有毒物質入りバイブで胎児に障害、がん発症のリスク! 無規制の中国製大人のおもちゃに注意… 安全のためにコンドームの使用を=亜留間次郎

2023年3月14日(火)17時0分 tocana

【薬理凶室の怪人で医師免許持ちの超天才・亜留間次郎の世界征服のための科学】


 欧州の先進国では大人のおもちゃ(Sex toys)と呼ばれる物は2021年に「ISO 3533 大人のおもちゃ—性器、肛門、またはその両方と直接接触する製品の設計と安全性の要件」が制定され、素材や構造が規制されています。


 欧州ではこの要件を満たさないと違法なので販売することができません。


 この規制が最初に登場した国がスウェーデンです。


 始まりは2018年7月に公開された「抜けなくなった大人のおもちゃの増加、予防可能な病態と考えられる(Retained sex toys: an increasing and possibly preventable medical condition)」という論文でした。


 当時のスウェーデンでは肛門異物で病院に来る患者が増加し続けていました。


 論文の統計データによれば、2005〜2016年の間に、男性は人口10万人年あたり年間1.4人だったのが2.3人に増加、女性は人口10万人年あたり0.3人だったのが0.6人に増加しています。


 抜けなくなった異物の40%が大人のおもちゃでした。


 こうした肛門異物の増加はイギリスも同じで、2010年は291件(男性241件、女性50件)だったのが2018年には518件(男性407件、女性111件)に増加しています。


 2018年には肛門異物の医療費だけで年間338,819ポンド(約5500万円)も発生しており、肛門異物の治療だけで過去10年間で5億円近い医療費が消えています。


 大人のおもちゃに工業製品としての規格が制定されたのは医療費の抑制という観点からも必要な措置でした。


 ここでスウェーデンが素晴らしいのは、増えつつづけるアナルオナニーを減らすことは不可能なので、アナルオナニーで事故が起きないように大人のおもちゃの構造や素材を法規制する方向に向かったことです。


 こうして、日本のJIS規格に相当するスウェーデン工業規格(SIS)の標準規格に大人のおもちゃの規格が制定され、肛門から抜けなくなるような形の大人のおもちゃは製造販売が違法になりました。


 その後、大人のおもちゃの規格は国際標準化機構(ISO)に申請されて国際標準化されることになり、2021年にISO 3533:2021として正式に国際標準規格になりました。


 国際標準規格になったおかげで肛門や直腸に入る大人のおもちゃは簡単に抜けるように作らなければならなくなりました。


 入れる物だけではなく、性的な拘束具も規制対象に含まれ、取れなくなって救急搬送される人がいるペニスリングなども緊急時や鍵の紛失時にペンチなどの一般的な家庭用工具で簡単に取り外せることが決められました。


 貞操帯も今はISO規格を守らないとダメなので、現代の貞操帯は簡単に外せるようになっています。


 他にも生体適合材料で作ることが求められるようになりました。



大人のおもちゃに含まれる有害物質

 さて、ここで欧州先進国と日米の間で深刻な格差が生まれました。


 欧州では大人のおもちゃは合法的に堂々と売られている商品なので普通に法規制を受けます。


 ISO規格が制定されたのと同時期の2011年5月3日にはフランスで有害な物質であるフタル酸エステル類を使用している大人のおもちゃが禁止されました。これは子供のおもちゃではずっと前から規制されていたので大分遅いと言えますが……。


 こうした有害物質を含まない大人のおもちゃを求める運動はフランスではセックス・エコロ(Sexe écolo)と呼ばれています。


 欧州では大人のおもちゃにもエコであることが求められています。


 ところが、日本やアメリカでは違法であるために電動コケシなどの別名をつけてジョークグッズとして脱法的に販売されています。


 つまり、法律上の名目が性具ではない日米の大人のおもちゃは法規制を受けず、ISOを守る義務も責任もありません。


 そして、日米で流通している大人のおもちゃの大半は中国で製造されています。


 法規制がなにもない製品が中国で生産された結果がどうなっているのかというと、有害物質規制すら守られていません。


 なにしろジョークグッズなので、守る義務もなければ、輸入する時に有害物質が含まれていないか検査する義務もないのです。


 大人のおもちゃの多くは柔らかい樹脂で出来ていますが、樹脂を柔らかくするために可塑剤が添加されています。


 ポリ塩化ビニルのような人体に毒性があるけど安くて柔らかい樹脂などもジョークグッズであれば法規制を受けません。


 可塑剤の中でもフタル酸エステルは、急性毒性は低いものの発がん性があり、生殖毒性に関しては内分泌攪乱物質として働くため、バイブからしみ出す程度の微量でも女性性器に挿入して使うのは有害です。


