安東弘樹のクルマ向上委員会! 第33回 購入リストの筆頭候補? 安東弘樹、ポルシェの新型「911」に乗る!

3月27日(金)11時30分 マイナビニュース

安東弘樹さんは2台のクルマを所有しているが、そのうちの1台はポルシェの「911 カレラ4S」だ。右ハンドルのマニュアル車を11年前、72回ローンで購入したという。その「911」の最新モデルが先頃、日本で発売となった。おそらく乗り換えを検討しているであろう安東さんに早速、新型911の試乗をお願いした。

○ついに登場! 「992型」の911

1964年に誕生した「911」はポルシェのアイコンであり、スポーツカーの代名詞的な存在だ。8世代目となる新型は、3.0Lの水平対向6気筒ツインターボエンジンを後輪車軸の後部に搭載。伝統的なリアエンジン・リアドライブ(RR)というレイアウトを踏襲する。安東さんが試乗したのは、4輪駆動の「911 カレラ4S」だった。

クルマ好きの中には、911のことを別の3桁の数字で呼ぶ人がいる。今回の新型のことを「992型」あるいは「タイプ992」と呼んだり、先代モデルを「991型」あるいは「タイプ991」と呼んだりといった具合だ。この3桁の数字は、ポルシェ社内で使われている開発コードのことらしい。

安東さんが所有している「911 カレラ4S」は「997型」と呼ばれるクルマで、世代でいうと先代モデル(991型)の1つ前のモデルとなる。つまり新型は、安東さんの911から2世代分の進化を遂げたクルマなのだ。その新型に日本自動車輸入組合(JAIA)の試乗会で乗ってもらった。

○997と992は値段が大違い!

安東さん(以下、安):992型の911に乗るのは、今回が初めてです。非常に楽しみにしてきました。(エンジンを起動して走り出しつつ)結構、勇ましい音がしますね! でも、同じようにガスペダルを踏んでも、先ほど乗った「メガーヌ R.S. トロフィー」と比較すると、圧倒的に安定感があります。

マイナビニュース編集部(以下、編):所有していらっしゃる997型と比べると、どうですか?

安:運転して思うのは、フィロソフィーが全く変わっていないということです。メーターには、あえて物理的なタコメーターを表示したり、スピードもデジタルとアナログの両方で見られるようにしたり。ただ、運転席の正面にメーターが5つ並んでいるんですが、両端の画面はステアリングのリムが邪魔になって見づらいですね。

あ、ACC(編集部注:アダプティブ・クルーズ・コントロール、高速道路で速度を保持したり、前を走っているクルマに追従してくれたりする機能)は普通に付いているんだ。

編:へー! 自分で運転するのが楽しそうなクルマなのに、ACCを使うことなんてあるんですかね。

安:まあ、最近はあるんでしょうねー。オンにしてみます。意外と、前を走るクルマとの車間距離は多めにとる制御になっていますね。

編:911のフィロソフィーというのは、ドライバーファーストということですか?

安:そうですね。操作に対するリニアリティーも高いです。

編:マニュアル車(MT)が日本に入る予定はあるんですか?

安:本国でも、発売はまだみたいなんです。

編:現時点で日本導入は未定ですか。

安:そうですね。

実は今度、「ケイマン」と「ボクスター」の「GTS 4.0」というのが日本でも発売になるんですけど、それはMTだけの設定なんですよ。

GTSの4.0というのは、ケイマンの「GT4」とかボクスターの「スピードスター」といった超スポーティーなモデルのエンジンをちょっとだけデチューンして、シートヒーターやシートベンチレーションなんかを付けて豪華にもできる「GTS」というモデルに載せたクルマなんです。それのボクスターに、ちょっと興味が出てきているんですよ。ただやっぱり、MTなのはいいんですけど、完全に2人乗りっていうのがちょっと、引っかかっているんですけどね。

