最強のペーパーレスコーヒードリッパーはこれ! ホームセンター5社の製品で飲み比べてみた

2023年3月21日(火)10時51分 食楽web


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●ホームセンターで売られている「ステンレスコーヒーフィルター」はどれが優秀? 5社4品で販売しているコーヒーフィルターを比べてみた

 紙や布フィルター要らずでドリップできることから、扱いも楽でごみ削減にもなると言われている、ステンレス製の「ペーパーレスコーヒーフィルター」。でも、実際には使えるの? 味はどうなの? と言うことで、今回、いわゆるホームセンター5社にてステンレス製の「ペーパーレスコーヒーフィルター」を購入。その違いを比べてみたら、衝撃の結果になりました。

 ちなみに商品は、なるべくホームセンターの自社ブランドの商品に絞りセレクトしました(※いわゆる大手コーヒー機器メーカーのものではないもの)。

まさかの商品かぶり…。『DCM』と『カインズ』の「STAINLESS COFFEE DRIPPER 102」


「STAINLESS COFFEE DRIPPER 102」、『カインズ』では1780円、『DCM』は1628円(送料別)。『DCM』の場合、3000円以上の購入で送料無料に

 今回家の近くにある、または仕事帰りなどで買いに行ける店は直接購入、遠くにあるお店はネットで購入。そのため、色々なホームセンターのショッピングサイトを見てポチッとしたのですが、『DCM』と『カインズ』はどうやら同じ商品を取り扱っているようです。

『DCM』と『カインズ』の「ステンレスコーヒードリッパー」は、2〜4杯用。ポットまたはカップの上に置く土台のようなお皿部分と、メッシュ地、いわゆる“茶漉し”のようなフジルター部分が一体となっているデザインです。

 底の部分は楕円形で、中央に極小の穴、そして左右に4つずつ、小さい穴が8つあいています。なので、側面からじんわりつたって落ちていくのと下の穴から落ちていくのの両方でコーヒーを下に落としていく方式のようです。


今回調査した中で唯一の楕円形。中央に非常に細かい穴が円状になっている

 ちなみに箱の説明部分には、「ペーパーフィルターを併せて使うと、すっきりとした味わいを楽しめます」と書かれています。ペーパーフィルターのいらないって書いてあるけれど、フィルター併用OK。だからこそ、底部分が楕円形、ということですね。

 今回比べてみた4品全てですが、ペーパーレスのフィルターでコーヒーを入れる際、お湯を注ぐ量がすっごく大事なことを発見。ペーパーフィルターの感覚で注ぐと、あっという間にお湯が落ちて、コーヒーの香りがする茶色いお湯が出てくることがあります。少しずつお湯を注ぐようにしましょう。

時間をかけ、ゆっくり、少〜しずつ注いで美味しいコーヒーを抽出

『DCM』と『カインズ』の「ステンレスコーヒードリッパー」を入れてみると、おそらく底部中央部分の穴が極小だからなのか、少しずつお湯を入れれば確かに少しずつ、ゆっくり落ちてくれます。4つを比べた中では比較的落ちる速度が遅い方、というか、ゆっくり少しずつ入れれば確かにフィルターなしで美味しいコーヒーが淹れられました。

 だから、朝など忙しい時にはフィルターも併用し、お湯をまとめて注いで勝手に落ちるようにして淹れる。時間に余裕のある午後の小休憩とか夕食後とかにはフィルターなしで、自らの技でお湯を少しずつ注ぎ、バリスタ気分で淹れていく、というのはありかもしれません。

●長所
・2〜4杯分作れるので複数で飲むときに便利
・フィルター底部の穴が極小なのでコーヒー豆が入る心配なし
・ペーパーフィルターも使える

●短所
・一体型なので洗いにくい
・少しヨコ漏れする
・使い続けたら目詰まりが心配になる

長い管部分が特徴的!『IKEA』の「OVERST(オーヴェルスト)」


「OVERST(オーヴェルスト)」1499円。メッシュ部分を外せば、漏斗としても使えるデザイン

 北欧家具・インテリアでお馴染みも『IKEA』にもステンレス製のコーヒーフィルターがあります。公式サイトの説明には「ほとんど永遠に使えるフィルター。コーヒーがお好きな方に、そして心から自然を愛する方にぴったりです。『OVERST/オーヴェルスト』があれば、ペーパーフィルターを使う必要がないので木もお金も節約できます」。木もお金も節約…。まぁ、紙は木からってことなんだろうけれど。

 円錐形のメッシュ部分、漏斗部分、漏斗を安定させる円形のお皿部分の3つにパーツが分かれていて、ゴツい感じがします。そして取説を読んで意外なことが発覚。「コーヒーの粉がフィルターに目詰まりする場合があるため、丁寧に洗ってください。フィルターに目詰まりしたコーヒーの粉を取り除くのに、ホワイトビネガーが役立ちます」。目詰まりしたらお酢!? 北欧のライフハック、恐るべし……。


そこの部分は円形。穴は空いていない。メッシュは3段階になっている

 底の部分は円形で、塞がっています。なので側面からじわじわと抽出し、漏斗を伝って落ちていく感じでしょうか? メッシュ部分の底部分に穴があいていないのもこだわりなの?

