チリの沖合を泳いでいた幻のシャチの撮影に成功。新種の可能性も

3月12日(火)9時30分 カラパイア

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Type D Killer Whales /youtube
 南アメリカ、チリ南端、ホーン岬の沖合で、幻のシャチの群れが観測された。

 マイルカ科シャチ属のシャチは、少なくとも南極海で、1万年ほど前から、混血のない3タイプ(A、B、C)に分化したと言われており、その食性やサイズが異っている。

 今回発見されたシャチは、4番目のタイプで、2004年以降から提唱されている、タイプ「D」である可能性が高いという。

 タイプDは謎が多く、新種である可能性がかねてから指摘されてきた。

 今回、野生での姿が撮影されたことにより、新種説の是非についてまもなく答えが出るかもしれない。

Type D Killer Whales - 1st Encounter

・幻のシャチ、タイプD

 シャチのタイプDは、まだ記載されていないものとして最大の哺乳類である可能性もある。海にはまだたくさんの謎が残されていることを思い知らされる象徴のような動物だ。

 タイプDが最初に知られたのは漁師や写真家の噂話としてだったが、1955年に集団で座礁している個体が確認された。

 2010年、アメリカ海洋大気庁(NOAA)のボブ・ピットマンらは、これが別個のグループであるという論文を発表。

 さらに2013年には座礁した個体の標本をDNA解析し、それがほかのシャチとは遺伝的に異なる(おそらく39万年前に分岐)ことを明らかにした。

 そして2015年に海洋保護団体により、タイプDの姿が初めて撮影された。


Crew of the Bob Barker encounter rare "Ecotype D" Orcas



 しかし科学者が現場に立ち会った撮影は今回が初めてである。

 調査チームが、チリ沖合にある荒波で有名なホーン岬で、1週間気まぐれな天候に翻弄されながらタイプDを探し続けた結果、ついに30頭のシャチに遭遇。

 それから3時間観察が行われ、皮膚から生検用のサンプルが採取された。

 今後数ヶ月で、DNAの解析が行われ、タイプDがほかのシャチと違うのかどうか答えが得られることだろう。


Type D Killer Whales - Underwater Shots


・目のマークが特徴的なタイプD

 シャチは人類が台頭して以降、地球上で一番広く分布している哺乳類であり、北半球と南半球に生息する。

 その分類はかなり複雑だ。その理由は、マイルカ科の中では最大種であることもあるが、模様のパターンが異なることも大きい。

 A、B、C、Dの4タイプのほか、さらに10種の生態型があり、それぞれに大きさ、色、マーキングといった遺伝的な差異や、生息域、食事、狩猟戦略の差異が認められている。

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image credit:Albino.orca/Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0

 タイプAは、主に沖合で暮らし、ミンククジラを狩る。

 タイプBはもっと小さく、アシカを食べる。アシカの乗る氷を波でひっくり返してしまうのは、このタイプである。

 タイプCの餌は主に魚で、水が跳ねたような目のマークが特徴。

 タイプDはほかのシャチに比べると小さく、丸い頭や尖った背びれが特徴だが、一番目につくのは、目の周囲の白いマークが狭いことだろう。

 このために、おそらく一番判別しやすい仲間であるが、皮肉なことに研究者にとっては滅多にお目にかかれないシャチなのである。

References:fisheries.noaa/ written by hiroching / edited by parumo

カラパイア

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