【住宅ローン】後悔したことランキング、1位は? - 2位頭金が少なかった、3位固定金利にすればよかった

2025年3月26日(水)10時13分 マイナビニュース


AlbaLinkは3月21日、「住宅ローンを組む際に感じた不安に関する意識調査」の結果を発表した。調査は2025年1月28日〜2月11日、住宅ローンを組んだことがある249人を対象にインターネットで行われた。
○住宅ローンを組む際に感じた不安
住宅ローンを組んだことがある249人に「住宅ローンを組む際に感じた不安」を聞いたところ、1位は「将来の返済能力(50.2%)」、2位は「金利が上がりそう(37.3%)」だった。返済についての不安に感じた人が多く、「借りられるのか」という不安を抱えていた人は少数派。住宅ローン借入額はかなり大きいこともあり、返済について不安を抱く人が多いと考えられる。
○1位「将来の返済能力」
1位の「将来の返済能力」を選んだ人からは、「長期で支払いを続けるため、『給与は減らないか』『働ける体であり続けられるか』『家族の介護などで仕事に支障が出ないか』などは心配です」(30代/女性)といった声や、「ローンを組んだのが40歳だったので、75歳まで返済し続けられるのかどうか不安でした」(40代/女性)といった回答が寄せられた。現時点では月々の返済額を支払える能力があっても、将来は何が起こるのか予測できないため、本当に完済できるのか不安を抱える人が多いことがわかった。
○2位「金利が上がりそう」
2位の「金利が上がりそう」を選んだ人からは、「変動金利を選択したので、金利が今後どれくらい上がるか」(30代/男性)や、「変動金利にしたので、金利の変動が不安」(40代/女性)といった声があった。住宅ローンは長期間にわたるため、金利の変動による返済額の負担増を懸念する人が多く見られた。変動金利型住宅ローンの場合、金融機関によるが、年に1回の頻度で金利の見直しが行われるため不安があるようだ。
○3位「月々の返済額の負担」
3位の「月々の返済額の負担」を選んだ人からは、「返済が家計の負担にならないか」(30代/女性)や、「自営業で、月によって収入の変動があるので返済額の負担が心配」(40代/女性)といった声があった。住宅ローンの返済は大きな固定費となるため、家計の収支バランスが崩れないか心配する人が多かった。特に自営業や歩合制などで収入の変動が大きい場合には、バランスが取りにくく悩むことも多いと考えられる。
○4位「返済期間が長い」
4位の「返済期間が長い」を選んだ人からは、「返済期間が長期にわたることが、一番の不安材料です。そのため中古物件や頭金など、なるべくローンの額を少なくする対策を取りました」(40代/男性)や、「長期にわたっての返済になること」(50代以上/女性)といった回答があった。返済期間が長いことで、「収入状況が変化する」「ライフステージが変化する」「金利が変動する」「災害が発生する」といったリスクにさらされる時間も長くなるため、不安を感じる人が多いとわかる。
○5位「審査に通るか」
5位の「審査に通るか」を選んだ人からは、「希望額を借りられるかどうか」(20代/女性)や、「審査がきちんと降りるかどうか。そもそも借りられるかどうか」(30代/女性)といった声が寄せられた。そもそも住宅ローンの審査に通らなければ家を購入できないため、審査の結果を気にする人は多いようだ。一般的に「借入希望額が大きい」「借り入れ時点での勤続年数が短い」「非正規雇用で雇用が安定していない」「完済時の年齢が高い(定年後も返済が続くなど)」といった場合には、住宅ローンの審査で不安を感じる人が多くなる。
○住宅ローンを組む際に調べた情報
「住宅ローンを組む際に調べた情報」の圧倒的1位は「金利(51.8%)」で、全体の5割以上を占めた。2位は「返済シミュレーション(22.9%)」となっている。
「金利を調べるために銀行を複数社検討した。『家計簿』『今後の予想給料』『家族のイベント』『老後資金』などを確認し、現実的に返済が可能な額がいくらかシミュレーションした」(40代/男性)、「固定がいいか変動がいいか。あとは住宅取得控除がどのくらいの額がもどってくるか」(50代以上/男性)、「住宅ローン控除とペアローンの関係について調べました。夫婦それぞれがローンを組むと、控除も各自で受けられるため節税効果が高まります。ただし借入額のバランスや返済負担も変わるので、借りる比率を考えました」(20代/男性)、「手数料・信頼できる金融機関の選定」(30代/女性)といったコメントが寄せられている。
