入れ歯が外れて命失う事故相次ぐ 胃や腸に孔が開いた例も

3月22日(金)7時0分 NEWSポストセブン

入れ歯が合わなくて死ぬこともある

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 入れ歯が外れて命を失う事故が相次いでいた──。東京医科歯科大学の研究班によると、朝食時に下顎の総入れ歯が外れて咽頭部に嵌り、死亡した事故が発生していた。さらに、外れた入れ歯が食道に孔(あな)を開けて大動脈をも傷つけ、死に至る事故も起きている。


 外れた部分入れ歯を飲み込んでしまい、クラスプという金属製のバネが、食道、胃、小腸などに孔を開けて、緊急手術になるケースも続出していた。入れ歯作りの第一人者である村岡秀明氏(むらおか歯科)はこう指摘する。


「保険の総入れ歯に使われているレジン床という素材は繰り返し調整が可能です。製作した入れ歯は、1度だけではぴったり合わないことも多いので、患者の求めに応じて何度でも嫌な顔をせずに調整する歯科医を選んでください」


 合わない部分入れ歯によって、ドミノ倒しのように、周囲の歯もどんどん抜けてしまうケースもあるという。


「入れ歯のためにプラークが溜まり、特にクラスプ(バネ)がかかっている歯が、歯周病や虫歯になりやすい。加えて咬合(こうごう=かみ合わせ)が悪いと入れ歯が動いてしまい、クラスプの掛かっている歯がグラグラ揺すられ、最悪の場合は抜歯になってしまいます。隣の歯を動かさない入れ歯であるか、という点が重要」(村岡氏)


 熟練した歯科医の場合、患者が入れ歯になった原因が虫歯なのか、歯周病なのか、咬合なのか、それを考慮した設計をするという。


◆食生活まで指導する歯科医かをチェック


 入れ歯で以前と同じように硬いものをバリバリ噛んだりすると、破損したり、クラスプが掛かっている歯に負担がかかる。


「入れ歯に精通した歯科医は、細かい食生活の指導や、残った歯の口腔ケアを大切に考えるものです。裏返せば、こうした気配りがない歯科医は避けた方がいいのではないでしょうか」(同前)


◆なぜ「自費」なのか確認


 保険の入れ歯が合わないと訴えた時に、調整をせず、すぐに高額な自費の入れ歯を勧める歯科医は論外だ。


 ただし、薄い金属床の入れ歯は、装着感が快適だという人もいる。これは、自費でしか製作できない。


「自費の入れ歯には、必ずメリットがあります。患者は、求める条件を伝えて納得のいくまで話し合ってください。丁寧に応じる歯科医なら、いい入れ歯を作るでしょう」(村岡氏)


●レポート/ジャーナリスト・岩澤倫彦(『やってはいけない歯科治療』著者)


※週刊ポスト2019年3月29日号

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