 たとえば、樹脂に含まれている低量のビスフェノールAに触れたことが原因で胎児がパーキンソン病になるリスクを増加させる可能性があると指摘されています。


 母親が規制無視の大人のおもちゃでオナニーすると、生まれてくる赤ちゃんに障害が出るリスクまであるのです。


 毒性以外にも抗菌や防カビと言った問題も一切考慮されていません。表面に雑菌やカビが生えた大人のおもちゃを人間の粘膜に使うのは危険です。


 こればかりは使った後の消毒や手入れが必要なのですが、樹脂がアルコールに溶ける素材だとアルコール消毒もできません。


 実際にアメリカでは有毒なセックストイ(toxic sex toys)と呼ばれフタル酸が入っていない製品を使うように勧めているHPも沢山あります。


 日本で流通販売されている物もアメリカと同じ中国製が大半なので事情は何も変わらないのに、日本人は無頓着でアメリカのような安全性の告発すらありません。



大人のおもちゃの法的立場

 アメリカやインドが違法化しているのに対して、実は日本では違法ではありません。ちゃんと薬機法の第2条第4項に性具という記述があり法的に認められている存在です。ところが、日本では適法な大人のおもちゃは製造も販売もされていません。


 なぜなら、医療機器の認証を受けなければならない法規制があるため、欧州よりも厳しい基準をクリアしなければならないため、適法品を作ろうとすればコストは10倍に跳ね上がってしまい庶民が買うには無理のある値段になることは確実だからです。


 この結果、日本では適法品は商売として成立しないので違法な安い品がジョークグッズとして売られています。


 過去には適法品を作ろうとした会社もありました、日本では平成7年にペニスポンプが医療機器の認証を受けないと違法になったのに合わせて、医療機器として適合したペニスポンプを製造販売した業者があったのですが、違法品の十倍近い値段になってしまい売れずに消えました。


 原因は警察が一切取り締まらないからです、違法でも逮捕されないなら平気で違法品が売られ、安全な正規品は値段が高いので売れなかったのです。


 現在の日本で販売されている大人のおもちゃの値段は法律も安全性も無視することで成立しています。


 アメリカやインドでは大人のおもちゃは違法で販売自体が法規制されていますが、そうした国では安全性が保障されていない中国製の安い製品が流通しているせいで問題が起こつています。


 でも安心してください、日本で有毒なセックストイに対する解決策は簡単です。


 使うときに必ず日本製のコンドームをかぶせれば大丈夫です。


 日本で流通している日本製のコンドームは薬機法をちゃんと守っており、厳しい法規制をクリアした安全な医療機器として認証されている性具だからです。


 コンドームは性病予防だけではなく、大人のおもちゃに含まれている有毒物質や表面に沸いた雑菌やカビからも身を守ってくれます。


 オナニーするたびにコンドーム代がかさむのが難点ですが、自分自身の安全のために使用するべきです。


参照

・https://publishing.rcseng.ac.uk/doi/full/10.1308/rcsann.2020.7129
始まりは2018年7月に公開された「抜けなくなった大人のおもちゃの増加、予防可能な病態と考えられる」という論文でした。


・https://publishing.rcseng.ac.uk/doi/full/10.1308/rcsann.2020.7129
直腸異物除去: 発生率と英国国民保健サービスのコストの増加


・https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0306987713005094
妊娠期間中の母親が低量のビスフェノールAへ曝露すると胎児がパーキンソン病になるリスクを増加させる可能性があると推測している。


・https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta7265&dataType=1&pageNo=1


「平成七年九月一九日 薬機第一九八号 陰圧式陰茎勃起補助具の取扱いについて」


この通達により現在の日本ではペニスポンプは薬機法の規制対象になっている。


・過去に存在していた適法なペニスポンプ


株式会社 モデルニスモ
承認番号21200BZZ00652000
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tocana

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