老齢基礎年金のみ繰り下げした場合、加給年金は通常通りもらえますか?

2024年3月21日(木)21時20分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人も……。老齢基礎年金のみ繰り下げした場合の加給年金について、年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、老齢基礎年金のみ繰り下げした場合の加給年金についてです。

Q:老齢基礎年金のみ繰り下げした場合、加給年金は通常通りもらえるのでしょうか?

「4歳年下の妻がいます。65歳から加給年金をもらえそうです。私は繰り下げ受給を選択したいのですが、老齢基礎年金のみ繰り下げした場合、加給年金は通常通りもらえるのでしょうか? 老齢厚生年金と老齢基礎年金の両方を繰り下げた場合はもらえないことは理解しています」(まこ)

A:老齢基礎年金のみ繰り下げすれば、加給年金は支給されます

老齢基礎年金だけを繰り下げ、老齢厚生年金を65歳から受け取れば、条件を満たす配偶者がいることでもらえる「加給年金」を受給できるでしょう。配偶者加給年金は、配偶者が65歳になるまでの期間、老齢厚生年金に上乗せされます。
相談者「まこ」さんが、65歳以降に配偶者加給年金を受け取る上での注意点は2つあります。
1つ目の注意点は、「まこ」さんの4歳年下の妻が60代前半で「特別支給の老齢厚生年金」の受給資格がある場合です。妻が厚生年金・共済年金などの被保険者期間が20年以上の特別支給の老齢厚生年金をもらい始めるなど、一定の条件で「まこ」さんの加給年金は支給停止となります。
もう1つの注意点は、「まこ」さんが、65歳以降にも厚生年金に加入して働く場合です。老齢厚生年金額と月収等を足して一定額以上になる場合は、在職老齢年金制度によって老齢厚生年金の支給が一部支給停止となり、同時に加給年金の支給も停止となる場合があります。
いくら稼ぐと加給年金が支給停止になるのかについては、老齢厚生年金と月収等によります。年金事務所などに相談してみましょう。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))

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