「母だけ乗せた新幹線の出発まであと1分。姉と一緒に大急ぎで追いかけたけど、通り道は人だらけで...」(千葉県・40代女性)
2022年3月8日(火)11時7分 Jタウンネット
駅に到着したのは、乗車予定の新幹線が発車する直前——。
千葉県在住のMさん(40代女性)から編集部宛てに、そんな危機的状況に陥った時の思い出が届いた。
今から15年ほど前、京都旅行を満喫した帰り道でMさんを襲った悲劇である。

新幹線に乗るため余裕を持って駅へ向かっていたはずだったが、バスがまさかの遅延。
ギリギリの時間に到着したものの、ホームに繋がるエスカレーターが大混雑していて前に進めない。
不幸に不幸が重なり、もうダメだと諦めかけたMさんを救ってくれたのは、見知らぬ一人の女性だった。
駅に到着するも、荷物が...
今から15年ほど前の事です。
結婚することが決まっていた私は、これからなかなか行けなくなるからと、母と姉と3人で京都旅行に行きました。
最終日のプランは、行きたかったお寺に行き、新大阪駅から新幹線で帰るというもの。
余裕を持ってお寺を出たのですが、駅に向かうバスがなかなか進まず、駅に着いたのは新幹線が出る数分前でした。

そのままホームに行けば間に合う時間ですが、荷物を預けていたのです。
「先に新幹線に乗っていて。もし時間になって私たちが来なくてもそのまま乗って帰って」
私と姉は母にそう伝え、一旦別れました。
エスカレーターが人でいっぱいで...
それから私と姉は、預けた荷物を取りに行き、なんとかホームの手前にあるエスカレーターのところまで辿りつきました。
ですが、そのエスカレーターは人でぎっしり埋め尽くされていて、なかなか前に進めません。
階段などはなく、ホームに向かう手段はこのエスカレーターのみ。あと1分で出発する、もう駄目だ——そう思ったときです。
「あんたたち急いでいるの?」
と声を掛けてくれた女性がいたのです。
私が「はい、新幹線が...」と答えると、彼女は周りの人たちに向かって呼びかけました。
「みんなー! ここのお嬢ちゃんたち、新幹線が行っちゃうんだって!
急いでるから、どいてあげてー!!」

すると、その先にいた他の方々も「どいて」「どいて」と順番に声をかけてくれました。
皆さんも嫌な顔せず脇によけてくださり、私たちは新幹線にギリギリ間に合いました。
新大阪で触れた人々の優しさ
迷惑だったこととは思いますが、声を掛けてくれた女性をはじめ、その場にいた皆さんの優しさに触れた、今でも忘れられない思い出です。

急いでいたので、ゆっくりお礼も言わずに去ってしまったのが心残りではあるのですが、お陰で母の待つ新幹線に乗ることができました。
本当にありがとうございました。
「忘れられない旅先でのエピソード」、教えて!
Jタウンネットでは読者の皆さんが経験した「旅先いい話」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、旅行に行った時期・場所、具体的なエピソード(どんなことにがあって嬉しかったのか、どんなことが印象的だったのかなど、500文字程度〜)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。