給付金詐欺「タナカ・ザクオと名乗る自称日本人」に気をつけろ! SNSに出没、ZACKUO TANAKAの正体とは?

2020年5月14日(木)9時0分 tocana

画像は、GettyImagesより引用

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 今年3月、在留カードを偽造した入管難民法違反容疑で、千葉県船橋市に住む中国国籍の男が警視庁組織犯罪対策1課に逮捕された。男は昨年8月に技能実習生として来日したが、SNSでカードの偽造を持ちかけられ、月50万円の報酬で指定場所にレターパックで郵送していた。組対1課の捜索では、中国やベトナムなど12カ国の約400人分の偽造在留カードなどが見つかったという。


 男が出入りしていたSNSのひとつは世界中の人々がアクセスする国際交流アプリだが、そこではいま「タナカ・ザクオと名乗る自称日本人」が、同じく偽造在留カードを巡っての被害でお尋ね者となっている。



「日本で配られている給付金が30万円で、在留カードがあれば国籍に関係なく誰でも銀行に振り込んでもらえる。支給される前に急いで登録した方がいい」


 こんな話で持ち掛けられた人が、3〜4万円の「仲介手数料」を騙し取られたとして騒ぎになっているのである。男はネット上で日本国籍の「タナカ・ザクオ」なる名前を名乗り、アプリ上では映像の投稿で、顔を出して日本のパスポートの表紙や在留カードの見本を見せながら希望者を勧誘していた。しかし、金を送ってもカードが送られてこないという被害報告から、詐欺の疑いが強まったものだ。現在、タナカ・ザクオのアカウントはサイト運営者によって削除されている。



 4月3日、日本では安倍晋三首相が緊急経済対策として収入が大きく減少した世帯を対象に一世帯30万円の現金給付を表明。その後、17日になって撤回され、一律10万円の給付に変更された。対象者は「4月27日に日本の住民基本台帳に記録されている者」で、国内3カ月を超える在留資格を持って住民票を届け出ている外国人も対象となったが、方針が変わった混乱もあり、英語による国際的なSNSなどでは「在留カードがあれば一律30万円がもらえる」というデタラメな話がそのまま信用されるに至ったようだ。


 タナカ・ザクオは遅くとも4月25日の時点では消されていなかったアカウントで詐欺話を持ちかけていたことが分かっているが、日本人にはあまり聞き慣れない名前のスペルは「ZACKUO TANAKA」で、おそらくは日本人を騙っていた中華系と思われる。実際、映像投稿では中国語訛りの英語を話していたという話だ。そうなると本名はまったく別ということになるが、顔を出して勧誘をしていたため、そのルックスは被害者にとって犯人追跡の大きな手がかり、一部の被害者やその知人らが、アプリ上で男の使っていたプロフィールの写真を使って情報提供を呼びかけている。


 給付10万円については、日本国内でも個人情報を聞き出し、行政手続きを装って金を騙し取る詐欺の電話やメールの報告が相次いでいるところだ。警視庁犯罪抑止対策本部は消費者ホットライン「188」などで情報や相談を受け付けているが、まさか国外でも在留カードをエサにした詐欺が広まるとは想定外の事態だっただろう。


 本件の情報収集にも乗り出しているシンガポールのネット詐欺追及団体によると、「こうした詐欺は騙される方が無知だという人もいるが、詐欺師はわれわれの想像以上に言葉巧みで、常に形を変えて詐欺を続けている」という。新型コロナウイルスのパンデミックではいま世界中で給付金がらみの詐欺事件が増えているとの話もある。

tocana

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