災害後、娯楽系アプリの使用により恐怖が緩和されることが判明

3月7日(火)9時0分 カラパイア

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 災害は、天災であれ人災であれ、多大な被害と犠牲者を生み出す出来事だ。台風、洪水、地震、火山爆発などが、世界各地で年間約650件報告されている。だが被災者の体験をケアする心理学的方法についてはほとんど研究されていない。

 だからこそ、1月に『サイコロジカルサイエンス(Psychological Science)』に興味深い論文が掲載されていた。

 被害の大きい地域にいた被災者ほどゲームや音楽などの娯楽系アプリの使用率が上がり、それにより恐怖が緩和されているというのだ。

【四川地震の被災者のスマホ記録からわかったこと】

 香港大学のジェイソン・ジア(Jayson Jia)氏、ジャンミン・ジア(Jianmin Jia)氏ら率いる研究チームは、2013年4月、中国四川省で起きた地震を調査した。

 研究チームは同地域のシェアが10パーセントほどのプロバイダーから携帯電話の記録(15万人分)を入手。ここから各種アプリで人々が行なったコミュニケーションの量の推定し、またスマートフォンの位置データを利用して地震時の被災者の位置をマップ化した。


【被害の大きい場所ほど娯楽系アプリの使用率が上がる】

 直感的には地震が強いほど、アプリの使用量が減ると予想されるが、実際には震度が最も高かった地域は、最も低かった地域と比べ、地震発生後4週間における各種アプリの使用率が最も高かった。

 唯一の例外は第1週目で、被害が最も大きかった地域では通話ができなかったことから、アプリ使用率も減少していた。しかし電話が復旧すると、アプリ使用率が最も高くなった。

 面白いことに、被災者は通信アプリや機能アプリ(情報源になるアプリなど)のみならず、楽しみをもたらしてくれるゲームや音楽などの娯楽アプリも使用していた。娯楽アプリの使用率も最も被害が大きかった地域で最大だった。


【娯楽系アプリの使用で不安が緩和される】

 研究者が関心を持ったのは、アプリの使用が被災者の心に与える影響だ。そこで、地震発生後第1週目のデータに含まれていたグループの中から800人を対象に、地震が発生する1週間前と発生後に経験した危機感を評価するよう依頼した。

 結果、2つのことが明らかになった。1つは、通信アプリを使うほど、危機感が増すこと。もう1つは、娯楽アプリを使うほど、危機感が緩和されることである。

 研究チームは地震発生から2年後にも調査を行なっている。被験者は地震後に体験した危機感を振り返るよう依頼され、ここでもアプリの使用と危機感とには同じようなパターンが認められた。


【スマートフォンは被災者の心の回復を助ける重要なツールである可能性】

 こうしたデータが示唆することは、被災者の心の回復を助ける上でスマートフォンが重要なツールである可能性だ。

 災害は予期せぬ出来事であり、人々の人生に大きな傷を残す。音楽やゲームは心を落ち着け、初期のショックへの対処を助ける素晴らしい方法かもしれない。また災害の恐怖を大きくしてしまうマイナス思考の連鎖を止める手段にもなるかもしれない。

 今年3月11日、東日本大震災は6年目を迎える。宮城県の太平洋沖では最高16.7メートルの津波に襲われた。

 いったいどれだけの高さだったのか?ヤフー・ジャパンが、高さ31メートルある銀座ソニービルにこんな広告を出してツイッター上で話題となっていたようだ。

 赤いラインには「ちょうどこの高さ」と書かれている。16.7メートルのつなみにはこんなにも高かったのだ。





via:journals.sagepubpsychologytodayなど/ translated hiroching / edited by parumo

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