一度にまとめて入れるならこれ! と思える推定3〜5人分の大きさ


漏斗の管部分から落ちてくるので横漏れなどの心配なし。フィルター部分が大きいのでお湯が一気に入ってもこぼれない

 こちらも、お湯をゆっくり、少しずつ注いで抽出していきます。真っ直ぐ落ちていくので、ヨコ漏れなどの心配はありません。安定感があります。もちろんこれも、ゆっくり少しずつ注がなくてはいけません。

●長所
・おそらく5〜6杯まで入れられる大きさ
・パーツが外れるから洗いやすい
・ヨコ漏れしない

●短所
使っていくうちに目詰まりすることもある

砂時計みたいなおしゃれなデザインのポット付き!『ニトリ』の「コーヒードリッパーセット600ml」


「コーヒードリッパーセット600ml」2490円。ニトリのオリジナルブランド「DAY Value」の商品

『ニトリ』では、「カリタ」や「HARIO」など、コーヒー機器メーカーのステンレスフィルターも販売していましたが今回は、『ニトリ』のプライベートブランド商品で検証。フィルターとポットがセットになった商品で、もちろん値段もその分、今回比べた中で一番高いです。

 下のポットは耐熱ポットで商品名の通り、600mlまで入れることができます。耐熱ポットだけれど、直火NG、レンジNG、食洗機NGと、意外と繊細。まぁ、コーヒーをいれる専用ポットなので納得です。

 こちらは、円錐形の大きな茶漉しと、砂時計のようなラインのポットのセット。他のコーヒーフィルターがポットまたはカップの上に乗せる、というデザインなのに対し、これはガラスポットにインするデザイン。なんかかわいいフォルムです。


底部分は丸くて穴なし。メッシュ部分から滲み出るスタイル

 そしてこちらも、フィルターの底部分は円形で、『IKEA』同様、底に穴はなく、側面から下に落ちていくスタイル。『IKEA』のメッシュが、底にむかって三段階で細かくなっているのに対し、『ニトリ』は同じ細かさのメッシュを円錐形に貼ったような感じです。内側と外側の触り心地が違うことから、おそらく2層になっていると思われます。

ポット付きってやっぱり便利。安定感はダントツ


フィルターもポットも欲しい、という場合にはかなりおすすめ。独特のフォルムがおしゃれ

 コーヒーを淹れてみると、もちろんフィルターがポットの中に入っているのでヨコ漏れなし、あと、全部の中で注いだお湯が下に落ちるのが一番早かった。フィルターの目が荒いようには見えないんだけれど、ストーンとお湯が通り過ぎていく感じ。正直、かなり丁寧にお湯を注ぐ必要があります。

●長所
・ポットと一体型でデザインが可愛い
・洗いやすい

●短所
・ポットかフィルターどちらかが壊れたら即終了
・すぐお湯が落ちる

ポット用ではなくカップ用に特化!『コーナン』の「ステンレス製のコーヒードリッパー」


『コーナン』eショップで購入。1738円+送料

 まず言えることは他社のフィルターと比べてひとまわり小さい。『IKEA』のドリッパーが直径約12.5cmに対し、『コーナン』eショップで購入した「ステンレス製のコーヒードリッパー」は直径8.5cm。当然コーヒー豆をいれる量も限られてきます。

 これまでの3つが2〜4人用とか600ml用、なのに対し、おそらくですがマグカップ向け(1〜2人用)のフィルターです。そして、枠とフィルターが離れるセパレートタイプです。


底部の円の直径は3つの中で一番大きく、小さな穴も空いている

 底は円形で、小さな穴が5つ空いています。底の円の大きさは、『ニトリ』や『IKEA』のものより大きめ。あと、メッシュが一番大きい気がします。

コンパクトだからこそ、お湯の注ぎ方に注意が必要!


下の器に乗せる、お皿部分にお湯が漏れて垂れてくる。う〜ん…

 いざ入れてみると、『DCM』と『カインズ』の「STAINLESS COFFEE DRIPPER 102」と同じぐらいのスピードで落ちていく感じです。サイドから滲み出るのと、底部分の穴から落ちるのとの両方で落ちてきます。コンパクトなので、普段コーヒーは自分で飲むためにしかいれないとか、香り重視で1杯分ずつしか入れない、という人にはこれでいい気がします。ただ、小さいので注ぐ量をうっかり多くすると溢れるので注意が必要です。

●長所
・コンパクト
・枠とフィルターが別れているので洗いやすい

●短所
・ヨコ漏れが結構ある
・小型なのでお湯が溢れないよう注ぎ方に注意が必要

まとめ:各社創意工夫を感じられる「ペーパーレスコーヒーフィルター」。でも、もうちょっと便利になって欲しいのが本音!


4つを比べて、一押しは「STAINLESS COFFEE DRIPPER 102」に決定

 ということで、5社4品のステンレス製、「ペーパーレスコーヒーフィルター」を比べた結果、ペーパーフィルター使用時よりお湯をゆっくり少量ずつ注がないとダメなのは共通でした。コーヒーってやっぱりガサツに入れたらだめなんですね。

 そして、ゆったりと入れ直し味わった結果、この中で一押しなのは『DCM』と『カインズ』の「STAINLESS COFFEE DRIPPER 102」。ポットや水筒など、大量にコーヒーを作り置きしたいなら、『IKEA』の「OVERST」。インテリアの一つとして、テーブルにおいておくのに良さそうなのは『ニトリ』の「コーヒードリッパーセット600ml」。ポットとか用意するのは面倒、一杯だけ飲むなら『コーナン』の「ステンレス製のコーヒードリッパー」という感じです。

 超個人的な感想ですが、ペーパーレスのドリッパーでこれからは紙フィルター不要〜、と思っても、目詰まりしたらケアが必要だし、さらに美味しく入れたいなら、お湯を少しずつ注げる、注ぎ口が細いドリップケトルがあった方がいいと思います。

 今回は、ホームセンターの調査でしたが、コーヒー機器メーカーや、『カルディ』や『スタバ』などコーヒー専門店でもオリジナル商品があるなら調査してみようと思います。メッシュの細かさとか底部の穴の有無など、各社いろいろ工夫しているのがわかりました。

(取材・文◎いしざわりかこ)

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