編:この911は後部座席があるので4人乗りですね。ただ、後ろに人が座れるかは微妙な感じですけど。

安:でも、荷物置き場だと考えれば便利ですよ。それに、子供だったら乗せられますしね。以前、子供を乗せて富士スピードウェイに行ったこともありますよ。

安:先ほど乗った「メガーヌ R.S. トロフィー」と比べると、こっちの方が全然、安心して踏めますね。トロフィーはドライバーを選ぶというか、運転がうまければうまいほど楽しめるクルマといった感じでした。プロドライバーがポルシェに乗れば、汗をかかずに、とんでもないスピード域でサーキットを走れるでしょうけど、メガーヌだとスキルがあるドライバーでも、サーキットを走るときは緊張するんじゃないかな。

編:ポルシェは速そうなイメージがありますが、むしろ運転しやすいクルマなんですね。

安:おっしゃる通りですね。視界も良好です。

編:現在のポルシェから乗り換えるなら、筆頭候補はこのクルマのMTということになりますか?

安:うーん、そうですね……。

編:このクルマはオプションなしで1,800万円くらいで、オプションや諸経費を含めると2,000万円くらいになりそうですけど、11年前に買った911と比べて、だいぶ高くなっているんでしょうか?

安:高くなってますね。ちなみに、11年前に買ったときは確か、1,479万円だったと思います。

編:コミコミで?

安:いや、車体が。コミコミだと1,730万円でした。MTですから、少しは安かったんですけどね。

編:そうすると、値段はかなり上がってますね。

安:だから、当時の感覚で新型を見ると、素の「カレラ 4」でも買えないくらいですよね。それに、オプション代も高くなっています。この間、カレラ4SのPDKでコンフィギュレーター(※)を試したんですけど、2,000万円を軽く超えましたもん。

※編集部注:「PDK」(ポルシェ・ドッペル・クップルング)とはオートマチックトランスミッション(AT)車のこと。コンフィギュレーターとはウェブ上で自分の欲しいポルシェがどのくらいの価格になるかを調べられる機能だ。MT車の日本発売が正式発表となっていないので、とりあえずAT車でウェブ上の見積もりを行ってみたところ、総額2,000万円を超えたという話である。

安:MTはいつも、ATに比べて85万円くらい安いんですよ。ただ、今回はMTとATが同額になるらしいんです。基本がATなんで、MTを作るのが面倒なんだと思うんですけど、MTは「無償オプション」という扱いになるみたいですね。それを聞いたときは、「なんだそれ、MTモデルは実質、値上げじゃん」と思わず声が出てしまいました。

編:それだけ、MTの地位が下がっているんでしょうか。そのうち、MTが有料オプションになったら困りますね。

安:いや、確実にそうなるでしょうね。できれば作りたくないですからね、メーカーは。燃費も悪くなるし。余計なラインも作らなければなりませんからね。

編:趣味の装置として、お金を取ってMTを売るようになるということですね。

安:いつの時代も、ポルシェの走りには乱暴さがないですね。懐が深い。

『彼女のカレラ』っていう漫画が好きなんですけど、ご存じですか? 素人の女の子がAT限定免許を解除して、お父さんの形見の「964 ポルシェ RS」(964型の911 カレラRS)というスパルタンなクルマに乗って、それを通じていろんな人と出会っていく成長記なんですけど。そのクルマはMTなので、漫画の中でエンストしそうになるシーンが出てくるんです。その時代のポルシェでも、回転数を自動的で上げてエンストを防ごうとするんですよね。結局、漫画の中では、それでもエンストしちゃうんですけどね(笑)。そういう懐の深さというのは、昔からあるみたいですね。

この試乗中も、メーターを見ると結構なスピードが出ているときがあるんですけど、荒々しさがない分、おとなしいとすら感じちゃいますね。しつけがすごい。さすがですね。

MTだと、どんな感じになるのかな。トルクが500Nmを超えているんで、下手にクラッチを操作したら痛んでしまうと思うんですけど、そのあたりをポルシェは、どういう風にしつけるのか。今、いろいろとやっているんでしょうね。ほかのメーカーであれば許されるような品質でも、ポルシェは許さないでしょうから、ある程度は下手な運転であっても、クラッチがすぐにだめになるようなことがないよう、煮詰めているんだと思います。

ATであれば、基本的にオーバーレブ(エンジン回転数が許容範囲を超えること)は避けられますが、MTの場合、ドライバーがミスすれば、あっという間にトランスミッションを壊してしまう可能性があります。さっきの漫画の中でも、レース中、時速160キロくらいの高速域で主人公の女性が5速から2速に入れちゃって、クルマが壊れるというシーンが出てくるんですけどね。ポルシェとしては、いろんな制御を考えているんでしょう。

ただ、MTになったときのペダルレイアウトは少し心配ですね(クラッチのペダルが増えるから)。現状、あまり空間がないので。

編:そういう意味でも、MTはオプションって感じがしますね。

○新型「911」は買いか?

