はジャハイ語にはない単語、音素、文法構造を使っていた」と『Linguist Typology』に掲載された論文で述べられている。

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image credit:Jedek speakers (Niclas Burenhult)

 「これら単語のいくつかは、マレー半島の遠方にある別の地域で話されている他のアスリ諸語との繋がりを示唆していた。」

 それは「ジェデク語(Jedek)」と命名され、280名ほどが話す。ジェデク語の話者グループは、かつてペルガウ川沿いで暮らしていたが、その後マレーシア北部に移住した狩猟採集民コミュニティの一部だ。


【予想外の発見に驚く研究者】

 論文の主執筆者であるジョアンナ・イェガー(Joanne Yager)博士はインタビューで、素晴らしいのはまったく意図されていない発見だったことだと語っている。

 以前ジェデク語が話されている村が調査された時には、この言語の存在に誰も気がつかなかった。「それが存在するなんてちっとも知らなかった。未記載の言語であっても、ほとんどは存在自体は知られているのが普通だ」とイェガー博士は話す。


【ジェデク語はボキャブラリーに生活環境が大きく反映】

 その言葉がこれまで見過ごされてきた理由の1つは、正式名称がなかったことかもしれない。そこで、その言語でよく使用されている用語に基づき「ジェデク」と研究チームは呼ぶことにした。

 プレスリリースによると、この新言語はそれが使われている社会の文化を反映しているという。

 例えば、「盗む」「買う」「売る」といった所有権に関連する単語はないが、「共有」や「交換」に関する豊富なボキャブラリーがある。

 それというのも、村に暴力沙汰はほとんどなく、子供同士の競争はたしなめられるし、法律や裁判所、職業といったものもないからだ。代わりに誰もが皆、狩猟採集民として必要な同じ技術を習得することが期待されている。


Unknown language discovered in Southeast Asia

【近年発見された新言語】

 近年、ジェデク語以外にも新しい言語が発見されている。

 2013年、インド、アルナーチャル・プラデーシュ州では800人によって話される「コロ語(Koro)」という未知のチベット・ビルマ語派言語が発見された。

 さらに同年、オーストラリアの僻地にあるラジャマヌに住む350人の住人が、彼らが「ライト・ワルピリ語(Light Warlpiri)」と呼ぶ、英語と2種の方言の混合言語を話すことが明らかとなった。

 これは最近登場したようで、話者のほとんどは40歳未満である。コミュニティの労働者が英語に触れる機会が益々増える一方、彼らが牧場で作業しながら新しい単語を家族に伝える。このようにして、ここ数十年で発達したことが窺える。

References:eurekalert / smithsonianmag/ written by hiroching / edited by parumo

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