年末の大掃除に気合いを入れるより「毎日の小掃除」ですっきりと。部屋がモノであふれ返らないための一工夫をプロダクトデザイナーが伝授
2025年3月13日(木)16時30分 婦人公論.jp
(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
「センス」と聞くと、肩に力が入って窮屈という印象を受ける方もいるのではないでしょうか。「センスは『磨く』対象となるような堅苦しいものではなく、だれもが自分のものとしてたのしめるもの」と話すのは、SNSのフォロワーが10万人を超える人気プロダクトデザイナー・秋田道夫さんです。そこで今回は、秋田さんの著書『無理をせず、無駄を楽しむ センスのはなし』から、秋田さんが日常の中で大切にする「生き方のセンス」の一部をご紹介します。
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毎日の「小掃除」でリセットする
「秋田さんのお部屋はすっきりしていますね」と褒めてもらえることが多いのですが、仕事場だからというわけではなく、実家にいたころから部屋は散らかっていなかったと思います。
きれい好きではないけれど、「整理好き」なんですね。「使ったものを元のところにしまう」という所作が、自然としみついています。
わたしの仕事場で打ち合わせの後、編集者と一緒に出かけることになったときに感心されたことがありました。「秋田さんは、コップをきちんと流しで洗ってから家を出るんですね」と。
あたりまえの動作だったので意外でしたが、そういわれてみれば「片づけは後回し」にする人のほうが多いのかもしれません。
わたしの場合、ものごとを始めるときには「持ち越し」の仕事がない状態ですっきりと着手したいので、片づけはその時々ですませておきたいという考えです。
結果として、毎日「小掃除」をしていることになり、年末の「大掃除」のために気合いを入れたことがありません。
新しいものを買ったら古いものを一つ手放す
買い物が大好きなのに、部屋がモノであふれ返らないのには理由があります。
服に関しては、新しい服を1着買ったら、古い服を1着手放すと決めて、数をコントロールしています(あくまで原則です)。
古着屋に売ることもありますが、あまり安い値がつくとさみしくなるので、いっそ割り切って捨てる、が多いですね。
また、ダンボールの空き箱が部屋の中にあると、少し「だらしない」印象になってしまうので注意しています。
ネットで買った商品が家に届いたら、ダンボールをすぐに開封してそのままゴミ置き場へ直行(ありがたいことに、マンションの下にいつでもゴミを出せるボックスがあります)。ダンボールの室内滞在時間はものの数分でしょう。
モノの掃除は心の掃除
さらにいえば、ゴミはためずにこまめに捨てる主義です。
ゴミ袋が満杯になるのを待つことができず、3分の1ほどたまったら捨ててしまいます。
(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
「ゴミ袋がもったいない」と言われそうですが、30リットルのゴミ袋よりお得に買える45リットルのゴミ袋をいつも買っているうえでの3分の1なので、それなりにゴミは入っていることになります。
節約しているのか、無駄遣いをしているのか、よくわからない流儀ですね。
いつも感じることですが、ゴミを捨てるだけで、部屋の雰囲気が「軽く」感じられるのは不思議です。
同様に、ブラインドを拭くと、空気がきれいに清浄されたような感覚にもなります。
モノの掃除は、心の掃除にもなるのですね。
※本稿は、『無理をせず、無駄を楽しむ センスのはなし』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。
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