編:改めて、新型911 カレラ4Sは乗ってみていかがでしたか?

安:改めて、いいクルマですね。乗り換えられればいいなと思いますけど、ただ、メガーヌが500万(ルノーのメガーヌ R.S. トロフィーはMTが489万円から)。911 カレラ4Sが仮に2,000万円だとすると、4倍です。そうすると、ルノーでも十分、楽しめるのかなって気もしちゃいますね。

編:トロフィーはじゃじゃ馬だとおっしゃってましたけど、しつけていく楽しみもありますしね。

安:それに比べると、こちら(911)は完成度が高いとはいえ4倍の価格。値段は「2倍でいいんじゃない?」って気はしますけどね。いくらなんでも、4倍は……。2,000万円だと、アストンマーティンとかも見えてきちゃいますし。

それと、ボクスターの4.0 GTSが日本で発売になるというんで、もう少し待ってみようかなと思います。だから、今のポルシェは車検を通そうと思っています。

編:そうなんですか?

安:3月29日に車検なんで、今から乗り換えるとしても、間に合わないです。車検は今、2年に1回なんですけど、次に通すと、税金が高くなります。

編:そうすると、今のポルシェを乗り換えるタイミングは、2年後ということになるわけですか。

安:車検を通して、理想としては、1年後くらいに売れるといいですね。

編:車検を残して。

安:次から税金が上がっちゃいますから、今回の車検残しは相当、価値があると思うんですよ。だから、できれば1年くらい残しておいた方が、次に乗る人にとってもいいかなと。ただ、MTなんで、すごくいい値段で売れるよっていう人と、難しそうっていう人と、評価は分かれますね。

編:価値が分かる人には、高く売れそうですね。

編:では改めて、現時点で、1年後に乗り換えるとしたら、どんなクルマがリストに入っているんですか?

安:そうですね、まず、お金を貯めなきゃいけないんですけど、新型911 カレラ4SのMT。それと、ボクスターのGTS 4.0。試乗してみて、メガーヌ R.S. トロフィーのMTは、私にはちょっと難しいかなと思いました。レーシングドライバー並みのスキルがあれば、ねじ伏せるのも楽しいんでしょうけど。

あとは、ぜいたくをいえば、アストンマーティンの「ヴァンテージ」はいいですね。それの「AMR」(アストンマーティンレーシング)という特別なモデルはMTなんです。そのうち、通常モデルにもMTを設定するという話があるので、ヴァンテージのMTが売り出されたら、購入を検討してみようかな。まあ、私の仕事の頑張り次第ですが(笑)。

ただ、やっぱり、安定性なども考えると、ポルシェですかねー。あと、冷静に考えるとヴァンテージはオーバースペックですね。この日本で500馬力、700Nmという動力性能は多分、どうにもならないですもんね。もちろん、ポルシェも十分にオーバースペックなんですけど。

編:その購入検討リストに日本車は1台も入りませんか?

安:そもそも、MTモデルが少ないですからね。本格的なスポーツカーだと「フェアレディZ」くらいかな? でも、さすがに古いですし。

編:MTはマツダに頑張ってもらうしかないですかね。

安:そうですね……。でも、スポーツカーを出してくれるのかどうかが問題ですね。

○著者情報:安東弘樹(アンドウ・ヒロキ)
1967年10月8日生まれ。神奈川県出身。2018年3月末にTBSを退社し、フリーアナウンサーとして活躍。これまでに40台以上を乗り継いだ“クルママニア”で、アナウンサーとして初めて日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。

マイナビニュース

「安東弘樹」をもっと詳しく

「安東弘樹」のニュース

トピックス

BIGLOBE
トップへ