「泣いてる姿を女子中学生に見られた私。『風が強くて怖くて家に帰れない』と伝えると...」(都道府県不明・30代男性)

2022年3月27日(日)8時0分 Jタウンネット

大人になればなんでもないことが子どものときはとても怖かった、というのはよくある話だ。

風が怖くて家に帰れなくなってしまいました——小学校低学年のときのそんな体験談を寄せてくれたのは、Jタウンネット読者のSさん(30代男性)だ。

それは、習い事からの帰り道でのこと。

途中まではいつものように、順調に帰ることができていたSさん。

しかし、家まであと少しというところまできて、急に風の音が怖くなってしまったのだそう。

前に進むことができなくなり、どうしようもなくて公衆電話の陰に隠れて泣いていたところ......。やってきたのは、女子中学生たちだった。

家はすぐそこなのに...

小学校低学年の頃の話なので、今から30年ほど前の話になります。

私は、硬筆の教室に通っていました。

季節はわすれてしまいましたが、とても北風が強い日でした。

硬筆の教室から帰る時間になっても風がとても強かったです。教室から家までは東へ約1キロ、北へ300メートルといったところでしょうか。

教室の先生に「とても風が強いけど大丈夫?」と声をかけられたのを覚えてます。

私は、「大丈夫だよ」と言って教室を出ました。

教室までは一人で、自転車で行っていました。

家に帰るため、まずは東へ向かいます。直線道路です。北風が左から体に当たりましたが、特に問題なく帰れました。

しかし、役場の向こう側の四角を左に曲がり、北へ向かって自転車向けたとき、強烈な風が私を襲いました。

ビュービューとすごい音。私は急に怖くなり、家はすぐそこでしたが、それ以上前に進むことができなくなってしまいました。

「誰か泣いてるよ?」

帰れない、怖い......。

小学校低学年だった私はそんな思いで、近くの役場の公衆電話の影に隠れて泣いていました。

しばらく時間が経つと

「誰か泣いてるよ?」

そんな声が聞こえました。

声の主は、役場の向かいにある中学校の女の子でした。確か3人いたと思います。

そして、彼女たちは私に

「どうしたの?」

と、優しく声をかけてくれました。

私は泣きじゃくりながら、「風が強くて怖くて家に帰れない」と伝えました。

家はどこ?と聞かれたのであそこだよと家の方角を伝えると、中学生の女の子たちは

「ついていってあげるから一緒に帰ろう」

と言ってくれ、一緒に帰ることになりました。

風を全く感じないことに気が付いて...

彼女たちは私の自転車を代わりに押して歩いてくれました。

さっきまであれほど風が強かったのに、道中では全く風を感じないことに気がつきました。

私は怖くて俯いていたのですが、風が吹かないなと思い前を見ると、女の子たちが前に立って私を囲むように歩いてくれていたのです。

とても安心して、とても嬉しかったのを覚えています。

役場からはわずか300メートルの距離でしたので、家にはすぐ着きました。

「家ここだよ」と言ったら、女の子たちは

「もうついたの?じゃあね!」

と去っていきました。

風が強い日は今でも思い出します。

そしてあの時伝えることができなかったありがとうを伝えたいなぁと、そんなことを思います。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

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