人体ミステリー。死後10分間に渡り、脳活動が記録されるという不可解な事例が発生(カナダ)

3月16日(木)9時0分 カラパイア

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 集中治療室で働くカナダの医師が非常に不思議な事例に遭遇した。手の施しようがなくなった4人の患者の生命維持装置を外したところ、臨床的に死亡が診断されたというのにその1人の脳で活動が見られたのだ。

 患者は心臓の停止と対光反射の消失などによって死亡が確認されているにも関わらず、10分以上も深い眠りについているときに発生するものと同じ脳波(デルタ波群発)が現れていた。これはラットの首を切り落とした後に見られる突然の”死の脳波(Death Wave)”とはまったく別の現象だ。

【心臓の鼓動が完全に停止したのに脳活動が続くという謎】

 「1人の患者では、心調律と動脈圧が消失してから単一のデルタ波群発が持続した」とカナダ、ウェスタンオンタリオ大学のチームは報告する。

 また4人の患者の死前後の脳波を測定した結果、死が個々人にとってユニークな経験であることも判明している。

 「動脈圧が消失する30分前と消失から5分間の脳波振幅は大きく異なっていた」という。

 何しろサンプル数はたったの1人であり、その発見から死後の体験を語ることは時期尚早であることには注意しなければならない。

 心臓の鼓動が停止してからも脳活動が数分も続く仕組みは、生物学的には説明できない。このため、研究者は測定結果が機器のエラーである可能性も捨てていない。

 しかし、そのエラーについても特定されておらず、誤動作のサインは見つかっていない。生物学的なものであれ、別のものであれ、異常の原因は確認できないのだ。

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 「循環が長時間消失した後に発生したことを考えると、この脳波が生理学的なものに起因するとは考えにくい」

 「これらの脳波群発は、それゆえに人為的なもの(ヒューマンエラー)である可能性もあるが、その人為的な原因を特定することはできなかった」

 以下のグラフは、4人の患者の脳波測定の結果だ。0の位置が臨床的に死亡した時点、すなわち生命維持装置を外してから数分経って心臓が止まった時点を表す。

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image credit:Norton

 黄色で示されているのが、問題となる脳活動で、4人中3人の患者に見ることができる。心臓が停止するまで徐々に弱まり、患者2の場合は臨床的死亡の10分前に消失している。

 だが、どういうわけか、患者4では心停止から10分と38秒の間にデルタ波群発が起きた証拠が記録されている。


【死の脳波なのか?】

 これが”死の脳波”と呼ばれる現象である可能性についても調査された。

 これは2011年にある研究チームがラットの首を切断し、それから1分間に観察された脳活動であり、脳と心臓が停止する瞬間が異なる可能性を示唆しているものだ。

 「断首からおよそ1分記録できる大量の波は、生と死の究極の境目であるように見える」と当時オランダ、ラドバウド大学の研究者が報告している。

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image credit:Bas-Jan Zandt

 今回のカナダチームもこの現象がなかったか確認しているが、何もなかった。「4人の患者のうちで、心停止から1分以内にデルタ波を確認できた者はいなかった」

 これらすべてがどうにも些細なことに思えたら、死亡神経科学(necroneuroscience)という超ニッチな学問のお出ましだ。そこで何が起きているかは誰にも分からない。

【死の瞬間、奇妙なことがおきている】

 分かっているのは、死の瞬間——そして、それからしばらく——奇妙なことが起きるということだ。2016年の2つの研究では、人間の死後、1,000個の遺伝子が数日間機能し続けていることが発見された。しかもそれはだらだら衰えるというわけではない。臨床的な死の瞬間から活発になるのである。
 
 こうした研究がもたらす知見は、死後の体験について理解を促進するものではない。なぜなら、そうした観察は結論を導くものではなく、生物学的な説明もなされていないからだ。しかし、私たちや動物が死という過程を経る際に、体や脳で実際に体験していることは明らかにしくれる。


via:discovermagazineexpress・sciencealertなど/ translated hiroching / edited by parumo

カラパイア

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