将来にわたってスムーズに返済ができるかを心配する人が多かったため、「できるだけ低金利で返済の負担を減らしたい」「返済シミュレーションも確認しておきたい」とと考える人が多いのも納得だ。子どもの進学や定年など、ライフプランも織り込んだ返済シミュレーションを行うことで、ライフステージの変化にも備えられる。また、金利の負担を考える際には、変動金利か固定金利かの選択も重要なため、金利タイプについて調べる人もいる。一般的に「金利が今後上昇しそうなら固定金利、金利が下がりそうなら変動金利」と言われるが、金利の変動を正確に予測するのは難しい。そのため、ローンについて調べたものの、不安を完全に解消できなかった人もいると考えられる。
○住宅ローンを組む際に重視したこと
住宅ローンを組む際に重視したことを聞いたところ、1位は「金利の低さ(69.1%)」で、全体の約7割を占めた。以下、2位「返済期間の短さ(22.9%)」、3位「月々の返済額(16.1%)」と続いた。
○1位「金利の低さ」
1位「金利の低さ」には、「どれだけ無理なく返済していけるかに関して金利はかなり影響力があるため、なるべく金利の低い借入先を探していました」(30代/男性)や、「マンション管理会社の紹介で、一般より金利が優遇されていること」(40代/男性)といった声が寄せられた。また、「金利を低くすること。いろいろな条件を満たして交渉すれば低くなった」(50代以上/ 男性)といった意見もあった。
金利が低いと返済総額が少なくなり、返済の負担が減る。そのため、複数の金融機関で金利を比較して選んだ人が多かったようだ。また、「勤務先が提携しているローン」「ハウスメーカーやマンションデベロッパーが金融機関と提携して提供するローン」などでは、金利が優遇されることもある。
○2位「返済期間の短さ」
2位は「返済期間の短さ」だった。「シングルマザーのため子どもや両親に負担はかけられず、返済期間が短めの住宅ローンにしました」(20代/女性)や、「返済期間を短くすること」(50代以上/ 女性)といった声があった。
返済期間が短いほど利息の負担が少なくなるので、返済総額が減るというメリットがある。また、ローンを組む際の年齢が高い場合、「定年までに返済を終えたい」「定年後に残る返済期間」などもポイントになる。定年退職後も返済が続くと、給与収入がない状態でローンを支払い続けることになり、生活費とのバランスが難しくなる可能性があるからだ。
○3位「月々の返済額」
3位は「月々の返済額」だった。「毎月の返済額が家計に負担をかけすぎないように調整しました。家計全体のバランスを考え、返済額が他の生活費や将来の支出(教育費や老後資金など)を圧迫しない範囲に設定することが、最も重要だと考えました」(20代/男性)や、「できるだけ頭金を大きくして、月々の支払いを継続しやすい金額に設定した」(50代以上/ 男性)といった声が寄せられた。
月々の支払い額が大きいと生活費を圧迫するため、返済期間を短くして支払い総額を減らしたとしても、その分1ヶ月あたりの返済額が増えると、月々の生活が厳しくなることもある。そのため、「家を買ったから節約する必要がある」とならないように、返済額を調整した人が多かったようだ。
○4位「手数料の金額」
4位は「手数料の金額」だった。「借り換え時の手数料などです」(40代/男性)、「手数料が良心的かなどを重視しました」(40代/女性)といった声があった。また、「繰り上げ返済の手数料がない」(50代以上/ 女性)といった回答もみられた。
住宅ローンを借りる際には、ローン保証料や融資手数料など各種の手数料がかかる。手数料だけで数十万円程度の支出になることもあり、軽視はできない。また、繰り上げ返済や借り換えに手数料がかかる場合もある。
○5位「金利のタイプ」
5位は「金利のタイプ」だった。「固定にこだわっていました。今思えば変動でもよかったと思いますが、固定を重視していました」(40代/男性)や、「変動金利」(50代以上/ 男性)といった声があった。また、「固定金利を選択しました。将来の変化にも対応しやすいと感じたからです」(50代以上/ 男性)といった意見も寄せられた。
住宅ローンには、大きく分けて変動金利型と固定金利型がある。そして固定金利型には、一定期間だけ固定金利のタイプと、全期間固定のタイプがある。固定金利は金利の変動がなく返済計画を立てやすいが、変動金利に比べると金利が高めに設定されている。一方、変動金利は金利が低めになっているものの、金利が上昇するリスクがある。
