白塗りの道化師、切腹宣言、小池都知事に公開プロポーズ…カオスな千葉県知事選に「R－1より断然面白い」の声

画像はGettyImagesより引用

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「R-1より断然面白い！」そうネット上で評されるのが、カオス状態となっている千葉県知事選だ。4日に告示され、21日に投開票。過去最多となる８人の候補者が立候補しているが、戦前から前千葉市長の熊谷俊人氏がダブルスコアで圧勝すると予想されている。

　つまりは消化試合なワケだが、今回はそれを逆手に取り、奇抜な候補が続々と名乗りを上げた。政界関係者の話。「選挙に出るには供託金300万円を支払わなければならない。得票率が低ければ、返金もされない。ただ、SNS社会となり、発想を変えれば300万円で選挙活動で名を売ることができ、政見放送にも出れる。『300万円で知名度が上がる』と考えれば、安い買い物なのかもしれない」

　案の定、9日からNHK総合でスタートした政見放送は“衝撃映像”の連続だった。先陣を切ったのは「千葉県全体を夢と魔法の国にする党」代表で顔面白塗りのピエロに扮した河合悠祐氏（40）。「九十九里浜を（ディスニ—）シーにしたい」「ディズニースカイをなんなら成田空港で！」など、アイデアを次々と披露。県内の電車の発車メロディーをディズニーの曲に変更し、朝は「パイレーツ・オブ・カリビアン」でテンションを上げ、寒い日は「アナと雪の女王」を流すという。

　ベーシックインカム党の後藤輝樹氏もすごかった。過去の政見放送で、放送禁止となりかねないワードを連呼したり、上半身裸のオムツ姿で政策を訴えてきた。今回のテーマは「愛」で、交際中の女性「ちなつさん」に突然告白。「きれいなところ」「まじめなところ」「人の痛みがわかるところ」「別れた彼氏の悪口を言わないところ」と好きなところを列挙し、最後は「僕は死んでもかまいません。あなたを幸せにできないなら自決します。結婚してください」と決めてみせた。

　上記２人を超えるインパクトを残したのは、無所属の加藤健一郎氏（71）だった。日赤医療センターや慈恵医大病院、自治医大病院などで医師として勤務歴がある正統派…かに見えたが、のっけから「このノンビリした千葉県も戦国乱世の入り口にきている。いつアメリカと中国が戦争になってもおかしくない時代。日本も巻き込まれるでしょう」と予告し、雲行きが怪しくなった。そして「千葉のバイデンになる！」と意気軒高に訴えたあと、トンデモ計画を披露した。

「夢は当選して、小池百合子氏と結婚する。（小池氏は）落選するような情けない男は相手にしない。ついでに私事で恐縮ですが、めでたく結婚できるようにご支援お願いします！」加藤氏はプロポーズもシチュエーションも想定しており、１都３県の知事会合の場で「こそっとプロポーズしようと考えています」とキッパリ。最後は「安全安心でおもろい千葉を私につくらせてください」と力説した。

　後藤氏の「ちなつさん」への公開プロポーズも良かったが、同氏の過去の経歴から“何か”やってくることは想定できた。かたや加藤氏は誰もがノーマーク。ナチュラルで小池都知事に求愛したことで、ネット上では「やべぇ奴出てきた」「死ぬほど笑った」「加藤さんに（票を）入れます。鹿児島在住ですが」といった声が飛んでいる。

　前出政界関係者は「世も末。今回一部のメディアが繰り返し報じているので、宣伝狙いの立候補者がこれから増えるかもしれない。“見世物”としては下手なお笑い番組より圧倒的に面白いですが」と話す。選挙のエンタメ化が進み、国民は路頭に迷いそうだ。