「デロリアンは必要ない」 タイムトラベルの秘密を病床でひらめいた理論物理学者

2023年3月8日(水)11時45分 tocana


 SF作品等、空想の世界でよく登場するタイムトラベル。創作の世界ではさまざまな原理で時空を超えて行き来することに成功しているが、現実世界では理論は存在するものの、実現可能とは到底言えない状況にある。


 そんな中、ある理論物理学者がタイムトラベルの謎を解いたと主張して話題になっている。アメリカのコネチカット大学にて教鞭をとるロナルド・マレット教授だ。彼は10歳の時に父親を心臓発作で亡くした後、H.G.ウェルズの『タイムマシン』の絵本版と出会い、「空間を曲げる」というテーマについて生涯をかけて研究する気になったという。


「(『タイムマシン』の)最初の段落が私の人生を変えました。『科学者は、時間とは空間の一種に過ぎず、空間と同じように時間を進めたり戻したりできることをよく知っている』という言葉を今でも覚えています」


 米空軍で過ごした後、彼はペンシルバニア州立大学に進み物理学の博士号を取得。長い間ブラックホールと一般相対性理論の研究に捧げてきたが、研究を始めてから67年後、ついにタイムトラベルの可能性についてひらめきを得たという。


 英紙「The Guardian」の取材に対して、彼は「回転するブラックホールは重力場を作り出し、時間のループを作り出し、過去に行くことができることがわかりました」と語る。回転するブラックホールには、電磁波が抜け出せない事象の地平面が2つあり、その2つの間には「フレームドラッグ」と呼ばれるものが存在し、ここで時空連続体が引きずられるのだという。


 たとえば、いま皆さんの目の前にコーヒーがあるとする。「スプーンでコーヒーをかき混ぜ始めるとします。すると、コーヒーが渦を巻いてくるでしょう? これが回転するブラックホールです。アインシュタインの理論では、空間と時間は互いに関係しあっています。だから時空間と呼ばれるんです。ブラックホールが回転すると、実際に時間のねじれが生じるのです」とマレット教授は語る。


 彼はタイムトラベルを可能とするために、「重力を作り出す」ことができるような「強烈で連続的な回転光線」を作ることができるリングレーザーを作りたいと考えている。もし、作り出された重力場が時間を引き離すことができれば、レーザーは時間そのものに影響を与えることができるようになるだろう、とマレット教授は語る。


 しかし残念なことに、彼はこの装置を作って動かすためには「銀河系規模のエネルギー」が必要だと語っている。もしこの原理を利用したタイムマシンが出来たとしても、これらの推測から「恐らくデロリアンのようなものにはならないだろう」とも述べている。


 ちなみにこの理論は、彼が心臓病を患って入院していたときに「ひらめいた」のだそう。「いつできるかは分からないが、どうやったらできるか、わかったんだ」とマレット教授は自信満々に語っている。果たして、彼の悲願であるタイムトラベルは実証されるのか、気になるところだ。


参考:「Daily Star」ほか


【本記事は「ミステリーニュースステーション・ATLAS(アトラス)」からの提供です】



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