金利タイプを重視した人の中では、固定金利であることを重視した人が多数派だった。一方で、変動金利を選択した人は、「金利の低さ」を重視していたと推測できる。
○住宅ローンを組んでから後悔したこと
住宅ローンを組んでから後悔したこととしてもっとも多かった回答は「他金融機関を検討しなかった(14.5%)」だった。僅差で、2位「頭金が少なかった(13.7%)」、3位「固定金利にすればよかった(13.3%)」が続く。
○1位「他金融機関を検討しなかった」
1位「他金融機関を検討しなかった」を選択した人からは、「住宅メーカーに勧められるがままに銀行を決定してしまったので、もう少しいろいろな借入先を検討してから決断すべきであった」(30代/女性)や、「金利の安いネット銀行を優先したが、各種手数料が割高であったため、他金融機関も含めて総合的に判断すればよかった」(40代/男性)といった声が寄せられた。
さまざまな金融機関が住宅ローン商品を用意しているため、すべてを検討して選ぶのは難しい。そのため、ハウスメーカーなどに勧められると、あまり比較検討せずに決めてしまい、契約後に他金融機関の金利が安いことに気づき、後悔するケースが多いようだ。また、金利を優先して選んだ結果、予想外に手数料がかかって後悔した人も。さらに借り換え検討時に金融機関独特のルールがあることに気づき、手続き面で苦労した人もいた。
○2位「頭金が少なかった」
2位は「頭金が少なかった」こと。「手元にいくらかを残しておきたくて頭金を少なめに設定しましたが、今となっては『もう少し入れておけばよかった』と思っています」(30代/男性)や、「もっと頭金を入れて、月々の返済額を減らせばよかった」(40代/女性)といった声があった。
頭金が多いと借入金額が少なくなり、返済期間を短縮しやすく、頭金が少ないと借入金額や月々の返済額が増えやすくなる。そのため月々の返済負担が辛いときに「頭金をもっと用意しておけばよかった」と感じた人も多くなった。
○3位「固定金利にすればよかった」
3位は「固定金利にすればよかった」という後悔。「借りたときよりも金利がかなり上がってきているので、固定金利にすべきだったかと後悔している。ちなみに0.3%程で借りたが、今は0.7%になっている」(30代/女性)や、「低金利がずっと続いていたため変動金利で組んだが、金利上昇の傾向にあり、固定で組むべきだったかと後悔している」(40代/女性)といった声が寄せられた。
上昇していく金利に不安を感じ、「固定金利にすればよかった」と感じている人も多いとわかった。変動金利から固定金利に変更することも可能だが、金利上昇局面では固定金利も高くなっているため、踏み切れない人も多いと考えられる。なお「2年固定にしたが、金利が上がっているので長期固定にすればよかった」という声もあり、短期の固定を選択して後悔している人もいた。
○4位「変動金利にすればよかった」
4位には「変動金利にすればよかった」という後悔もランクイン。「繰り上げ返済をして早めに完済できたので、金利の安い変動金利でもよかったかもしれない」(40代/女性)や、「3,500万円を『返済期間35年』『固定金利1.5%』で月10万円程の返済額でした。今思えば、変動金利型にすれば返済額が少なくなったと思います」(50代以上/ 男性)といった声があがった。
50代以上など比較的年齢層の高い人や、「すでに完済した」という人からのコメントが多く見られたのが特徴だ。低金利が続いた期間に住宅ローンを完済した人や、すでにローン返済の終わりが見えている人には、「金利の高い固定金利ではなく、変動金利のほうが得だったな」という後悔があるとわかる。
○5位「変動金利にすればよかった」
5位は「返済期間が長すぎた」こと。「ローン開始時は不安が大きく、返済額を無理のないレベルで設定した結果、35年ローンになりました。しかし確実な収入が見込めるうちに返済できるよう、多少返済額が多くてもローンの期間を短くすればよかったと後悔しています」(40代/女性)や、「45歳で住宅ローンを組んだため、79歳まで支払いが残ること」(50代以上/ 男性)といった声が寄せられた。
設定した返済期間が長すぎた結果、定年後も住宅ローンの支払いが続くことになり、後悔している人もいた。なお、返済期間を短縮する方法としては「期間短縮型の繰り上げ返済」や、借り換え時に返済期間を短縮する方法がある。

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