「見知らぬセダンが目の前に止まり、強面のオジサンが降りてきた。身動きが取れず怯える私に『おねぇちゃん...』」(滋賀県・30代女性)
2023年3月16日(木)8時0分 Jタウンネット
シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Nさん(滋賀県・30代女性)
Nさんが自転車に乗って帰宅していると、タイヤにロングスカートの裾が絡まって身動きが取れなくなってしまった。
なんとかしようとしているとき、すぐそばに止まった一台のセダン。降りてきたのは、強面のおじさんで......。

<Nさんの体験談>
今から10年程前の夏、自転車に乗って帰宅していたら、履いていたロングスカートの裾がタイヤに絡まってしまったことがありました。
私はとにかく車道脇に身を寄せ、何とかしようともがいておりました。けれどスカートは複雑に絡まっており、どうにかすると破けてしまうかもしれないと不安で、為す術もありません。
強面のおじさんが近づいてきて...
何台かの車や自転車、歩行者が横を通っていきましたが、誰も見向きもせず去っていきます。
悲しい気持ちになっていた時、一台のセダンが私の少し前でピタッと停車しました。
「救世主かも!」と安堵したのもつかの間、降車してきた人はとても強面の男性。
「白昼堂々連れ去られてしまうのかも」
身動きが取れない私の身体はより一層、強ばりました。

しかし、どんどんとこちらへ近づいて来たその人は一言、私にこう言いました。
「おねぇちゃん、スカート絡まったんか? 大丈夫か?」
生きていく中で大事なことを教わった
おじさんに続いて、セダンの助手席から、今度は若い女性が出てきました。
「お父さん、やっぱりそうやったやろ? おねぇさん、大丈夫?」
おじさんの娘さんらしきその女性がそう言って駆け寄ってく来て、道路脇で困っている私に気付き、心配して止まってくださったらしいことがわかりました。
スカートを絡めて動けなくなっている現在の状態と、親切な方に対し誘拐を疑うような、失礼な気持ちを抱いてしまったことへの恥ずかしさ。そして、誰も見向きもしてくれなかった中で、わざわざ止まって優しく声をかけながら助けてくれた2人への感謝。色々な感情で、私は泣きそうになりました。
その後、絡まったスカートをほどいてくださったその親子に、私は何度も感謝の言葉を伝えました。2人は、「気をつけて帰ってね」と最後まで気遣ってくださり、やがて颯爽と走り去っていかれました。
人を見た目で判断してはいけない、困っている人がいたら必ず駆け寄って声をかけよう。
そんな、生きていく中で大事なことをあの時の2人から学ばせていただきました。
すでにお顔も思い出せなくなってはいますが、色あせない体験です。あの時は助けていただき、本当にありがとうございました。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko[a]j-town.net、[a]を@に変更)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)
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