死者との会話を実現するため。スウェーデンの葬儀屋が人工知能を搭載したボットプログラムを開発中

3月5日(月)9時30分 カラパイア

iStock-178839338_e

 スウェーデンの葬儀屋が、亡くなった家族との会話を実現し、悲しみを癒すというプロジェクトのためにボランティアを募集している。

 彼らが作ろうとしているのは、亡くなった人間の意識を完全にコピーしたロボットの類ではない。「フェニックス(Fenix)」社が開発しようとしているのは、遺族の悲しみを癒す人工知能を搭載したボットプログラムである。

【高性能AIプログラムがきっかけで死者との会話をチャットで実現】

 スウェーデンの新聞の取材を受けたシャーロット・ルーニウス(Charlotte Runius)CEOは、プロジェクトの発端になったのは、同社への問い合わせをオンラインで回答する比較的シンプルなAIプログラムであると話している。

 それはボットであるが、それとチャットを交わした人がプログラムであるのか人間なのかすぐには判断できないほどの性能を誇っている。

 これにヒントを得て、同じ技術を用いれば、愛する人との別れで悲しむ家族に故人とチャットしてもらい、悲しみを癒すことができるのではないかと考えた。

iStock-692654228_e


【すでに死者のチャットボットを開発したという前例も】

 「SFのようにも聞こえますが、その技術はすでに存在します」とルーニウスCEOは話す。そして、それは本当のことだ。

 交通事故で亡くなった親友と会話するために、ロシアのプログラマー、ユーゲニア・クイダ(Eugenia Kuyda)さんがフェニックス社の構想に似たチャットボットを開発したという前例があるのである。

●急死してしまった親友をどうしても忘れることができない。そこでプログラマーは親友を人工知能ボットで蘇らせた(ロシア) : カラパイア

 クイダさんのように、フェニックス社の計画でも、故人の情報をデータベースにアップロードして、人工知能に本人のような振る舞いをさせるよう意図している。

 情報次第では、故人がまだ生きているかのように、天気や趣味といったさまざまな会話を交わすことができる。

iStock-178839338_e


【故人に関する情報を保管するチャットボット】

 しかしルーニウスCEOが指摘するように、チャットボットに意識はない。この点において、幾つものメディアが誤解させるような印象を与えた。

 ボットが新しいことを学習することはなく、すべて遺族から提供される情報に依存している。例えば、近日公開される映画について訊くことはできない。

 基本的にチャットボットは故人に関する情報を保管する新しい方法である。かつて、残された側は写真やビデオを見て個人を偲ぶしかなかった。だが今日なら、テクノロジーによってもっと進んだ思い出を残すことができる。

iStock-904420104_e0

 チャットボットが人の感情にどのように作用するのか、今のところ不明だ。ルーニウスCEOはスウェーデンの教会とこの問題について話し合おうと考えているそうだ。

 人によっては、チャットボットによって慰められるどころか、一層寂しさを募らせる結果になる可能性だって考えられる。


【ボイスモードを実現するためにボランティア募集中】

 現時点で、フェリックス社のチャットボットは文字による会話しかできない。

 だが今ボランティアを募集しているのは、音声データのサンプルを集めて、ボイスモードを実現するためだ。また将来的には視覚面でも強化される。遺族たちの体験はどんどんとパワフルなものになるそうだ。

References:rt / odditycentral/ written by hiroching / edited by parumo

カラパイア

「死者」をもっと詳しく

「死者」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