【漫画】「5月の登山だから夏の装備でいいよね?」春が過ぎかけた時期でも山の上は…その技術・装備で本当に登れる山か、しっかり判断してから計画すべし
2025年3月15日(土)12時30分 婦人公論.jp
(以下全てイラスト:たまご)
『レジャー白書2022』によれば、登山の参加人口は440万人(21年度)。一時のブームから落ち着きを見せたとは言え、今もたいへん多くの方が楽しんでいます。一方、登山を通じて遭遇した出来事や気づいたこと、”あるある”などをブログで発信し、人気を博しているのが主婦のたまごさん。今回のテーマは「春の登山」です。
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「5月中旬に登山をしたい!」と話す友人に
春の訪れを感じる時期になりましたね。
暖かくなり、寒さに凍える感覚が薄れてくると…標高の高い山へ登りに行きたくなりませんか? 私はなります!
一方で先日のこと。
スキー仲間で、まったく登山経験がない友人が
「5月中旬、長野の白馬エリア近くにある栂池高原スキー場からの登山がしたい」
と言ってきました。対して
【1】雪山登山するの?
「今年は降雪が多かった分残雪も多いだろうし、どうだろうね」
と答えた私。するとその友人は…
「ええっ、そうなの? 春も過ぎかけた時期なのに?」
と、驚いた顔をするではないですか。
雪山経験がないなら…
暖かく感じるころには、山の雪はすっかり無くなる。
私もそう思い込んでいた時期がありました。
【2】残雪があるなら…
あれはそう、登山にハマり始めたばかりのころでしょうか。7月からの登山バス運行開始が待ちきれず「6月頭に燕岳へ行くぞ!」と意気込んでいました。
しかし、買い物に行った登山用品店の店員さんにその話をしたら、そこで「6月ではまだ雪がある。雪山経験がないなら、単独での登山はやめた方が」と、やんわりと忠告されたのでした。
バックカントリースキーでの経験を思い返せば
そこであらためてバックカントリースキーでの経験を思い返せば…。
確かに雪の多い年は、GWになってもスキーで滑って降りてきていた! そりゃ高山なら雪が残っているのも当たり前だ。なんで気がつかなかったんだろう?
【3】雪!あるか!
スキーを通じて雪山を間近に見てきたこともあって、人一倍<雪山登山>を警戒する私。
雪がある山は「いくら天気が良くても、夏山装備で登りに行くのは極めて危険」ということはよくわかっています。
雪山ではアイゼンやピッケルなどの冬山装備が必須となりますし、これらを正しく使用するための経験も欠かせないのですから。
前のめりの登山計画を立てがちだけど…
さらに山特有の気候も影響が大きい。
山では平地と違い、天気が急変するコトも多々。残雪があっても晴れていれば暑いし、天候が悪化すれば一気に冷え込む。
春を迎えると、雑誌やテレビで見かけた風景を「今すぐ自分の目でも見たい」と思い、前のめりの登山計画を立てがちですが、特に標高が高い山では残雪状況も含め、自分の技術・装備で登れる山か、しっかりと判断してからの計画が不可欠になります。
私もいつの日か、あえて雪の残る山で登山をしたくなる日が来るのかもしれない。でもその時も、いきなり単独で臨むのではなく、まずはツアーで体験してみたいと思います。
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